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野菜と果物の魅力について

ベジタブル&フルーツマイスター協会認定カルチャースクール講師
栄中日文化センター「野菜ソムリエに学ぶー野菜生活向上のススメ」担当
服部 佳世子

★「冬野菜」 と 「みかん」

一、 かきねのかきねの まがり角
たき火だたき火だ 落ち葉たき
あたろうか あたろうよ  北風ぴいぷう 吹いている
二、 さざんかさざんか 咲いた道
たき火だたき火だ 落ち葉たき
あたろうか あたろうよ  しもやけお手々が もうかゆい
三、 こがらしこがらし 寒い道<
たき火だたき火だ 落ち葉たき
あたろうか あたろうよ  相談しながら 歩いてく

木枯らしが吹くこの季節になるとつい口ずさんでしまう童謡「焚き火」。サツマイモを焚き火の中に入れ、焼きあがるのが待ち遠しかった子供のころを思い出します。しかし今では焚き火なんてもってのほか、都会では見ることさえ出来ません。

この歌の発祥の場所を、つい先日インターネットで発見しました。
作詞家・巽聖歌(たつみせいか) は、昭和5、6年の頃から約13年間、現在の東京都中野区上高田4丁目に家を借りてこの近くをよく散歩していたそうですが、「焚き火」の詩は、その散歩中に思い浮かんだ詩と言われています。
上高田の住宅街の一角で「焚き火発祥の地」として昔の面影を残しているお宅が現在も1件あるそうです。立派な垣根に囲われた大きなお庭にはたくさんの樹木があり木枯らしが吹くと落ち葉の山が出来たのでしょう・・・・・・。
我が家の近くにも大きなお屋敷に大木があり、北風が吹くたび道にまで落ち葉で一杯になります。そのお屋敷の方は毎日朝早くから道路に溜まった落ち葉を掃いておられます。ご苦労様です。
愛犬の散歩をしながら辰聖歌先生になったつもりでいる私をご想像ください。

冬将軍、木枯らしと寒いことばかり連想する言葉ですが、冬には欠かせない言葉です。
そんな時には心も体も温かくしてくれる「お鍋」は最高の冬の料理ですね・・・
冬野菜の一杯入ったお鍋で幸せを感じたいものです。
この季節には白菜、葱、かぶら、ほうれん草や根菜類がとても美味しい季節になってきます。
これらはお鍋にはなくてならない材料ですね。そして冬野菜の代表選手でもあります。
ここで冬野菜についてお話しましょう。
以前にもお話しましたが冬は熊やリスと同様、人間も軽い冬眠状態に入って新陳代謝が悪くなり食べたものが旨く消化しきれず「正月太り」などということにもなりかねません。そこで冬野菜、果物の出番になるわけです。繊維質を含むゴボウが消化を助けてくれ、春、夏の野菜と違って、貯蔵型で熱に壊れにくいビタミン類を多く含んでいるジャガイモ、カボチャは冬の栄養補給にピッタリ!と同時に体調も整えてくれます。冷えた体を温めてくれるのがダイコンやハクサイであり、冬の間不足がちなビタミンCはミカンが補給してくれます。
冬野菜には主に体を温める効果があるといわれていますが、それは野菜に含まれるビタミンCやビタミンEが冷え性に効果があるといわれているからです。ビタミンEは血行をよくする働きと、体内のホルモン分泌を調節する働きがあります。また、ビタミンCには、血液の主要な材料となる鉄分の吸収を促進、毛細血管の機能を保持する働きがあるといわれており、冬野菜に限らず、ビタミンCを含む果物やビタミンEを含む穀物や豆なども体を温める食べ物です。

またこの時期、ねぎ、ニンニク、ショウガも必ず備えておきたい野菜です。これらの野菜が血行促進や新陳代謝を高める効果あるといわれているので身体を温めてくれます。基本的に香味野菜は殺菌力や解熱効果があるものが多いようですので風邪気味のときには特に摂取することをオススメします。

また、冬野菜の特徴として「甘い」ということが言えます。寒い季節、冬野菜たちは、寒くなったり、霜にあたったりして甘くなります。それは冬野菜たちが水分を90%~95%以上含んでいるので凍りやすいためです。凍らないように葉の中の糖分を増やし、凍ってしまいそうな自分の身を守ろうとする自己防衛の手段なのです。ですから寒さに当たったり、霜に当たったりするたびに野菜の中の糖が増え、甘くなるというわけです。納得・・・・・

ちなみにほうれん草のビタミンCの含有量は夏の3倍です。
今夜はお鍋に・・・・という声がどこからともなく聞こえてくるようで~す!
皆さんはどんなお鍋を作られるのでしょうね。
それぞれのご家庭で様々な鍋、味わってみたいものです。今夜は干した白菜と生シイタケを使って我が家でも鍋をと思っています。
じつは最近干し野菜に凝っていますので、始めたばかりですのでこれについては次回お伝えすることとします。

話は変わりますが皆さんこんなジャガイモ知っていますか?最近調理する機会がありましたので報告いたします。
「シャドークイーン」・・・外観は真っ黒、中は紫です。
「ノーザンルビー」・・・外観は茶色の中にほんのちょっと赤みがあります。中はピンクです。


牡蠣フライの付け合せについているジャガイモのフリットを見て下さい。
半分に切るとオヤー
断面が紫とピンク ビックリ!!


さて、今回は前回に引き続き、冬の二大フルーツ「みかん」にスポットを当てることにいたしましょう。

★『温州みかん』
手軽に食べられ、冬のビタミンC補給源です。
温州ミカンの古木が300年前に発見され、九州の一部で栽培されていたにもかかわらず、温州ミカンが現在のように全国的に栽培されるようになったのは、明治以降になってからです。それは、当時の島津藩が鎖国状態にあったことと、温州ミカンが種なしであったことから、縁起がわるいと敬遠されたことの両者からです。後者のほうに説得力が在りそうですネ。
  【分類】
    ミカン科柑橘属orミカン属
  【原産地】
    中国から渡来したミカン類の偶発実生と言われるので、原産は日本ですが、中国のミカンの名産地である温州の名をつけたものと思われます。
  【美味しい時期】
    12月~2月
早生種やハウス物が安定して供給されているのでほぼ通年市場には出回っています。
  【栄養性】
   
  • カロテンとビタミンCの宝庫です。
    カロテンは体内でビタミンAとして働く黄色い色素で、トマトの約2倍あります。ビタミンCは2個~3個食べれば大人の1日の必要量をクリアーします。
  • ビタミンAが粘膜を強くして風邪を予防するといわれています。
  • カロテンの仲間で温州ミカン系に多いクリプトキサンチンはガンの予防に効果的といわれています。
  • ビタミンPには血管壁を丈夫にするはたらきがあり脳卒中予防に効果があるといわれています。これは白い綿状の甘皮の部分に含まれています。
  • 内側の皮(じょうのう)の部分に多く含まれる食物繊維には、腸内の浄化力があり、直腸ガンなどの予防に効果的といわれています。
  • 爽やかな酸味の正体はクエン酸。血液さらさらにし、疲労回復に効果があるといわれています。
  【種類】
    早生品種・・・宮川早生 興津早生
中生品種・・・南柑20号
晩生品種・・・青島温州 今村温州 大津4号
  【保存方法】
   
  • 箱でもらった時は、ダンボールを逆さまに開けてから食べていくといいといわれています。
  • 冷蔵庫にスぺースのある人は小分けにしてビニール袋にいれて冷蔵庫で保存するのがオススメ。
  • 冷蔵庫が目一杯状態で、ダンボールのまま置いておきたい時は、玄関、廊下、車庫etc,暖房が利いていない部屋へ置き、1日ごとに天地をひっくり返すといいようです。
これは、箱内の「空気」の循環や、いたみのチェックを兼ねています。暖房なしの部屋へ置き、今日は表から、明日は裏から食べるというのでいいようです。押されて皮が破れて果汁が外に出てしまうと、青カビが出て、たちどころに伝染してしまうため、ちょっとでもカビが付いたらミカンは箱からだしておきましょう。早く食べることがなによりです。
  【見分け方】
   
  • 形が偏平で、橙色が濃く、肌がしっとりしているものがよいとされています。肌がしつとりしているとは、表面の粒粒(油胞)が細かくて多いこと。油胞がとびだしてざらざらしたものは淡白な味です。
  • へタが小さく黄みがかった緑のものは完熟している証拠です。
  • 大きさは、どちらかというと小さいほうが美味しい。 大きいものは味がぼけた可能性があるので甘みたっぷり詰まった小ぶりのものを撰びましょう。
  • 同じ産地のミカンを比較した時、扁平で色が濃いミカンに甘くてこくがあるミカンが多く、皮が薄くて柔らかくふかふかしていないミカンに良いミカン(美味しいミカン)が多いようです。
  【用途/調理】
    温州ミカンは生食が中心ですが、ジュースやシロップ漬け、缶詰などの加工用にも広く用いられています。
  【主産地】
    愛媛、和歌山、静岡、熊本、長崎、佐賀、広島、福岡、大分、香川、三重、鹿児島、愛知、神奈川などです。
  【一言】
    「ミカンの花が咲いている、思い出の道、丘のみち、遙かに見える遠い海、お船が遠く浮かんでる」 この歌に想像できるように、ミカンは海の見える斜面で栽培されていました。
この条件が美味しいミカンを作る主要な要素なのかもしれません。
海に面した斜面には
   太陽の光の海からの照り返し
   潮風(ミネラルがたっぷり)
   気候(温暖)
   日当たり
   水はけ(斜面)
という条件がそろっていました。
最近のミカンの美味しくなくなったのは、斜形地から畑で栽培されるようになったからだとも言われているようです。

今回のレシピは「お正月料理」の講習会で作ったお口取り6種をご紹介いたしましょう。

簡単なものばかりですのですので是非おためしを!

黒豆の茶巾

材料   4人分
  餃子の皮・・・・・・・・・・・・・・・・・  12枚
  黒豆(煮たもの)・・・・・・・・・・・・  36粒
  かに蒲鉾・・・・・・・・・・・・・・・・  少々
  揚げ油  
作り方
  1、 餃子の皮に黒豆3粒のせ、まわりを水で湿らせて茶巾にします。
  2、 揚げ油を用意して160℃位の温度で焦がさないように揚げます。
  3、 出来あがったら軽く塩をかけ、かに蒲鉾を裂いて結び茶巾にしぼったところに飾ります。

いかのたらこ和え

材料   4人分
  刺身用いか・・・・・・・・・・・・・・・・・・  150g
  塩たらこ・・・・・・・・・・・・・・・・・  30g
  煮きり酒・・・・・・・・・・・・・・・・・  小匙1
作り方
  1、 塩たらこは皮を外して身をこそげ落として、煮切り酒をかけておきます。
  2、 いかは細切りにしておきます。
  3、 1と2を混ぜます。
  4、 緑のものを乗せます。
  ※煮切り酒とは・・・お酒やみりんのアルコール分を飛ばすことを煮切るといいます。煮切った状態の酒を煮切り酒と呼びます。

若草きんとん

材料   4人分
  サツマイモ・・・・・・・・・・・・・・  200g
  砂糖・・・・・・・・・・・・・・・  50g
  みりん・・・・・・・・・・・・・・・  大匙1
  (調味料)  
   抹茶・・・・・・・・・・・・・・  小匙1/2
   砂糖・・・・・・・・・・・・・・  小匙1/2
   熱湯・・・・・・・・・・・・・・  小匙1/2
  甘納豆(白いんげん)又は
サラダ用豆の水煮
100g
作り方
  1、 サツマイモは皮を厚めにむき1センチ位の半月に切り水にさらしてから茹でます。
  2、 竹串をさして柔らかくなったら、ザルに上げ温かいうちに裏ごしします。
  3、 2を鍋に入れ調味料、砂糖とみりんを入れ火にかけてまぜます。よく混ざったところで抹茶を溶かしたものを混ぜ全体に混ぜます。
  4、 3に甘納豆を加え出来上がりです。

大根なます

材料   4人分
  大根・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  100g
  人参・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  30g
  くらげ・・・・・・・・・・・・・・・・・・  50g
  塩・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  50g
  <調味料>  
   酢・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  大匙2.5
   砂糖・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  大匙1.5
   塩・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  少々
  <錦糸玉子>  
   卵・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  1個
   塩・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  少々   2枚に焼きます。
    2枚に焼きます。
作り方
  1、 大根、人参は皮をむいて長さ5センチ、マッチ棒ぐらいの太さに切り塩をして暫くおいてから、軽くしぼります。
  2、 くらげは水で塩抜きして、1の長さにあわせます。
  3、 調味料を用意して1.2を合え、器に盛り付けて錦糸玉子を飾ります。

梅花たまご

材料   4人分
  卵・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  4個
  食紅・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  適宜
作り方
  1、 卵は固ゆでに茹でておきます。(卵を入れて煮立ったら中火にして13分)
  2、 食紅をお湯で薄めて好みの色にします。
  3、 1の卵の皮をむいて温かいうちに2個は2の食紅につけ、全体がピンク色になったら、箸を5本用意して、梅の形にして糸か輪ゴムで留めておきます。
残りの白2個も同様に梅の形にしておきます。
  4、 形が出来たら、箸をとり半分に切り、すわりが悪いようならおしりの部分を少しへいでおきます。紅白二色の梅花卵です。

市松羹

材料   4人分
  <白>  
   粉寒天・・・・・・・・・・・・・・・・・・  1g
   水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  150cc
   砂糖・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  10g
   カルピス・・・・・・・・・・・・・・・・・  100cc
  <赤>  
   粉寒天・・・・・・・・・・・・・・・・・  1g
   水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  240cc
   砂糖・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  10g
   グレナデンシロップ・・・・・・・・・・・  大匙2
作り方
  1、 流し箱13×8×3センチ位を2つ用意します。
  2、 鍋を二つ用意します。一つには150ccの水に粉寒天を1g、もう一方には240ccの水に粉寒天を入れて火にかけます。しばらく煮たら砂糖を加え溶けたら量の少しの方にカルピス、多い方にグレナデンシロップを入れます。
  3、 流し箱にサラダオイルを塗り、水で流したところに1を流して固めます。
  4、 固まったら型からでして白、赤ともに同じ大きさに切り市松にします。

年の瀬も押し詰まって参りました。
楽しいクリスマスと良いお年をお迎えくださいませ。
そして大掃除、新年の準備で何かとお忙しいことと思いますが、新しい年を迎えるため健康にはご留意くださいませ。

来る年が皆様方に幸多からんことを。来年もよろしくお願いいたします。



よいお年を


乾杯!


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