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インターネット公開文化講座

文化講座

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野菜と果物の魅力について

ベジタブル&フルーツマイスター協会認定カルチャースクール講師
栄中日文化センター「野菜ソムリエに学ぶー野菜生活向上のススメ」担当
服部 佳世子

「春の風物詩」「日向夏 せとか」

  春爛漫、桜は満開
皆様はお花見見物にいかれましたか?私といえば例年通り近所の名所、山崎川、そして名古屋城の桜を楽しみました。
巷では、入学式、入社式があちこちで華やかに繰り広げられている様子を微笑ましいなぁ、と思いながらの見物でした。
桜はあっという間に散ってしまいますので、毎年見ごろのタイミングをはかって見るのですが、これがまた難しいですね。
皆さんはベストなタイミングで今年もお花見にお出かけ
できたでしょうか・・・?美しい桜の開花は、春一番の贈り物ですね。
この桜が開花する時期、私にはたくさんの「春ならではの贈り物」が届けられました。
まずは毎年いただく、春を告げる贈り物のご紹介です。
それは春の風物詩「いかなごの釘煮」です。私の住んでいる名古屋では珍しいものですが関西ではこの時期になると、どこのお家からでもいかなごの炊く美味しい香りが漂っているそうです。その関西の風物詩を、毎年はるばる中部へと送ってくださるのは神戸出身の私のお友達のご両親です。

そもそもそのお友達と知り合ったきっかけは、ひょんなことからでした。阪神大震災の2年前くらいからでしょうか、私が神戸を訪れた際には必ず立ち寄る素敵な画廊がありました。そこにお勤めの女性でいつもにこやかに話しかけてくださったのがそのお友達です。ある時そこで私は12枚の干支のリトグラフを購入し、それがきっかけでお友達としても交友を楽しむようになりました。お互い、どこか気が合う部分が多かったのでしょうね。
震災後、彼女は東京に移りやはり画廊でお仕事をしています。名古屋で展示会がある時は必ず我が家によって下さり、私の家族と一緒に食事をするのが習わしになっています。
とても気持ちの優しい方で、一緒のいるとほっとします。もうかれこれ十数年の交流が続いてます。その彼女のご両親が、毎年春になると丹精込めて炊いたいかなごを送ってくださるのです。こうしてこのいかなごが届くと「ああ、春が来たんだなあ」と感じる次第です。このいかなごですが、今年は3月の初めに届きましたので、いつもより早いなぁと思いつつお礼のお電話をいたしました。すると、お母様が「今年は早いのよ、いかなごが大きくなってしまうので慌てて炊いたのよ」とおっしゃいました。
寒い日が続いても、春に向けてちゃんと成長していくすばらしい生命力です。自然はいつも自分の生きる道を忘れておらずなんとも力強いなあ、と感動いたしました。
続いての「春ならではの贈り物」第二弾のご紹介はこちらです。
私の野菜ソムリエ仲間から届いた鮮度抜群!滋養たっぷり!の地元野菜たちです!

早速いただきましたが、なんていったって新鮮そのもの!なので調理の際に火が通るのが早く、 お味も最高!
ニンジンは愛知の伝統野菜
「木之山五寸人参」このやまごすんにんじん)、
ジャガイモは「普賢丸」です。
写真から、ちびちびしたこの野菜たちの魅力が伝わりますでしょうか・・・・!?

さて、次なる「春ならではの贈り物」、それは小唄です。
春が訪れたのは、胃袋ばかりではありません。
「目の保養、耳の保養」と
小唄の会にご招待され出掛けてまいりました。
家元の三味線に合わせ、祇園、浅草の舞妓さんが
舞をご披露してくださいました。
舞は写真を撮ることが出来ないのでご紹介できないのが残念ですが本当に素晴らしかったです。
お花見に引き続き、たっぷりと美しいものを見ることができこちらも感動の一日でした。
そして、このたびの私のグルメ情報も春バージョンで。我が家での春のおもてなし料理です。

ご飯にお味噌汁でした。
どうでしょうか?皆さんに召し上がっていただくものに加え、ランチョンマットなどのも春らしさを意識して用意してみたのですが、春のおもてなしの雰囲気が出ていますでしょうか?

最後のご紹介するものは3月9日(日曜日)ナゴヤウィメンズマラソンです。家の中にいても、窓の外からものすごい歓声が聞こえてきました。
というのも我が家は環状線添えにあるので、マラソンの様子がしっかり伝わってくるのです。
ちょうどこの原稿を書いている途中だったのですが、しばしば湧き上がる歓声、応援の熱いかけ声についにしびれを切らせて外にでて応援にまじることに。ちょうど皆の黄色い歓声とともに第一ランナーが走ってきたところでした!これはシャッターチャンス、とばかりガシャリ撮りました。

皆がとても真剣な表情で、ゴールをひたすらめざしている様子が伝わってきました。私も彼らに負けないよう、今年の己の道をまっとうできるよう、一生懸命邁進していきたいと思った、春を目前に控えた寒い日の素敵な贈り物でした。

今月は、私が好んで取り寄せているフルーツの頒布会から「日向夏」「せとか」にご登壇いただきましょう。以前の記事でも柑橘類として紹介した彼らですが、今回はさらにドレスアップしての再登場です!

『日向夏』 ニューサマーオレンジ、日向夏蜜柑、小夏ミカン、土佐小夏とも呼ばれています。
【分類】 ミカン科 ミカン属
【原産地】 日本 宮崎県
【歴史】 1820年に宮崎市の真方安太郎の邸内で偶発実生として自生しているのが発見されました。当時は酸味が強く、食べられることはなかったそうですが、その後に広く栽培され始めました。
明治になり日向夏蜜柑と命名されました。
【美味しい時期】 5月~6月
【特徴】 果実は短卵形で、重量は200g程度、果面は滑らかで淡い黄色であるが、晩春まで樹上におくと青くなる。果皮はやわらかくむきやすい。ジョウノウは8~12室。果内は淡黄色で柔軟多汁。
甘酸が適度で風味は良い。種子は大きく20個くらいある。
果皮の白い部分を果肉と一緒にそぐようにむき、スライスして食べると美味しい。
ジョウノウとはみかんの房のふくろの部分
【栄養/機能性】
  • クエン酸を含み、体内の酸性物質を減少させる効果や、疲労回復と血液をきれいにする働きがあるといわれています。
  • ジョウノウにはペクチンが多く含まれ、整腸作用があり、便秘やお腹を壊しているときに効果があるといわれています。
【選び方】
  • 表面に傷や変色した部分がなく、明るい黄色で光沢とハリがあるものを選びましょう。
  • 手に持った時に、ズッシリと重みを感じられるものを選びましょう。(果汁がしっかりつまっている証拠です。)
【保存の仕方】 乾燥しないようにポリ袋などにいれて、冷蔵庫の野菜室に保存しましょう。
保存性は良い方なので1ヶ月ていどは大丈夫ですが、なるべく早く食べましょう。
【用途/調理】
  • リンゴのように外皮(黄色い部分)を薄く剥き、白皮ををつけたまま芯部を残すように"そぎ切り"にして、白皮ごと召し上がってください。
  • 白皮と果肉を一緒に食べることで、さわやかな香りと白皮の甘み、果肉の酸味の調和を楽しむことができます。
ソムリエのひとり言
日向夏ピールを作りました。この場合は果肉だけ食べて白皮を付けた皮で作ります。何とも言えない柔らかさがあり、他の柑橘類で作るのとは一味違った美味なものに仕上がりました。
ぜひ皆さんもお試しあれ♪
『せとか』 表皮が薄くとてもジューシーな柑橘類です。
【分類】 ミカン科 ミカン属
【原産地】 日本  長崎県
【歴史】 長崎の果樹試験場で「清美」と「アンコール」をかけ合わせ、更に「マーコット」を交配して育成されたタンゴールで、2001年10月に品種登録されました。
【名前の由来】 農研機構によると、「せとか」名前の由来は育成地(長崎県口之津町)から望む地名(早崎瀬戸)、瀬戸内地方での栽培が期待されること及びこの品種のもつ良香にちなんでいるそうです。
【美味しい時期】 2月~3月
ハウス物 12月中旬ごろに収穫が始まります。
露地物  2月ごろに収穫が始まり3月まで出回ります。
【特徴】 果実は200~300g程で、タンゴールの中では比較的大きく、果皮は橙色から濃橙色、果面はなめらかで美しく、外皮も薄く浮き皮もなく張りがあります。とても薄く、手で簡単にむけるものとジョウノウ膜と一体になって剥きにくいものがあります。
果肉は非常にジューシーで甘く、オレンジのような濃厚な味が楽しめます。また、ジョウノウ膜も薄く、柔らかで口の中に残りません。
【栄養/機能性】
  • ミカンなどに含まれるβクリプトキサンチンは、ガン予防への効果があるといわれています。また、飲酒、喫煙などによって生じる活性酸素を抗酸化物質として抑制してくれともいわれています。
  • ビタミンCを豊富に含み、シネフィリンとともに風邪予防にも大きな効果があるといわれています。
  • 日向夏同様、クエン酸を含んでおり、体内の酸性物質を減少させる効果や、疲労回復と血液をきれいにする働きがあるといわれています。
  • 日向夏同様、ジョウノウにはペクチンが多く含まれていて、整腸作用があり、便秘やお腹を壊しているときに効果があるといわれています。
【選び方】
  • 色が均一で表面が滑らかで艶があり、ヘタの部分に青みが残っているものを選びましょう。
  • 持った時にズッシリと重みを感じるものを選びましょう。
    (果汁が多く美味しいです。)
  • 形は腰高な物より扁平なものを選びましょう。
  • ヘタが枯れている物は避けましょう。表面に多少傷があっても味そのものにはあまり影響はないといわれています。
【保存の仕方】
  • 保存性は良い方です。
    時期的に気温が高くないので、冷暗所で保存しましょう。
  • 冷蔵庫に入れる場合は乾燥しやすいのでラップに包むか袋に入れるようにしましょう。あまり低い温度だと低温障害を起こす場合があるので注意しましょう。
【用途/調理】 農家さんおススメの食べ方
  1. 果実を縦半分に割り、外皮を剥きます。
  2. 果芯の白い部分をつまんで引っ張ると簡単にとれます。
    このひと手間がよりいっそう美味しく召し上がるためのコツとおっしゃっています。

旬の食材「四季の果物」 講談社
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今回はちょっぴり贅沢なせとかを使ったレァチーズケーキを作りました。

「レアチーズケーキせとかを添えて」

材料

クリームチーズ200g
生クリーム200cc
グラニュー糖45g
せとか2個
クラッカー11枚
バター40g
ミント

作り方

1.作る器にバター又はオイルを塗っておきます。
2.せとかは1/2個を絞り、1/2は細かく切ります。あとの1個は飾り用にします。
3.クラッカーをミキサーにかけて細かくしておきます。
4.バター40gを柔らかくして1とよく混ぜておきます。
5.作る器1の底に3をしきつめます。
6.フードプロフェッサーにクリームチーズ、砂糖を入れて少し混ぜます。
7.その中に生クリームを入れながら滑らかに混ぜます。
8.7の中にせとか1/2個のしぼり汁を入れ混ぜます。ボールに移し替えて細かく切ったせとかも入れてさっと混ぜます。
9.5に8を流し入れて、冷蔵庫で冷やし固めます。
10.器からだして、飾り用のせとかで素敵にデコレーションしましょう。

 実は固まったレアチーズケーキを器から出す際、下のクラッカーがうまくでてきませんでした。なので飾り用のせとかでくずれた部分をカバーしながらデコレートしてみました。
結果、私の好きなせとかたっぷりのレアチーズケーキになりました♪ちょっぴり失敗作すが、これもまた一興、手作りの楽しさですよね。
でも次回は失敗しないように細心の注意を払いながら取り出したいと思います!
今回、レアチーズケーキの中にせとかを細かく切って入れましたが私はせとかの果実感が好きなのでこちらをご紹介しました。皆さんはお好みで、せとかを入れず固めてみたり、飾り付ける量を控えたりとお好みでせとかの量をアレンジしてみてくださいね♪
いずれにしても、せとかとレアチーズケーキの愛称は抜群で最高に美味しいですよ♪

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