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インターネット公開文化講座

文化講座

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野菜と果物の魅力について

ベジタブル&フルーツマイスター協会認定カルチャースクール講師
栄中日文化センター「野菜ソムリエに学ぶー野菜生活向上のススメ」担当
服部 佳世子

★ お花見三昧 「アスパラガス」

街行く人々がコートから開放され、軽やかな装いに変わりつつある今日この頃です。暖かいかと思えば、朝晩冷え込み、これを花冷えというのでしょう。そんなわけで風邪をひく人が多いのもこの季節ですね。
皆さんは大丈夫でしょうか?
桜も満開?!
以前は入学式には満開の桜の門をくぐったものでしたが、最近ではチラホラ咲き出した桜を横目に卒業式が行われる、なんと時代によってこうまで変わるものなのですね。
温暖化と言ってしまえばそれまでですが・・・・・・
今年は満開の中の入学式。「おめでとうございました。」
3月の終わりに再び寒さが戻り、咲きかけた桜の蕾が咲こうか咲くまいか迷っている姿がなんともいじらしいというか、可憐で可愛らしい。
昨年は東京の新宿御苑でお花見をしたことを思い出します。
花見メンバーは、年に3、4回東京で会ったり、旅行をしたりの気の合う仲良し野菜ソムリエの仲間たちです。写真の日付によると、去年の3月23日。これだけ咲いていたということは・・・・・今年はやはり遅いようですね。

名古屋に住んでいる私は新宿御苑に行くのははじめて、ござを敷いてお花見をするのもはじめて、ということで大変楽しく過ごしました。美しく咲いた桜を見上げながら、持ち寄ったお菓子を食べおしゃべり談義に花を咲かせ、食事は近くの中華レストランで・・・・と、またそこでも大盛り上がり。なんて充実した一日だったこと!

今年は3月22日、日曜日に旧飯田街道(153号線)を名古屋~昼神温泉にドライブをしました。一方は山、片側は渓谷と見ていて飽きない景色が目前に続きます。桜は期待していませんでしたが、それでも紅梅、白梅、れんぎょ、雪柳の合間に桜がチラホラ、もうじき満開だよ・・・・といっているようで私達の目を楽しませてくれました。 ザーザー振りの雨の中、伊勢神トンネルを過ぎたあたりの野菜の直売場に立ち寄り、ユーターンして帰りました。そこで採りたてのホウレンソウ、生シイタケを購入。新鮮で瑞々しくとても美味しかったです。これぞまさに地産地消の味ですね。 次回は晴天の新緑の頃に温泉に入りに行く予定です。今回は写真がご用意できなくて残念でした。
今年はお花見三昧、今日(4月7日)愛知県春日井市の高蔵寺に用があり車で出かけました。川のあるところは両岸に桜並木が、ついつい運転がおろそかに・・・危ない、危ない。 帰りに東谷山(とうごくさん)のしだれ桜そして森林公園の桜と、花吹雪を一杯浴び何年分かのお花見を堪能いたしました。お花見はまだまだ続きます。
明日4月8日には長野の飯田市にお花見に出かけます。
飯田にはお寺がたくさんあり、そこそこで種類の違った桜を楽しむことが出来るとか!
桜の案内人もおいでになるということで今からわくわくしています。
丁度元善光寺さんのご開帳もあり、両方楽しんでくる予定です。
飯田には以前にもお話した、仲良しソムリエの一人がいますので、彼女の車でお気に入りスポットを散策して参ります。良いお天気でありますように・・・・・・

つい最近あるスーパーさんで「大葉」の試食販売をさせていただきました。
自分たちで作ったレシピを試食していただくのですが
とても簡単、焼餅を大葉で包むだけです。大葉とお餅の間に甘みそをちょっと入れるだけでお味はこれまた格別に!いつも海苔を使ってみえるという方、こちらも是非お試しあれ。
そこで今回お客様の何人かに「大葉の効能は?」という質問を受けました。
こうした大葉の試食提供を通して、野菜の持つ効能効果についてお話できるのは野菜ソムリエとしては嬉しい限りです。
これこそ野菜ソムリエとしてスーパーに立たせていただいた甲斐があったと、嬉しく感じたエピソードでした。

「大葉」 カロテン、カルシウムの含有量は野菜の中でもトップクラス。ビタミン類、ミネラル類も多く含みます。カロテンは下記のアスパラガスでご説明させていただいていますが、がん、動脈硬化の予防に効果的といわれています。
α―リノレン酸を多く含み、アレルギーの改善に有効に働くといわれています。これが大葉が花粉症対策によいといわれる由縁ではないでしょうか。辛い花粉症の方ジュースを作って飲んでみてはいかがですか。

これは大葉の農家さんが作った大葉ジュースのレシピです。

「大葉ジュース」 1.1パック(100枚)の大葉を水洗いする。
2.1.8ℓの熱湯で5分くらい大葉を茹でる。
3.熱湯の色が琥珀色になったら葉を取り出す。
4.熱いうちにグラニュー糖100g、クエン酸4g(又はハチミツ、レモン汁適宜)で味付けする。
クエン酸を入れることで色がほのかなピンク色になれば美しく、飲んで爽やかなジュースが出来ます。(ただしこの分量ではあまりピンク色を期待しないほうがいいでしょう。農家さんは一度にたくさん作られるので綺麗なピンク色になります。)
取り出した葉は軽く水気を絞り細かく切って、ちりめんじゃこと一緒にフライパンでいためてふりかけに・・・・これぞエコです。ちなみに今回は1パック¥290でした。お値打ちでしょ・・・・

さて、アスパラガスがいよいよ旬を迎えます。
今回はアスパラガスにスポットを当てることにいたしましょう。

★『アスパラガス』
グリーンあり、ホワイトあり、最近では紫もあるアスパラガス、春にはなくてはならない緑黄色野菜です。

【分類】 ユリ科 クサスギカズラ属
【原産地】 南ヨーロッパからロシア南部
北アメリカには1620年の移民とともにもたらされカリフォルニアや東部地区で広く栽培されるようになりました。今ではヨーロッパとともに一大産地となっています。
名前の由来
学名と同じ名前Asparagusを持ち、これは「新芽」を意味するギリシャ語のAsparagosに由来します。
和名
オランダきじかくし・・・・・オランダから渡来したこと、日本に自生するきじかくしににているため。
西洋うど・・・・・・・・・・ホワイトアスパラガスが軟白栽培したうどににているため。
松葉うど・・・・・・・・・・「松葉」は、成長したアスパラガスの偽葉が、針状で松葉を思わせるため。
【美味しい時期】 4月~5月
1月~2月メキシコなど、3月~4月九州。5月~7月長野、福島、北海道など。
9月~12月オーストラリア、タイなど。
国産と輸入物でほぼ周年供給されています。
【栄養/機能性】 緑黄色野菜に分類されているが、カロテンの量は緑黄色野菜の中では少ないほうです。
カロテンは体内でビタミンAに変わり、皮膚や粘膜、網膜を健康に保つ働きをし、免疫機能を高めて風邪のウイルスなどの外敵から体を守るといわれています。体内でビタミンAに変換されなかったカロテンは、カロテンそのものとして抗酸化作用を発揮し、がんや動脈硬化を予防し、老化の速度を遅くする働きがあるといわれています。
カロテンの抗酸化作用は、ビタミンCと一緒になるとより高まるといわれています。
アスパラギン酸というアミノ酸とアスパラギンという機能性成分を多く含んでいます。アスパラギンは体内で酵素の働きをうけてアスパラギン酸にかわります。アスパラガスの特有の旨みはこのアスパラギン酸によるところが大きいようです。
アスパラギン酸の働きは
・体内でエネルギーの代謝を活発にして、疲労回復に効果的といわれています。
・皮膚の新陳代謝を活発にして、美肌効果や成長を助けたりするといわれています。
・神経に好ましくない作用をするアンモニアを尿として排泄するするために、イライラや不眠を防ぐとともに、抹消血管を拡張し血圧を下げ高血圧を改善し、動脈硬化を予防するといわれています。
・その他ミネラルの働きを活性化させて有効利用する作用もあるといわれ、特に鉄の吸収を促進し、貧血予防にも効果的といわれています。
ビタミン様成分であるルチン(アスパラガスの穂先に多く含まれる)が毛細血管を丈夫にして高血圧や動脈硬化を予防するといわれています。また、ビタミンCと一緒に働くことによって抗酸化作用を強くするといわれています。
(一言)
昔からの薬効
アスパラガスのように、カロテン、ビタミンCも多く含む野菜は、がんを予防する効果が高いといわれています。ヨーロッパでは200年ほど前からアスパラガスが薬草として使われてきたそうですが「抗酸化作用」など明らかになっていない時代でもアスパラガスの薬効が知られていたということになります。
アスパラガスはカロテン、ビタミンC、ルチンを含むことにからも抗酸化作用の大きい野菜、といえるでしょう。
【種類】 グリーンアスパラガス・・・・発芽後も日光にあて、自然のまま育てる。栄養価が高い。
ホワイトアスパラガス・・・・発芽後、土寄せをして白く軟化させる。ほろ苦い独特の風味がある。皮が硬いのでむいてから利用します。
紫アスパラガス・・・・・・・茹でると濃い緑色になる。グリーンアスパラガスより甘みがある。
ミニアスパラガス・・・・・・普通のアスパラガスの半分くらいの大きさのもの。
(ソムリエの一言)
グリーンアスパラガスとホワイトアスパラガスは、品種が違うのではなく、栽培方法が異なるものです。
アスペルジュ・ソバージュ
アスパラガスとは別種
ユリ科 オーニソガラム属
ソバージュとはフランス語で「野性的」の意味
アスパラガスに似ていることから「森や野のアスパラガス」と呼ばれています。
【保存方法】 鮮度劣化が早いので早く食べ切りましょう。
1~2日ならラップに包んで冷蔵庫の野菜室に。(たち型野菜なので必ず穂先を上にして立てておくように、寝かせて保存すると立ち上がろうとしてエネルギーを使い、劣化の原因になります。)
【見分け方】 穂先がピンとして、穂のびっしりと詰まったものを選びましょう。鮮度が落ちると、穂先が開いてしおれてきます。
茎の切り口が丸くてみずみずしいものが新鮮です。切り口が乾いていて、繊維が目立ち、変色しているものは古い証拠なので選ばないように。
鮮度劣化が早い野菜です。鮮度が劣化するにつけて、最初はまっすぐだった茎も、穂先の下の首の部分からやせて、全体的に曲がってしまいます。こういったものは茎が筋っぽくなり、あまみが薄れ、味が落ちるので避けましょう。
【用途/調理】 根元の硬い部分は数センチ切り落とし、皮をむきます。
サラダやお浸しの場合は塩茹でします。(茎の三分の一を湯に浸して、1分程度茹でてから穂先まで茹でます。これで全体が均一な柔らかさになります。)
てんぷらなどは生のまま使います。
炒め物にする際は硬めに下茹でするか、生のまま使います。
ホワイトアスパラガスは塩とレモン汁(又は白ワイン酢)を加えて茹でると、きれいな色に仕上がります。
他にフライ、田楽やスープに。
参考資料   講談社 旬の食材「春・夏の野菜」 小学館 「野菜のソムリエ」
今回も簡単レシピです。あっという間に出来上がり!!

トマト丼

材料   4人分
  トマト・・・・・・・・・・・・・・ 2個
  生姜・・・・・・・・・・・・・・ 10g
  ニンニク・・・・・・・・・・・ 1片
  醤油・・・・・・・・・・・・・・ 大匙1
  オイスターソース・・・・ 大匙1
  卵 ・・・・・・・・・・・・・・・ 4個
  グリンピース 少々
  オリーブオイル 大匙1
  ご飯
  水溶き片栗粉
作り方
  1、 トマトは半分に切り7、8ミリに切ります。
ショウガは皮をむき短いせん切りにします。
ニンニクは薄く切ります。グリンピースは茹でておきます。(缶詰でもよい)
  2、 卵はポーチドエッグ、半熟の目玉焼き又は半熟ゆで卵にしておきます。
  3、 フライパンにオリーブオイルを入れ暖めないうちにニンニクを入れ弱火でゆっくり炒め、香りがでてきたら取り出します。そこにショウガを入れ少し炒めトマトを入れ、しんなりしたら醤油、オイスターソースをいれ絡めます。(水分が多いようであれば、片栗粉の水溶きを入れてとろみをつけます。)
  4、 ご飯を丼か深めのお皿に盛って3を乗せその上に2を乗せグリンピースを散らします。
ご飯以外にパスタ、うどんにも合います。

グリンピースの代わりにアスパラガスをゆでて1本を4つに切って飾ってもいいでしょう。


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