文化講座
「蕎麦三昧」「菜の花」
2月といえば節分です。
節分が過ぎれば春はそこまで近づいて来ています。私にとって、昨年の暮れから1月は落ち込むことの多い月でした。ご承知のように足を骨折したことも一因ですが、もっと悲しい出来事がありましたので・・・・・・。
節分が過ぎてやっと新しい年、きっといいことが待っていると信じています。
さて2月といえば豆まきですね。皆さまは豆まきをしましたか?そして恵方巻きを丸かぶりしましたか!?毎年何かしか節分について書かせていただいていますが、今年も豆まきと恵方巻きについて少しばかりインターネット「語源由来辞典」をお借りして書かせていただきます。
節分とは、季節の分かれ目の意味で元々は「立春」「立夏」「立秋」「立冬」のそれぞれの前日をさしていました。節分が特に立春の前日をさすようになった由来は、冬から春になる時期を一年の境とし、現在の大晦日と同じように考えられていたためであるようです。
立春の節分に豆をまく「豆まき」の行事は「追儺(ついな)」と呼び、中国から伝わった風習であるようです。
「追儺」の行事は、俗に「鬼やらい」「鬼走り」「厄払い」「厄おとし」「厄神送り」と呼ばれ、疫病などをもたらす悪い鬼を追い払う儀式で、文武天皇の慶雲3年(706年)に宮中ではじめて行われたようです。
一般的に豆まきに使う豆は炒った大豆ですが、豆まき後の掃除が簡単なことや、まいた豆も食べられることから、地方によっては落花生を用いるところもあるようです。
鰯の頭を、柊の小枝に刺して戸口に挿す風習は、近世以降行われるようになったもので、これも魔除けのためにしたようです。
最近節分に巻き寿司を食べる風習は、福を巻き込むという意味と、縁を切らないという意味がこめられ、恵方に向かって巻き寿司を丸かぶりするようになったようです。
主に大阪の船場で行われていた風習のようで、大阪海苔問屋協同組合が道頓堀で行った「巻き寿司のまるかぶり」のPRイベントがマスコミに取り上げられて関西地方に広まり、今ではコンビニ等でも販売され全国に広まったといわれています。
我が家では「福は内」「鬼は外」と豆まきをした後、大晦日と同じご飯(2009年2月記載)をいただくのが習わしです。その時は「おめでとう、いただきます」と言っていただきます。子供のころからの習慣で、ずっと続けているもの。なかなかやめられないものです。これも習慣というより、懐かしさゆえ、ということかもしれませんね。
さて話は変わりますが、先日岐阜にある「蕎麦屋」さんに行ってまいりました。
なんと予約を取ったのは、昨年の10月。やっとやっとの、念願かなっての来訪です!
というのも、こちらのお蕎麦屋さんは年に3日間だけ予約の電話を受け付けるのです。
2月、6月、10月の、いずれも1日の朝8時からのみ・・・。
毎回、あっという間に予約はいっぱい。当然のことですがなかなか電話もつながりません。
やっとつながったか、と思えばもう満席。「ごめんなさい状態」なのです。
いつも何人かで手分けして電話を入れるのですが、こんな調子が続き・・・しかし今回、なんとたまたま私がかけた電話で予約がとれたのです。
ああ、なんと嬉や!当日は5人でうきうきと出掛けました。
いただいたお蕎麦が美味しかったことは言うまでもありません。しつらえや器にも凝っておいでで、そのお話しを聞くのもご馳走のひとつでした。
写真でご紹介いたしましょう。
一日一組だけのおもてなし。
ご主人お一人がすべておもてなしをされるというこだわりの空間。なんとも心地よい雰囲気でお蕎麦を堪能することができました。蕎麦好きの私にとっては是非再度訪れたいお店でした。
さて、こちらは月1回開催している我が家のおもてなしです。今回は足の骨折を理由に、少し簡単な料理でのおもてなしとさせていただきました。
今月は菜の花にスポットを当てることにしましょう!!
『菜の花』 別称:なばな
春の訪れを告げる緑黄色野菜。その苦みは、私たちの体に"カツ"をいれてくれます。
菜の花:主として花、蕾を食用にするもの、在来種
なばな:主として葉茎を食用にするもの、セイヨウアブラナ系
【分類】 | アブラナ科 アブラナ属 |
---|---|
【原産地】 | ヨーロッパ |
【美味しい時期】 | 12月~4月 |
【栄養/機能性】 | ・カロテン、ビタミンC、B1、B2、葉酸、カルシウム、鉄などのミネラル類を豊富に含み春野菜の王様的存在。抗酸化力も発揮して、ガンの予防や老化を遅らせたりする働きを期待できるといわれています。 ・特にビタミンCの含有量は野菜のなかでもトップクラスで体の抵抗力を高め、風邪などを予防するほか、貧血の予防にも効果的といわれています。 ・食物繊維も豊富に含まれ、便秘の改善や糖尿病や高脂血症や高血圧などの予防にも効果的といわれています。 |
【種類】 | ・なばなとして売られている青梗菜の花つぼみ。くせが少ないのでお浸し等に。 ・切り花の菜の花を品種改良し、苦みを抑えたもの。京都の菜の花漬けはこの種類です。 ・なばなとして売られているもので、中国野菜の紅菜苔と菜心の掛け合わせで生まれたアスパラ菜とも呼ばれ、くせのないアスパラガスのような風味。お浸しや汁の実に。 |
【保存方法】 | 湿らせたキッチンペーパーに包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫で保存しましょう。2~3日位、なるべく早く食べましょう。 |
【撰び方】 | 葉や茎の緑が鮮やかでみずみずしく、切り口が新鮮で、つぼみが開いていないものを選びましょう。 菜種系は黄緑色がさえているものを、中国野菜系は緑色の濃いものを選びましょう。 |
【用途/調理】 | 下ごしらえ 軸のかたい部分を切り落とし、さっと茹でて水けをきります。 調理: 下ごしらえしたものをからし和え、胡麻和え、お浸し、椀だねなどにします。 ■参考 講談社 旬の食材 高橋書店 野菜の便利帳 農経新聞社 野菜と果物の品目ガイド |
菜の花のレシピを2点ご紹介いたします。
菜の花とささみのオイスターソース炒め
材料 | 2人分 |
菜の花 | ・・・100g |
ささみ | ・・・2本 |
酒 | ・・・大さじ2 |
塩 | ・・・少々 |
片栗粉 | ・・・大さじ1 |
サラダオイル | ・・・大さじ2 |
オイスターソース | ・・・大さじ1.5~2 |
1. | 菜の花は洗って食べやすい長さに切っておきます。 |
2. | ささみはそぎ切りに切って酒、塩をかけて10分ほどおき、片栗粉をまぶしておきます。 |
3. | フライパンにサラダオイルを入れ温まったら2.を入れて炒めます。 |
4. | 3.が炒まったところで菜の花を入れ三分どおり炒めオイスターソースで味付けします。 |
菜の花ずし
【ご飯に混ぜるもの】 | |
椎茸 | ・・・10g |
生姜の甘酢づけ | ・・・50g |
いりごま | ・・・大さじ3 |
材料 | 2人分 |
米 | ・・・1.5カップ |
酒 | ・・・大さじ1 |
水 | |
塩鮭(あまくち) | ・・・1切れ |
菜の花 | ・・・200g |
牛乳パックの型 | |
【合わせ酢】 | |
砂糖 | ・・・大さじ2 |
酢 | ・・・大さじ4 |
塩 | ・・・少々 |
【いり卵】 | |
卵 | ・・・4個 |
砂糖 | ・・・小さじ2 |
塩 | ・・・少々 |
酒 | ・・・小さじ2 |
1. | 米は洗って、水加減から大さじ1取り除き、その分酒を入れて炊きます。 |
2. | 合わせ酢を作っておきます。 |
3. | 菜の花は茹で、氷水に取り、色よくして、硬く絞り形の長さに切っておきます。 |
4. | いり卵は湯せんにかけて作っておきます。 |
5. | 鮭は焼いてほぐしておきます。 |
6. | 椎茸は水で戻して、煮汁と砂糖、醤油で味付けしたものを細かく切ります。 |
7. | 生姜の酢漬けも細かく切っておきます。 |
8. | ご飯が炊きあがったら蒸らして、合わせ酢を混ぜておきます。 |
9. | 少し冷めたら5、6といりごまを混ぜておきます。 |
10. | 牛乳パックの縦の一面を使い、それを半分に切り丸い形を作り、ホッチキスでとめておきます。一人3~4個くらいが目安です。 |
11. | 型の内側に酢をぬり、3の菜の花を貼り付けます。 |
12. | ご飯を入れ、上にいり卵と鮭の2種類を作り型からくり抜きます。 |
13. | 器に盛って出来上がりです。 |