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インターネット公開文化講座

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野菜と果物の魅力について

ベジタブル&フルーツマイスター協会認定カルチャースクール講師
栄中日文化センター「野菜ソムリエに学ぶー野菜生活向上のススメ」担当
服部 佳世子

★ 松茸三昧の旅 「松茸」

「わ~い、いい香り!!」
松茸を目の当たりにし、いっせいに皆から出た言葉です。
こんなにたくさんの国産の松茸を目の前にしたのは初めてです。
さあ、いよいよ待望の松茸三昧の旅のスタートです。
お昼過ぎ東京勢と飯田の伊賀良駅で合流して、まずは腹ごしらえ。
信州といえば、"そばどころ"。まずは予約しておいていただいた蕎麦屋さんにて、新そばをいただきます。そして早速訪問したのはリンゴ農家さん。こちらは4代続く大きなリンゴ農家さんで、屋号は大南さんとおっしゃいます。
丁度「秋映」が最盛期、早速収穫させていただくことに・・・
秋映は果実の"へた"がとても短いので気をつけてもぎ取らないと、すぐに"へた"が抜け落ちてします。
両手を使って"へた"が取れないように収穫して下さい、とのご注意をうかがい、皆で、南側の、よくお日様が当たった大きいものを物色しはじめました。それぞれが4個づつ、思い思いのものを収穫させていただき、満足顔。
シナノドルチ、(少しだけ残っていました)田中康夫前長野県知事命名の甘酸っぱい味
シナノスイートなどの畑も周り、選果場まで見せてもらい、各々自宅に送っていただくリンゴをお願いして大南さんを後にしました。

後日いただいたお便りによると、台風18号の被害のため、落ちたリンゴがコンテナ100杯になったとか・・・。
そんな大変な中、貴重で美味しいリンゴたちを選び、お送りくださった大南さん、ありがとうございました。
一日も早い回復をお祈りいたします。
「ソムリエの一言」
シナノ3兄弟

松茸を頂くまでにはまだ時間があるという事で、元善光寺さんに旅の無事をお願いしにいくことにいたしました。このことがいい結果を呼ぶご利益につながりました。
そうこうするうちに時間になり、一路
豊丘村 堀越地区 堀越区民会館の「堀越まつたけ観光」に直行。
かなりの時間、山の中を走ったように感じました。
なんとこの10月3日は、丁度解禁の当日で、沢山の松茸が採れたそうです。
焼松茸・どびん蒸し・松茸のすき焼き・松茸ご飯などのフルコースをいただくことに。サービスということで、地元の方々の踊りも堪能しました。

コースの中でも、やっぱり焼き松茸が最高、焼きあがるのが待ち遠しく、香をたのしみながら・・・焼きあがったものにお塩をパラパラ。最高でした。美味し~い!!
これから先、国産の松茸を食べる事はないだろうと、しっかり味わってきました。お土産は3本で¥15,000でした。
ちなみに私達のフルコース料金は¥11,000の最高金額コースでした。
宴もあっという間、味覚の松茸に舌鼓をうち、下山と相成りました。
慣れない道を運転してくれたお仲間の一人、ありがとうございました。
後は温泉に入り、二次会に突入。伊賀良の「リンゴの里」で買った「南水」(梨)を肴に野菜・果物談義に花が咲き、いつの間にか夜は更け・・・、おやすみなさい。

さて、二日目も晴天。少し朝は肌寒かったものの、陽が増すと暖かく最高の日照りでした。
まずは日本の棚田百選に選ばれている「よこね棚田」に。
素晴らしい景観です。「はざかけ」がほとんどの畑でなされていました。ちょっと中のお米を・・・・。なんとも可愛らしい(小)粒揃い!天火干にしたこのお米、このままパクッと口に入れたくなるのでした。

次なる目的地は"こんにゃく作り"体験です。
こちらではなんと、こんにゃく芋を掘ることからはじめました。
たくさんの段階を経て出来上がったこんにゃく、完成したばかりのこんにゃくを、お刺身で頂く醍醐味は格別の美味しさでした。

こんにゃく作り体験を終えると、昼食をとる為、近くにある「ごんべい邑」に移動。

標高800メートル山と、緑と、美味しい空気に包まれ風通しのよい中、囲炉裏を囲んでのお食事。
「ごんべい邑」の建物はよそから移築した古民家です。

そろそろ岩魚も焼けてきたようなので、昼寝をしている方起きて来てください~。
それほど昼寝にピッタリ、少々疲れた体を休めるのにタイミングがよすぎました。濁酒をいただき、箱膳に次から次にお料理が運ばれました。

飯田名物"塩いか"そして松茸のてんぷら、松茸ご飯と、2日間松茸を賞味する事ができました。
お腹もふくれ、風に吹かれ、昼寝をしたい衝動を振り切り、そろそろ駅に向う時間となりました。おのおの伊賀良の「りんごの里」でお土産を買い、帰路につきました。天気にも恵まれ、なかなか口にすることのできない松茸を堪能する事が出来た素晴らしい2日間の「松茸三昧の旅」でした。

松茸三昧続き!なので、今回は「松茸」にスポットを当ててみましょう。

『松茸』 秋を象徴するキノコの王様
松茸はキノコの仲間、厳密に言えば野菜ではなく「菌類」に属します。
【分類】 キシメジ科 キシメジ属
人工栽培が難しく国内産は1941年をピークに激減。今では98%が輸入といわれています。
【特徴】 傘の径は8~20センチ、初めは球形、後で平らに開き、ついには縁が反り返ります。表面は淡黄褐色~栗褐色、繊維状麟片に覆われます。柄は10~20センチ、またはそれ以上にも達します。肉は白色で緻密、特有の香気がある。秋時には梅雨のころ、アカマツ林に主に発生しますが、クロマツ、ツガ、コメツガ、エゾマツ、ハイマツなどの樹下に生じます。松茸は菌紺菌で松の根に外生菌紺を作り松の根を伝って菌糸が広がり、生え始めの地点から周辺に向かい輪になってきのこが生えていきます。松がなかったり、岩があったりで、輪は乱されるので、多くは線上にきのこが生える事になります。松林に落ち葉、松ぼっくり、落ち枝などが蓄積されると、腐生菌が増え、競争に敗れて松茸の発生がなくなるといわれます。
庶民の家庭燃料に落ち葉、落ち枝が使われていたころのアカマツ林は松茸にとって好適な生育地であったようです。
【旬】
【栄養】 ・β―グルカンが含まれ、低下した免疫力を活性化するこで食中毒、花粉症を予防したり、ガンの発育、転移を抑制する働きがあるととも、自然治癒力を高める働きがあるといわれています。
・ビタミンB2が含まれ、口内炎や目の充血を防いだり、皮膚や髪を健康に保つ働きがあるといわれています。
・ ナイアシンが血行をよくし、冷え性を改善する効果があるといわれています。
【種類】 ・国産松茸
香、甘み、みずみずしさと歯切れのよさは、鮮度のよい国産品にまさるものはないです。
9月中旬の岩手産から宮城、長野、広島、山口へと南下し、10月前後に良品が多くなります。

・韓国産松茸
10月にそのピークを迎えます。輸入物の中では一番国産ものに近いが香がやや劣ります。

・中国産松茸
9月にそのピークを迎えます。雲南、四川、吉林省産が多いです。形、色合いなど一見して国産ものと変わらないです。食感は国産よりやや柔らかいようです。泥臭さはぬるま湯で洗うととれます。

・カナダ産松茸
10月にピークを迎えます。全体に色が白っぽくころんとしています。他の輸入松茸に比べて香は強烈ですが、火を入れると香は弱まります。スパゲティーやクリーム煮などの洋風料理に向きます。

・モロッコ産松茸
11月にピークを迎えます。生える木もアカマツではなくレバノンスギ林なので、日本の松茸とは分類上は同じ属でも種は違います。全体に小ぶりで味も香も希薄です。
【保存方法】 松茸は鮮度、香りが大切であり、なるべく早く食べるのが良いがやむなく保存する場合は1本ずつラップをし、新聞紙などでくるんで冷凍すると良いででしょう。 (こうすると、お正月のおせち料理、吸い物に利用できます。)
数日間の保存は、同様にラップしたものを2~3℃の冷蔵室にしまい、できるだけ乾燥させないように保管しましょう。
【選び方】 軸が白っぽく太く、押さえてもしっかりして厚みがあり、湿りけのあるものを選びましょう。ふわふわしたものは虫が巣くっていることが多いので気をつけましょう。虫食いのものは、しばらく塩水につけると虫がでてきます。傘は5分開きのものがよいでしょう。
【用途/調理】

下ごしらえは乾いた布で繊維にそって(傘は中心から、柄は下から上へ)軽く汚れを落とす程度にします。
薄味の和風料理、土びんむし、炭火焼き、吸い物、炊き込みご飯、てんぷら、和風パスタ、湯豆腐、茶碗蒸しなど。
講談社 旬の食材 「秋・冬の野菜」参照

今回のレシピは松茸づくし・・・のシメとして「松茸ご飯」をどうぞ。

松茸ご飯

材料          2~3人分

 米 2カップ
 松茸 150g
 油あげ 50g

 (A)
 だし汁 2カップ
 砂糖 小さじ2
 酒 大さじ2
 醤油

大さじ2
 煮汁+水
 三つ葉 1/4把

作り方

1.米は洗ってザルにあげておきます。
2.松茸の柄は2センチ位に切り、縦半分に切ってうす切りに、傘は軸に合わせて切っておきます。
3.油あげは1センチ幅を小口に切って、熱湯をかけておきます。
4.三つ葉は小さく切っておきます。
5.鍋に(A)をいれ、煮たったところに2と3を入れて一煮たちさせます。
6.5を具と煮汁に分けておきます。
7.炊飯器に1の米を入れ、煮汁+水で2カップの米の目盛りにあわせ、具も入れて炊飯します。
8.炊き上がったら15分ほど蒸らしてお茶碗に盛り三つ葉を散らし出来上がりです。


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