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インターネット公開文化講座

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野菜と果物の魅力について

ベジタブル&フルーツマイスター協会認定カルチャースクール講師
栄中日文化センター「野菜ソムリエに学ぶー野菜生活向上のススメ」担当
服部 佳世子

「アスパラガス産地ツアー」「ズッキーニ」

またまた飯田に行ってきました。
名古屋の覚王山にある南信州のアンテナショップ「南信州ファームプロダクツマーケット」のツアーに参加したのです。
今回で3回目の参加となりますが、回を重ねるごとにどんどん参加者数が増えているように思われます。
それだけ魅力のあるツアーですから当然ですネ。当日は、なんと今までのこのツアーの全部に参加された方がお一人おいでになり、記念品が贈呈されました。
さて、名古屋駅を8時出発中央高速度道路を走ること2時間弱、恵那山トンネルをくぐり抜け昼神温泉の入り口園原インターへ。ここでトイレ休憩。アスパラガス畑にはトイレがないので皆さんここで済ますことに・・・・。一路松川インターから高森町のアスパラガス畑に向かいます。
立派に育ったアスパラガスがニョキニョキと、元気よく迎えてくれました。

鋏を受け取りいざ収穫、地面から出たところをチョキンと・・・・好奇心旺盛の私は早速丸かじり。あま~い!そのジューシーなことといったら!!!
収穫中に喉が乾いたらハイ1本召し上がれ(水ナスではないですヨ・・・・)
我が家に帰り丸かじりしてみましたが残念ながら同じように味わえませんでした。(結局茹でて食べました)産地ならではの醍醐味、まさに胃袋貯蔵型野菜の代表選手!と納得です。
以前、夏にアスパラガス畑に行った時は、葉がボウボウと茂って景色が違っていました。

しかしそれには訳があったのです。
春の収穫を終えたら一株から3~4本の若茎を伸ばして、擬葉で養分(光合成)を作って根株を育てながら夏に伸びてくる若茎を収穫するのだそうです。

ソムリエの一言
前文で葉がボウボウ茂ってと記載しましたが、正確には、葉ではありません。光合成をすることから擬葉と呼ばれます。本当の葉は茎についた「鱗片」で俗に「はかま」と呼ばれるものです。
紫のアスパラガスも太いのがニョキニョキ。
ところでこの紫アスパラガス、茹でたら緑色に変わってしまいますよね?
どうしたらこの美しい紫色を、茹でても変色せずに残せておけるのかよい機会でしたので、お聞きしました。
農家さん曰く、お湯を沸騰させて火を止め85℃くらいに冷めたところにアスパラガスを入れて5~8分位そのまま火を通してやると、紫色がそのまま残り、きれいに仕上がるとかそれならば、私は手法を変えて、電子レンジで試してみようとトライするも・・・
失敗、やはり緑色になってしまいました。難しいで~す。今度は素直に教えていただいた方法で、やってみたいと思います。
結局この日は、緑3本紫3本収穫させていただきました。
農家さんのお勧めの食べ方を伺ったところ、漬けもの、味噌汁、かつ揚げ(たぶんフライのこと)丸ごと焼く細いものは素揚げにしてお酒のつまみに、また竹輪の芯にと実にたくさん!
こちらの農家さんは、紫アスパラガスは生で、特にサラダで召し上がることが多いとのことでした。
アスパラガスについては2009年4月に記載させていただきましたので、詳しいことは省略させていただきますが、今回、現地で教えていただいた保存方法は皆さまにぜひお伝えしたいので、ご紹介いたします。
まずぬれた布巾かキッチンペーパーを用意します。そしてそれでアスパラガスを包み(特に切り口の部分)立てて保存すれば一週間は大丈夫とのこと。
ところでこの日、ホワイトアスパラガスにはお目にかかれなかったのでした。
よーく考えてみれば、ホワイトアスパラガスは光を当てずに育てられているので、おひさまが照っている時には収穫出来ませんよね。「6時までには来なければ収穫出来ないよ」とのことでした。まったくその通りですね!!
最後に。子供を抱くようにタオルでくるんだアスパラガスを大事そうに抱えておられた生産者がとても印象に残りました。

さて、産地での収穫体験の次は昼食を兼ねた「おやき作り」体験です。

「おやき」といえば信州名物です。皆さん、実はおやきは二通りあることをご存知でしたか?
同じ信州でも、南と北とでは全くその様相は異なるのだそうです。ちなみに私の知っている「おやき」といえば具を生地で包んで蒸かしたものなのですが、なんでももう一方は生地に山菜等の葉を練り込んで作るのだそうです。まだ見たことも食べたこともないので、いつか探して、食べてみたいと思っています。
こちらでは、地元の「牛牧おやきの会」の皆さんのご指導のもとに、頭にかぶり物をして手を粉だらけにして一生懸命作りました。
中に包む具は、野沢菜の炊いたもの、切干大根の煮たもの、そして煮リンゴ(お味噌を少し入れリンゴを載せて生地でくるんだもの。お味噌がアクセントとなって、意外に思えるかもしれませんが美味しいです!)です。

こうして、出来た「おやき」と、南信州の食材を使った郷土料理がふるまわれました。
どれも心のこもったお味で美味しかったです。

お腹も一杯になり、これからは散策です。
まずは天台宗瑠璃寺へと・・・・。

天永三年(1112年)比叡山竹林院観誉僧都(かんよそうず)がこの地に入り、仁王山の間の洞の樹間に出現した薬師如来にいたく感激し、創建されたと伝えられています。
来年開山900年で4月1日から15日までいろいろな宝物が御開帳になるとか・・・丁度桜も見ごろの時期ですから、来年はぜひ出かけたいと思っています。また、ここには猫神様が祭られています。
薬師猫神様で、かつて養蚕が盛んであったこの地方では、お蚕様をねずみから守ってくれる猫が「猫神様」として大切にされたようです。なんだか両手で人もお金も招いているようですね。

瑠璃寺を後にして、次はお買いもの。地元の農作物を売っている「あんしん」市場へ参りました。
コシアブラ、タラの芽などの山菜等を皆さん買い求め、最終目的地の癒しの温泉に。
「御大の館」の館で一日の疲れをとり、こうして名古屋に戻って参りました。
朝は雨でも降るのでは、と思うような雲行きでしたが、だんだん青空が広がり、楽しい、楽しい収穫体験ツアーでした。

さて今回はカボチャの仲間であるズッキーニについてお伝えいたします。

『ズッキーニ』
外見はキュウリに似ているがカボチャ(ぺポカボチャ)の仲間で果実を食用とする。

【分 類】 ウリ科 カボチャ属
【原産地】 定かでないが、北アメリカ南部からメキシコ
【歴 史】

栽培が始まったのはヨーロッパに伝わった16世紀ごろからといわれています。日本には戦後導入され、輸入されたのは1977年(昭和52年)で翌年には長野県で栽培が始まり、流通しているもののほとんどは国内産のようです。
【美味しい時期】 露地栽培での旬は夏 温室栽培のものが周年流通する。
【主産地】 宮崎県 長野県 千葉県など 主な輸入先はアメリカ
【栄養/機能性】
・栄養的にはカボチャよりキュウリに近く、カボチャの仲間であるが、緑黄色野菜には入らない。
・水分が多くて炭水化物が少ない低エネルギーな野菜。糖尿病患者やダイエット中の人にお勧め野菜です。
・油でいためることで、多くは含まれていないがカロテン(体内に入るとビタミンAにかわる)の吸収率を良くし、体の免疫を強化して、風邪の予防や粘膜の保護に効果があるといわれています。
・ビタミンB1が血液の循環をよくして、体にたまった余分な水分を排泄して、むくみの解消や血行促進によって美肌効果を発揮するといわれています。
・他にカリウム、カルシウム、銅、マンガンなどのミネラル類が多く含まれ、ビタミンKは西洋カボチャより多く、ビタミンCは日本カボチャを上回るなど、微量栄養素をバランスよく含んでいるといわれています。

【種 類】

ズッキーニ(緑) 長さ20㎝ぐらいのものが食べごろ。大きすぎると果肉がかたくなる。
イエローズッキーニ 皮も果肉も黄色いもの。緑のものよりやや小ぶり。炒めたり、煮込みに。
マーシュエットキング ズッキーニの仲間で、一回り大きく、味も甘みが強い。
花ズッキーニ 開花直前の花付きの幼果で珍重される。中に詰め物をして利用。

【保存方法】 涼しくて風通しのよいところか、ラップに包んで冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。
【選び方】 切り口が新鮮でツヤがあり、緑、黄色の色がはっきりしているもを選びましょう。太すぎず皮にハリとツヤがあり、持った時弾力のあるものを選びましょう。古くなると実がスカスカになるので避けましょう。早く食べるようにしましょう。
【用途/調理】 花付の部分には苦みがあるので取り除きます。黄色種の物は未熟のうちに収穫するため、皮が柔らかく、種子もかたくないので生食出来ます。他のものは生食に向かないようです。
ラタトゥイユなどの煮込み料理、ソテー、フライ、サラダ、スープなど
花ズッキーニは花の中に詰め物をして、衣をつけて揚げたり、蒸し煮にしたり、オーブンで焼いて付け合わせなどにします。

参考文献:旬の食材「春・夏の野菜」講談社


アスパラガスのレシピは、最近話題の「ケークサレ」をご紹介いたします。

アスパラガスのケークサレ

材料 20センチパウンドの紙型3本分
 バター ・・・150g
 卵 ・・・4個
 小麦粉 ・・・200g
 B.P ・・・小さじ4
 牛乳 ・・・50cc
 アスパラガス茹で汁 ・・・50cc
 アスパラガス ・・・9本(200g)
 タマネギ ・・・300g
 ベーコン ・・・100g
 コショウ ・・・小さじ1
 炒め油  

作り方
1. アスパラガスは下1㎝位切り落とし、ピーラーで皮をむいて半分に切り茹でておきます。(沸とうした中にむいた皮と共に入れ、再び沸とうしたら火を止めしばらくおきます)
下半分は切ってミキサーにかけます。穂先の部分を除いて小さく切っておきます。穂先は縦半分に切ります。
2. タマネギは切って炒めておきます。
3. ベーコンは小口から薄く切っておきます。
4. 小麦粉とB.Pを合わせて2度振るっておきます。
5. ボールにバターを入れクリーム状にします。
6. 5.の中に卵を1個ずつ入れてよくまぜます。(卵は常温にしておきます。)
7. 6.にミキサーにかけた物を入れまぜます。
8. 7.に小さく切ったアスパラガス、そして4.2.3.と牛乳、茹で汁、コショウを入れ混ぜます。
9. パウンド型に流し鉄板に並べます。
10. 200度のオーブンに8を入れ、10分焼き180度におとして20~25分焼きます。 オーブンから出したらぬれ布巾をかけてあら熱をとります。
11. 冷めたら適当な大きさに切って出来上がりです。

ケークサレとはフランスの塩ケーキのことでベーコンやチーズ、野菜などを練り込んで焼いた「甘く"ない"ケーキ」のこと。
季節の野菜をいろいろ入れて、どうぞオリジナルのケークサレを作ってみてくださいね。


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