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インターネット公開文化講座

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野菜と果物の魅力について

ベジタブル&フルーツマイスター協会認定カルチャースクール講師
栄中日文化センター「野菜ソムリエに学ぶー野菜生活向上のススメ」担当
服部 佳世子

★ 如月 「ブロッコリー」「カリフラワー」

あっという間の1ヶ月が過ぎました。一月はなにかしら行事が多く、あれよあれよという間に、気が付けばもう二月です。
温暖化といえどやはり冬は寒いですね。皆さま、体調など崩されていませんか・・・?

二月といえば、やはり豆が主役になれる「あの日」が一番に思い浮かびますね。
「鬼は外」「福は内」・・・どちらが先でしょうか!?
ところで何故節分に豆をまくのでしょうか?
先日届いた節分豆便り、豆専門店「豆福」さんのパンフレットに、"なぜ、豆に鬼を祓う霊力があるのでしょうか"という問い掛け文があります。
それにはこんな説明がありましたので引用させていただきます。

コメ・ムギ・アワ・キビ・豆の「五穀」の中で、特に重要視されたのは「米」と「豆」でした。これらはともに「行事食」として伝わってきました。また米には稲魂(いなだま)が宿るとされ、タマとか、チカラと呼ばれてきました。「豆」もまたしかり。「年占い(としうら)」といって、年の初めにその年の農作の出来や天候を占う行事があります。そこで用いられるものは、特に量的に収穫の安定を願うものが対象になります。それが通史的に、全国的にみると米と豆なのです。節分に豆をまくのは豆のそうした霊力にあやかっているのです。豆は食べれば元気になる、有難い、神様のおかげがある、豆は特別な力を持っている、と日本人は考えてきたのだそうです。

さて、つい先日、私は「食育出前授業」に行ってまいりました。
「食育出前授業」は農林水産省の補助事業として、青果物健康推進協会により運営されています。私は野菜ソムリエとして活動する傍ら、こちらの青果物健康推進協会の指導の元、ベジフルティーチャー(VFT)としても活動させていただいています。
青果物健康推進協会(特定非営利活動法人)とは「青果物およびその加工物の摂取を通じ、生活者の健康維持・増進に寄与すること」また「青果物の情報発信を通じ、生活者の豊かな食生活の実現に寄与すること」を目的とした初の全国組織です。
会長は「おいしゅうございます」のフレーズで有名な岸朝子さんです。
今回は、名古屋市立の小学校を、VFTの3人で訪問することになりました。
訪れた教室内は、冬の寒い日だというのに暖房の暖かさをあまり感じません。いえ、むしろ寒いくらいで、先生も生徒もしっかり着込んで座っています。不思議に思い、後で校長先生にお聞きしましたところ、全校あげてのインフルエンザ対策のため、すべての教室において、窓を少し開けていらっしゃったのだとか。「お陰で今季の学級閉鎖、休校はなかったのですよ」、と喜んでおいででした。とても良い心掛けですね。

はてさて、私達がお邪魔したその日は、たまたま父兄参観日でもありました。
こちらの学校は熱心なのでしょうね、ご父兄の方々にも子供と同じテキストがコピーして配られていました。

さあ、気合を入れて、講義スタート!
この度のテーマは「地元の野菜を知ろう」「野菜博士になろう」という二つです。
しかし父兄参観日とあって、子供達は少々緊張気味。
まずはリラックスして、楽しんでもらおうと、ビンゴゲームにチャレンジしてもらいました。このビンゴゲームは、地元の野菜を9つ挙げて、それをそれぞれのマスに当てはめていこうというものです。
最初は戸惑っていた子供達も、好きな野菜や、嫌いな野菜、自分が知っている野菜でいいんだよと伝えると、安心したのか、皆スラスラとマスを埋め始めました。

それでは記入が終了したところで、いよいよビンゴの始まりだよ!!
地元で取れる野菜を一つずつ紙に書き、袋に入れておきます。それを子供達にとってもらい、大きな声で「これはなに?」と問い掛け、読み上げてもらいました。3つほど野菜が読み上げられる頃には、あっち、こっちで「ビンゴ!」「ビンゴ!」と手が挙がり出しました。ほどなく「リーチ」という声も聞こえてくるようになり・・・。ご家族の方と一緒に、子供達が9つのマスを一生懸命考えて埋めている様子は、見ていてとても微笑ましいのでした。

盛り上がったところで、私達VFTが地元で取れる野菜について、わかりやすく説明させていただきました。
持参した愛知の伝統野菜であるニンジン三種、「八事五寸」「木之山五寸」「碧南鮮紅五寸」を見せて、講義を進めます。
初めて見る伝統野菜のニンジンに、特にご父兄の方にうなずきながら聞いていただけたのは、よかったなぁ・・・と感慨もひとしお。

続いては、野菜博士になるためのお勉強です。
こちらは、バランスガイドを使って説明をします。特に今回力を入れたのは、「副菜」の部分について理解していただくことでした。
ある小学生A君の一日の食事例を挙げ、(実際にはそれぞれ紙で作った料理カードを黒板に貼ります)その中から副菜を選んでもらい、バランスガイドに沿っていくつ取れたかを考えてもらうというゲームです。ゲームの名前は、副菜ハンター。なかなか面白いネーミングでしょう?

このゲームによって、副菜とは何かを理解していただき、後の一週間、自分の一日の食事の中で副菜5つを食べているかをチェックしてもらいます。チェックの結果、見事一週間摂取できた人には、晴れて「野菜博士」の認定書を差し上げる、という流れになっています。

子供達は、それは熱心に聞いており、かつ楽しんでもいました。
後で振り返り、アンケートを書いてもらいましたが、「バランスよく食べないと"コマ"は回らない」(バランスガイドは"コマ"で表現されています)、「嫌いな野菜もちゃんととります」、「野菜は健康のため食べなきゃいけない」などのメッセージが残されていて、とてもうれしかったです。

野菜ソムリエとしても、VFTとしても、いつもはほぼ成人した大人の方を対象にお話ししているので、こうして就学中の子供達と交流しながら学べたのは、私にとって新鮮でしたし、自分の小学校時代も思い出され、懐かしい気持ちになるのでした。

今回は、冬に美味しいブロッコリーとカリフラワーにスポットを当てます。
『ブロッコリー』『カリフラワー』  野生キャベツを祖先にもつ兄弟の野菜です。

【分類】 アブラナ科 アブラナ属
【原産地】 地中海沿岸
カリフラワーはブロッコリーの突然変異から生まれたものといわれています。両者とも日本に導入されたのは明治時代です。市場に出回るようになったのも同じ明治時代といわれています。
【美味しい時期】 11月~2月
【栄養/機能性】
"ブロッコリー"
緑黄色野菜
"カリフラワー"
淡色野菜
カロテン、ビタミンCが豊富。その含有量はキャベツの4倍といわれています。糖尿病の予防に効果があるといわれるクロムや血圧を下げる働きがあるといわれるカリウム、貧血を予防するといわれる鉄、カルシウムとカルシウムの摂取を助けるビタミンKも多く含まれています。 ビタミンCが豊富で疲労回復や美肌作りに欠かせないといわれています。加熱しても損失が少ないのが特徴です。
アブラナ科の野菜に含まれるイソチオシアネートには、免疫機能を高め、ガンの発生を抑える効果があるといわれています。
特にブロッコリーに含まれているスルフォラファンという成分には、抗酸化作用と解毒作用があり、ガンを抑制するという報告がアメリカの国立ガン研究所で報告されています。
スルフォラファンの濃度が最も高いのは発芽3日目のものといわれています。
【種類】
"ブロッコリー"
茎ブロッコリー・・・・・・・茎の部分が長く、その食味はアスパラガスに似ています。
小分けにする手間が不要なので用途性に優れています。「スティックセニョール 」はその代表種です。
紫ブロッコリー・・・・・花蕾(からい)の鮮やかな紫色はアントシアニンの色ですが、残念ながら茹でると緑色に変色してしまいます。

"カリフラワー"
バイオレットクイーン・花蕾(からい)部分が紫色の品種です。紫色の成分はアントシアニンです。
オレンジブーケ・・・・・オレンジ色の有色品種です。茹でるともっと濃い色になります。オレンジ色の成分はカロテンです。
ロマネスコ・・・・・・・・イタリア伝統品種。別名:「うずまき」「さんごしょう」黄緑色のゴツゴツとした姿が特徴的です。
【保存方法】 ポリ袋に入れるか、ラップに包んで冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。やや硬めに茹でてから、小分けして冷凍保存も可能です。
【見分け方】
"ブロッコリー"・・・・・花蕾(からい)が農緑色で、小さく密にまとまっているもの。中央部が盛り上がっているもの。茎の切り口に空洞が入っていないもので、乾き過ぎていないものを選びましょう。
"カリフラワー"・・・・・形が丸く、ズッシリと重いものが水分量も多く美味しい。すき間なく実が詰まっていて白いもの。切り口がみずみずしく鮮度の高いもの。茎が青々としていて元気のあるものを選びましょう。
【用途/料理】 ブロッコリー:「蒸し茹で方」
フライパンにブロッコリーと塩をひとつかみ入れ、実が半分つかるくらいの水を注ぐ。強火でフタをして3分ほどしたら出来上がりです。

カリフラワー:「茹で方」
鍋にお湯を沸かし、小麦粉を水で溶いたものにレモン汁かお酢を入れて茹でます。小麦粉を入れることで沸点が上がり短時間で茹で上がります。また小麦粉には表面をコートする効果もありますので、旨みを逃がさず美味しく仕上げる事ができます。レモン汁や酢を入れるのは、よりカリフラワーの白さを鮮やかに出すためです。
上記処理をした後は、グラタン・フライ・マリネ・お浸しなどに活用しましょう。
【一言】 ブロッコリーはイタリア語で茎や芽を意味します。カリフラワーの原種と思われていますが、その一方で実はカリフラワーの方こそより原種に近いともいわれています。ところで「ブロッコリー」と「カリフラワー」。日本でどちらが先にポピュラーになったのでしょうか!? ここ日本において、カリフラワーの需要が本格的に伸びたのは、第二次世界大戦後です。戦後、食生活が欧米化すると共に、まず1960年代に入って、カリフラワーが西洋野菜(洋菜)と言う十把一絡げの総称から抜け出し、独立の野菜として認知されました。1965年頃からは、飛躍的にその需要が増加し、アスパラガス、セロリとともに「洋菜の三白」と呼ばれ、日本でもポピュラーな野菜の一つとなりました。ちなみに、ブロッコリーが一般化するのは、カリフラワーより10年以上も遅れ、1970年以降になってからです。そうした意味では、ブロッコリーは比較的新しい野菜と言えそうです。

こちらもキャベツの仲間「芽キャベツ」です。こんな風になっていることを、皆さんご存知でしたか・・・?
まだまだ寒い日が続きます。こんな日には具だくさんのけんちん汁で、身も心も温かくなりましょう。

「けんちん汁」

材料          6人分

鶏肉 120g
ダイコン 150g
ニンジン 35g
ゴボウ 35g
椎茸 12g
サトイモ 75g
炒め油 大さじ2
だし汁 6カップ(1200cc)
塩 小さじ1
薄口醤油 大さじ2
酒 大さじ1
葱 1/3本
豆腐 1丁

作り方

1.鶏肉は小さめに、大根、人参は3ミリぐらいのいちょう切りに切っておきます。
2.ゴボウは皮を包丁の背で削り取り、3ミリぐらいの輪切又は半月に切り、酢水にさらしポリ袋に入れ、電子レンジで2分ほどチンします。
3.里芋は洗ったら皮ごとポリ袋に入れ、電子レンジで2分チンしてから皮をむき、輪切か半月に切っておきます。
4.椎茸は水で戻していちょう切りにしておきます。
5.葱は斜め切りにしておきます。
6.鍋に炒め油を入れて火にかけ、1の鶏肉を炒めます。色が白くなったら1、2、4を炒め、だし汁を入れて暫く煮ます。時々アクをとります。ある程度野菜に火が通ったら3の里芋を加えます。全部に火が通ったら塩、醤油、酒で味付けします。
7.豆腐をさいの目に切って入れ、火が通ったら味を確かめて葱を入れ、一煮経ちしたら器に盛って出来上がりです。



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