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インターネット公開文化講座

文化講座

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野菜と果物の魅力について

ベジタブル&フルーツマイスター協会認定カルチャースクール講師
栄中日文化センター「野菜ソムリエに学ぶー野菜生活向上のススメ」担当
服部 佳世子

「二つの食育」「ワケギ」



 新学期を迎える学生たちや新社会人たちの、新たな生活のスタートをまるで祝福するかのように桜が満開になるこの季節がやってきました。
桜といえば我が家の河津桜もそろそろ・・・と思いきや
いつもなら2月の終わりに満開を迎え、
なんとなく春の香りを届けてくれていた彼らも、
今年は寒さのせいか2月24日の時点では、写真のようにまだ蕾の状態なのでありました。
3月1日になり、ようやく蕾も大きく膨らみ今にも咲きそうなところまできましたので、私はほっと一安心。
しかし、皆様に満開の様子をお写真でご紹介できないのが少し残念です。

さて、その河津桜の蕾もまだ望めなかったまだまだ寒い時期の2月のお話です。
私は二つの食育講座を担当することになりました。
まず先に行われた食育講座の方では、小学生を持つお母様方に「朝食の大切さ」についてお話をしてまいりました。
きちんと朝食を食べないと、学校に行っても授業に集中できないことなどお話した後に、簡単にできる朝食3品を、調理実習にて作っていただきました。
その3品とは・・・、前日に用意すれば、忙しい朝は和えるだけでできる「根菜類のサラダ」に、短時間でぱぱっと簡単、しかも栄養たっぷり!の「人参のスープ」と「トマト丼」です。
やはりお話を聞くのみの講座より、実際に調理&試食がある方が、お母様方が生き生きなさるようですよ。

後ほど、いただいたアンケートに書かれていた、「楽しかった」、「とてもいい講座でした」、そして「これからはちゃんと朝食を食べさせて学校に送り出します」などの言葉を読み、ああ、お褒めいただいてうれしいな、と感謝すると共にほっとした次第です。

それから次に担当したのは、三重県南島町の中学3年生の生徒たちに向けての食育講座でした。
講座の前半は、校医さんである歯科医師の先生が、歯周病の恐ろしさについてお話をしてくださり、後半は野菜ソムリエでもある先生の奥様と私の2人で、野菜についての基本的な話や日本の自給率の低さ、地産地消のお話などをお伝えしました。
ここでももちろん、2品召し上がっていただきました。こちらでご紹介したのは、マイタケのスープと根菜類のサラダです。
こちらでは調理実習はなく、前日にある程度試食するものを用意しておき、当日皆さんに食べていただく、というスタイルでした。その前日なのですが、とてもうれしいことに有志の女子生徒3人が手伝ってくれて、ほとんど用意してくれましたので準備万端!当日はお話が終わって10分の休憩の内に最終仕上げを済ますことができ、参加された生徒さんや先生に召し上がっていただきました。

なかでも印象的だったのが、女子生徒をはじめ男子生徒たちも美味しい、美味しいといってもりもり召し上がってくれたばかりか、「どうして服部さんは野菜ソムリエの勉強をしたのか」とか、「独身なのか」などなどなかなか面白い質問をされたことでした。
講座終了後は、生徒さんたちは給食の時間になり、なんと私たちも一緒にいただけることになりました。
こちらの学校では、1年生から3年生まで一緒に給食をいただきます。
給食を食べる部屋は、給食を作る調理室に併設されており、先生方も一緒にいただくのです。
この日はカレーライスに果物のヨーグルト和え、それに牛乳でしたが、カレーライスがとても美味しくて、私は思わずおかわりまでしてしまいました。
そして、ここでもアンケートで
たくさんのうれしいお言葉をいただきました。
講座の模様が、学年通信にも取り上げられたのですよ。

充実した二つの食育講座のお仕事も終わり、ほっと一息。
そうしてご褒美に、と今回出かけたのは・・・私の趣味のひとつでもある歌舞伎の観劇です。

存知のとおり、このほど御園座が建て直しされます。
その名残り公演三月大歌舞伎、二代目市川猿翁、四代目市川猿之助、九代目市川中車の襲名披露を観劇しました。演目は昼の部小栗栖の長兵衛(おぐるすのちょうべい)
黒塚(くろずか)桜門五三桐(さんもんごさんのきり)です。
市川中車さんは皆様もご存じのように俳優の香川照之さんで、そんなこともあってか若い方も多くいらしていました。
私は歌舞伎の世界を一生懸命演じておいでの様子に心打たれました。
猿翁さんは彼の御父上、体調不良で中車さんが代役されました。市川猿之助さんは前の名前を市川亀冶郎さんとおっしゃる方で、テレビでもおなじみですね。素晴らしい歌舞伎で、その踊りに大変感激いたしました。
1週間後に夜の部も観劇する予定なので、口上があるこの日を心待ちにしている私。今からとても楽しみです。
そして楽しみはこれにとどまりません。さらに4月の東京新歌舞伎座のこけら落としを観
劇しに行けることになりました。もうわくわくが止まりません。

さて、こちらも大切で楽しいお話です。今回の野菜のお話にまいりましょう。
今回はお雛さまのお祝いに作ったちらし寿司と青柳のぬたからワケギを選んでみました。

『ワケギ』
ネギとタマネギの雑種ですが、分類上はネギとは別種。
1株から20~30に株別れすることから、この名がつ きました。
【分 類】 ユリ科 ネギ属ですが上記に記載したとおり、ネギとタマネギの雑種といわれ、分類上はネギとは別種ともいわれています。   
ヒガンバナ科 ネギ属という説もあります。
【原産地】 ギリシャ
日本では広島県尾道が全国出荷量日本一です。
【美味しい時期】 2~4月
【主産地】 広島県尾道 埼玉県 愛知県
【特徴】 種ではなく、球根で増えるため、ネギより根の部分が少し膨らんでいるのが特徴です。クセが少なく、香りもソフトで、ネギ独特の辛味が少なく甘みがあります。
【栄養/機能性】

  • ネギ同様、その特有の香味は硫化アリルで消化促進と抗菌作用、血行促進、疲労回復、リラックス効果などがあるといわれています。
  • 緑の部分にはカロテンが多く含まれています。β-カロテンは、活性酸素の働きを抑制する作用、ガンを防ぐ効果、また、皮膚・粘膜・目の網膜を健康に保つ作用のほか、風邪の予防、つまり免疫力を強化し細菌やウイルスから身体を守る働きがあるといわれています。
  • ビタミンCも豊富に含まれています。
    ビタミンCは、コラーゲンの生成を促し、しわを予防する作用や、メラニンの生成を抑えシミを予防する働きがあるといわれています。
  • さらにワケギは、便秘を改善し整腸作用のある食物繊維、体内に蓄積されたナトリウム(塩分)の排泄を促し高血圧を予防するといわれているカリウム、貧血予防の効果があるといわれている鉄などの栄養成分も多く含んでいます。
  • ネギと共通する効能があるといわれています。
【見分け方】
  • 葉先にはりがあり、表面が瑞々しく、切り口が新鮮で葉がシャキシャキしているものを選びましょう。
  • 緑と白の境目がくっきりしているものを選びましょう。
【保存方法】 長持ちさせるには、冷蔵庫の野菜室に立てて保存できるように適当な長さに切り、キッチンペーパーで包んだ上でさらにラップに包んで保存しましょう。
【用途/調理】 茹でたワケギは、水につけると旨みが抜け、ぬめりが出るので、ザルにあげて冷ましましょう。
和え物、炒めものなど。
 
参考資料:
「花図鑑」草土出版  
「新鮮!おいしい野菜と果物を見つける本」永岡書店
食材の栄養講座 http://www.j-medical.net/food/f-wakegi.html
旬の食材百科 http://foodslink.jp/syokuzaihyakka/syun/vegitable/negi-wakegi.htm
目指せ野菜の達人 http://www.delica.co.jp/delica_club/expert/leafy_vegetable.html

普通はお雛様の時にはツボ(タニシ)の酢味噌和えを作りますが、近ごろタニシが手に入 りませんので青柳で作りました。

「ワケギと青柳のぬた」

材料 2人分

ワケギ 1束
青柳 80g
白みそ(西京みそ) 80g A
大さじ1
みりん 大さじ1
砂糖 大さじ2
小さじ2
練がらし 小さじ1/2


作り方

1. 辛子酢味噌を作ります。
鍋にAをいれて、火にかけ全体に火がとおり混ざったら火からおろして、酢と練がらしを加えます。
2. ワケギは茹でて冷ましておき、適当な長さに切っておきます。
3. 青柳は熱湯で一煮立ちさせ、冷まします。
4. 器に2と3を盛り1の辛子酢味噌をかけます。

満開にならなかった河津桜がやっと咲きました。
皆様にお見せすることが出来ました。

暮れに庭師さんが選定してくださったので
今年は上の方に花が付かないとか・・・・
来年がたのしめそうです!!

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