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インターネット公開文化講座

文化講座

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野菜と果物の魅力について

ベジタブル&フルーツマイスター協会認定カルチャースクール講師
栄中日文化センター「野菜ソムリエに学ぶー野菜生活向上のススメ」担当
服部 佳世子

「お伊勢参り」「落花生」

 今年は伊勢神宮の遷宮の年です。
遷宮(せんぐう)とは、神社の正殿を造営・修理する際や、正殿を新たに建てた場合に、御神体を遷すことです。式年とは定められた年という意味で、伊勢神宮では20年に一度行われます。
第1回の式年遷宮が内宮で行われたのは、持統天皇4年(690)のことです。それから1300年にわたって続けられ、昭和48年に第60回、平成5年には第61回が行われ、平成25年の今年が62回目になります。
神宮にとって永遠性を実現する大いなる営みでもあるのです。
http://www.isejingu.or.jp/shikinensengu/shikinen-index.html
この時に
正殿(しょうでん)・・・・・ 神宮の諸殿社の中で中心の社殿。
御垣内(みかきうち)の建物全て・・・・・宝殿、御垣、御門等。
御装束神宝(おんしょうぞくしんぽう)・・・・・神の衣服や正殿の装飾や器物等。
といったものが 新しくされます。
特に今年はなんとダブル遷宮!?
20年に一度の「伊勢神宮」と60年に一度といわれている「出雲大社」
このふたつの遷宮が重なるというのは、大変稀有な確率だそうです。

そこでふと、私は不思議に思ったのです。なぜ伊勢神宮は20年に一度遷宮をするのでしょうか?
早速、今回神宮の案内所で直接聞いてきました。
すると分かったのは、それは建物を作る宮大工さんが若い人に伝えていく伝承の時間と、茅葺の保存が大体20年だから、ということでした。なるほどなるほど。
そうすると、出雲大社も同じような理由で、その周期は約60年、ということなのでしょうか・・・?ううーん・・・?お分かりの方がいらしたら、是非教えていただきたい疑問です。
はてさて、伊勢神宮の話から始まった今回の日記ですが、最初に訪れたのは前回予告させていただきました鳥羽市にあるお宿「ジ・アース」。
せっかくの伊勢路、是非とも遷宮の年なのだから伊勢神宮にもお参りに行かなければ!
ということになり、ふたつの大きな目的に、心弾ませながら行ってまいりました。
名古屋高速、東名阪、伊勢自動車道、伊勢二見鳥羽ラインを走り鳥羽に、市街を走り抜け牡蠣で有名な浦村を通り過ぎ、周りくねった山道を一路お宿へ。ジ・アースは山の突端に建っていて、周りは海に囲まれ、とても見晴らしのよいところにありました。

まずはラウンジでウエルカムドリンク。
ここではコーヒー、ジュース、お水、なんでも自由にいただけます。そしてお部屋で聴いたり、観たりできるDVDやCDが自由にお借りできます。

お部屋ごとに分かれているところがまた素敵です。


リビングから見た露天風呂です。テラスにあり、脇には音楽が聴けるようにデッキが用意されるなど、癒しの空間になっています。夕日や日の出を眺めるのに最高です。

ゆっくり温泉に浸かった後は、待望の夕食の時間です。
さあ、ここからはご馳走の数々をご紹介していきますが、皆さん、心の準備はよろしいでしょうか?とにかく素晴らしいので、ビックリしないでくださいね!


焼肴

ここで、気になったので質問しちゃいました。
お刺身のアワビはコリコリしているのに、バター焼きのアワビは食感が全く異なり柔らかいのです。共に大変美味しい~♪のですが、本当に同じアワビを使っていらっしゃるのかしら!?というくらい歯触りが違うことに感動したのです。

そこで教えていただいたのは、アワビが違うのではなく、調理法の違いでした。
焼きアワビは下ごしらえの時に蒸すのだそうです。その際、大根を載せるのがポイントだそうです。それで同じアワビでもこんなに食感がかわるのですね。ふむふむ、ここでもなるほどなるほど、です。しかし自分で試してみたくても、なかなか高級なアワビでは気軽にできそうにありません!?


デザート アイスクリームと果物

お腹がパンパンになるまでいただきました。
最近いただいた中で最高のおもてなしでした。
すべて美味しく満足、満足。
ラウンジで一休み
幸せな夜でした。
ご馳走様でした。

翌朝5時40分が日の出とお聞きいたしましたので、露天風呂からシャッターチャンスを狙っていたのですが、完全に太陽が昇ることはありませんでした。海も昨日より波がザブン、ザブンと少し荒れ模様。ちょうどこの写真の木と木の間から日の出が見えるはず、と教えていただいたので、楽しみにしていたのですが・・・残念!!

日の出は、あきらめてお部屋でゆっくりしてから遅い朝食を。
これまた朝からご馳走いっぱいで~す♪

お土産を買っていざ次なる目的地へと向かいます。もちろん行先は伊勢二見鳥羽ラインを走り伊勢神宮です。外宮からお参りするのが常らしいのですが、私たちが向かったのは内宮です。外宮は車の中からお参りし、駐車場が空くまで90分待ち内宮へ。
ここで伊勢の友人と待ち合わせしていたのですが、なかなか見つけられず最初はやきもきしました。お互い携帯電話で連絡し合いながら探していると・・・、ああよかった、友人の方がなんとか私たちの車を見つけてくれました。こうして駐車場の空きを待つ私たちの車に乗り込んでもらい、車内でまずはゆっくりお話しすることができました。
やっと駐車場に車を停め、参拝に。平日にも関わらず人、人、人、です。
私たちが訪れたこの時期は、まだ遷宮が完全に済んでいない時でしたので、古い正殿と新しい正殿(少し眺められる)の両方を見ることができました。ある意味、一番いいタイミングだったのかもしれませんね。

砂利道を皆で歩いて行き、お参りしました。
その後おはらい町を通り、おかげ横丁に。ちょうど赤福氷の最後の日ということで、これまたラッキー♪、と皆が大喜び、もちろん食べました。
こうして心も胃袋も満たされ、伊勢神宮を後にし、伊勢の友人宅まで友人を送り、そのまま名古屋まで走り続けました。

楽しい楽しい秋の一泊旅行、素晴らしい旅程でした。
帰って2週間ほどたった時、
伊勢の友人から遷宮の絵馬が送られてきました。
嬉しいやら、胸が熱くなるやら、
感激、感激♪♪ 感謝です。

今回は落花生についてお話しいたしましょう。

『落花生』
落花生の実ができるのは、実は根ではなく、枝の部分なのをご存知でしたか?
花が咲き終わった後、花がついていたところから枝が伸びて地面にもぐり、なんとそこで実が育つのです。ゆえに落花生と書きます。おもしろいですね。
【分類】 マメ科 ラッカセイ属
【原産地】 南米ポリビア
【歴史】 日本には江戸時代に渡来しましたが本格的な栽培が始まったのは明治時代以降です。
【美味しい時期】 10月
【栄養/機能性】
  • 落花生にはオレイン酸やリノール酸などの不飽和脂肪酸が豊富に含まれています。この不飽和脂肪酸にはコレステロールを抑制する作用があり、肥満防止に役立つといわれています。
  • 抗酸化力が強いビタミンEが非常に沢山含まれています。ビタミンEには活性酸素を抑え体内の不飽和脂肪酸の酸化を防ぐ働きがあるといわれているので、動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病の予防に役立っていると考えられています。
    ビタミンEはこのほかにも、血管を酸化から守り、血行を良くする働きもあるといわれています。
  • 落花生はナイアシンの含有量が野菜の中ではトップクラスです。ナイアシンはアルコールの分解に対する補酵素の働きをはじめ、分解後に生じるアセトアルデヒトという二日酔いを起こす成分の分解を助ける補酵素の働きもあるといわれています。
  • 身体に必要なカリウム、マグネシウム、リン、鉄などのミネラルをバランスよく豊富に含んでいます。
【種類】
落花生(らっかせい)の主な品種
日本では落花生の育種研究施設は千葉県の農業総合研究センター育種研究所しかなく、現在品種登録されている落花生の全てがここで生み出されているとの事です。
千葉半立(ちばはんだち)
千葉県で最も多く作られている品種で、昭和28年千葉県農業試験場において在来品種から選抜育成されたものです。煎ったときの風味がとても良いのが特徴です。
ナカテユタカ
ナカテユタカは昭和54年に千葉県農業試験場において「関東8号」と「334A」を交配育成した早生種になります。栽培しやすさと収量が多いこと、そして味も甘みがあって美味しいのが特徴です。千葉半立の渋皮の裏が赤いのに対し、ナカテユタカは白く見分けやすいです。
郷の香(さとのか)
平成7年に千葉県農業試験場において「ナカテユタカ」と「八系192」を交配育成した早生品種で、粒が大きく、収量も多い優良品種です。サヤが大きくて白く、煎るより茹でて食べるほうが甘みがあって美味しいです。
ふくまさり
昭和55年に千葉県農業試験場において「関東41号」に「関東48号」を交配して育成された早生の固定品種。平成17年に品種登録されました。収量性が高く、甘味旨み共に優れた品種です。
おおまさり
平成19年に品種登録の出願公表がされ、平成22年3月に登録されたまだ極新しい品種。ナカテユタカと極大粒品種ジェンキンスジャンボを交配育成した晩生品種で、その血を受け継ぎ一般的な落花生の2倍ほどの大きさになります。脂肪分が少なく、煎るより茹でたほうが甘みが楽しめ、実も柔らかく美味しいです。
【選び方】
  • 落花生の見極めは正直素人目にはなかなか難しいです。一般的な果実のように、実が十分に膨らんでたっぷり詰まっている方が美味しいわけではありません。なぜなら落花生には収穫適期というものがあり、それを過ぎて更に実が充実してしまったものはかえって風味が落ち、美味しくなくなってしまうからです。ゆえに、実は丸く太りすぎたものではなく、やや細長いピーナッの形をしたものを選ぶとよいでしょう。きっと美味しいですよ。
  • サヤ付きの落花生の場合、サヤが綺麗な方がいいとは限りません。サヤがつるっとしているものは収穫が早すぎて未熟な場合がありますし、白く汚れが全く無い物は過剰に洗浄されている可能性があります。収穫したてのものは本来土が付いていて当然なので、あまりサヤ(外見)にとらわれすぎないようにしましょう。
  • また、茹でて食べるのか、それとも煎って食べるのかの用途別で品種を使い分けるのもポイントです。「種類」の箇所で紹介したとおり、煎った方が美味しい「千葉半立」や「ナカテユタカ」に対し「さとのか」や「おおまさり」などは茹でたほうが美味しい品種なので、是非用途(調理法)に合わせて選びましょう。
【保存の仕方】 落花生には脂肪分が多く含まれており、これが酸化しやすく、一旦酸化してしまった物は美味しく食べられなくなってしまいます。
  • 保存する場合は密封容器などに入れ、冷蔵庫に入れて、なるべく早く食べるようにしましょう。(サヤごとでも、サヤから取り出してもどちらでも構いません)
  • 冷凍保存する場合はサヤごと塩茹でにし、サヤごと、サヤから取り出した状態にし、小分けして冷凍しましょう。解凍は自然解凍か、電子レンジの解凍機能を利用しましょう。
【用途/調理】
調理のポイント
落花生は生のままでは食べられません。食べる時は、サヤのまま 煎るかサヤからむいたものを煎ります。もしくはサヤごと塩茹で します。煎った後にバターを絡めると美味しいのでおススメです。 中国では八角などの香辛料を加えて塩茹でする方法や、油で揚げ てから塩をまぶす方法も一般的なようです。
落花生の茹で方
上記でお伝えしたように、生の落花生を茹でる場合は、サヤごと 茹でます。大き目の鍋に水を張り、その水の量に対して3%ほど の塩を加え沸騰させます。茹でている間アクが出てくるので水は 多い方が良いです。沸騰しているところにサヤごと落花生を入れ 40分から50分程茹でます(実の大きさによって茹で時間は調節し てください)。茹ですぎを防ぐため、30分を過ぎた辺りから時々1つ取り出して固さを確認しながら茹で時間の調節をするとよいで しょう。茹で上がったらザルにあげ、そのまま冷ましましょう。 くれぐれもやけどにはご注意ください!
主な料理
・塩茹でしたものをそのままつまみとして食べる。
・サヤから取り出して、炊き込みご飯や色々な煮物の具材として活用する。
・茹でたものを刻んでサラダや和え物のトッピングにするのもおススメですよ。

考資料:「旬の食材百科」
http://foodslink.jp/syokuzaihyakka/syun/vegitable/rakkasei3.htm

今回は秋の味覚、落花生を使った簡単な和え物を

「ニンジンの落花生和え」

材料

ニンジン 150g
ピーマン(グリーン) 100g
落花生(煎ったもの) 70g
砂糖 大さじ1.5
醤油 大さじ1
マヨネーズ 大さじ1.5


作り方

1. ニンジンはピーラーで皮をむき、短冊の薄切りに切ります。
ピーマンは種を出して、ニンジンと同じ大きさに切ります。
2. 鍋にお湯を沸かして、1を少し柔らかくなる程度に茹で、ザルにあげておきます。
3. 落花生を細かく切って、すり鉢ですります。
4. 3がよくすれたらそこに砂糖、醤油、マヨネーズを入れてよく混ぜます。
5. 4に2の水気をとったものを入れて混ぜ合わせます
6. 器に盛って出来上がりです。
   
香ばしさを楽しむため、今回の落花生は煎ったものを使いました。
すり鉢がなかったり、手間を省きたい場合は、ミキサーやフードプロセッサーまたはコーヒーミルで挽くと手軽さが増してよいですよ。

参考

ホウレンソウをいただいた落花生(おおまさり)
を茹でて、外側、内側の皮をとり、包丁でみじん切りにしたものを砂糖、醤油で味付けしたもので和えました。

ピーナッツ最中

野菜と果物の魅力について
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