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インターネット公開文化講座

文化講座

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野菜と果物の魅力について

ベジタブル&フルーツマイスター協会認定カルチャースクール講師
栄中日文化センター「野菜ソムリエに学ぶー野菜生活向上のススメ」担当
服部 佳世子

南信州特産"ガブリエル"と旬な桃"あかつき"収穫体験   「カボチャ」

今年の夏はことのほか暑かったですね。
熱中症で亡くなられた方も多く暗いニュースが毎日テレビや新聞で報道されました。
悲しい限りです。
そんな中所在不明のお年寄りのニュースもありましたね。
もうすぐ敬老の日だというのに・・・

さて、実は私はエアコンがちょっぴり苦手。よほど暑くなければ家の窓を全開にし、自然の風のみで首からタオルを巻き「暑い、暑い」と言いながら汗をふきふき。そうして過ごすのが結構好きなのです。なんとなく私のそんな姿、想像出来ますでしょ。
でも今年ばかりはさすがにエアコンのお世話になりました。エアコンの素晴らしい働きぶりに今、我が家では「エアコンさまさま」といった具合です。
皆様はどんなふうにこの暑さを乗り切られたのでしょうか?
そんな事情もあり、南信州に涼を求めてとあるツアーに参ることにいたしました。
それは名古屋にある南信州のアンテナショップさんの企画旅行です。
以前から南信州、特に飯田のことはちょくちょく書かせていただいていますので、また今回もか・・・と、どうぞそう言わないでお読みくださいね。今回もとっても楽しかったのですから。

ツアーの始まりは名古屋駅への集合でした。そこから中央道を2時間ばかり走ればもう飯田です。しかし丁度その日は朝7時頃に恵那山トンネルで事故がありましたので、たぶん別のルートで走らなければならないと先に係りの方から聞いていました。ですから少々時間がかかるだろうと覚悟していたのですが・・・ところがどうでしょう、そこは運のいい人たちばかりだったようです。私たちがそこを通過する直前に通行解除になり、そんなこんなで結局予定していた時間より早く到着できたのでした。
到着すると、早速腹ごしらえです。「蕎麦」処でお昼をいただき、時間に余裕が出来たので、お隣にあるJAみなみ信州"りんごの里"に立ち寄りました。
ここでこんな可愛いほうづきトマトに出会いました。

小粒でとても甘かったです。
こんな小粒なものは始めて見ました。


さすがりんごの街。いたるところにりんごのマークが・・・・・

さあ、りんごの里を後にして、いよいよメインの産地ツアーです。最初にガブリエルの農家さんにお邪魔します。
ガブリエルについては以前にお話しいたしましたので、省略させていただきます。
今回は実際こちらの農家さんのハウスに入って、収穫体験をさせていただきました。
この暑さの最中、ハウスの中といえば、慣れていない私たちにとってはとてもとても長く入っていられない状態でした。
はさみを使って収穫したのですが、こちら側から見て、いい色だからと思い、取ったものの反対側を見るとあらまあ色がまわっていなくてガッカリ、そんなことも。なかなかうまくいかないものですね。
私たちのそんな様子を見ていた農家の方が、「すべてに色がきているものは今食べるのはいいけれど、持って帰るにはそのくらいのものがいいんだよ」と後から慰めてくださいました。
実際市場に出す際は、全体の7~8%の色づきで出荷されるのだそうです。ほっとする私たち。
ハウスの中はとても暑いですし、この時期はまだ下に実が付いていることから、膝をついての収穫になるそうです。農家さんにとっては大変な労力と気力のいる収穫作業なのですね。そんな苦労をして収穫していただいたものを私たちは簡単に食べているわけです。もっと感謝しなければいけませんね。
そしてこちらのお庭で、採りたてのガブリエルをはじめ、ゴーヤのサラダなどもいただいたのでした。

次は桃の収穫"あかつき"を求め「みさと選果場」に移動です。
ここでは裏側にある畑で収穫させてもらうことになりました。
やはりここでも、形がよく美味しそうなものを取ろうと思うと・・・なかなか
うまくいきません。

そうなのです、私の背丈では届かないのです。それでもなんとか頑張って、気に入ったものを2個ゲットしたのですよ。満足満足。

収穫後は選果場内を案内していただき、おやつに水に浮かんでいる桃をいただくことに・・・・

ラインに乗っている桃たち


水に浮かんでいる桃。
友人と私は2個半いただきました。
なかにはなんと、4個も召し上がった方も・・・・
冷たくて甘くて、ついつい手がのびてしまいます。美味しかった!!

この後一日の汗を流しに温泉に・・・・。
でもここでちょっと待って!みなさん時間通りに行動され、温泉に行くには時間が早すぎますということで、急遽元善光寺さんに参拝、真っ暗な戒壇めぐりをして、カギの在りかを握ることが出来ました。
この後も旅が安全でありますようにと御参りして、一路信州たかもり温泉「御大の館」に。

バスの車窓より。飯田線の通る踏切。めったに出会うことはないとのことです。

温泉にゆっくり浸かり、汗を流し、さっぱりしました。そのままいい気分でご馳走をいただきました。

お腹も一杯になりバスの中でうとうと・・・と、いい具合にひと眠り。そして名古屋に到着いたしました。
涼を求めて南信州に行ったのですが・・・結局どこも昼間は暑かったようです。それでも夕方になればそよそよといい風が吹いていたのですが。名古屋に着いた途端、生温かい風が体にまとわり付き、いっぺんに爽やかで楽しい気持ちから不快感が押し寄せて・・・がっかりしたことを今、思い出しました。以上が私の今年の夏の思い出です。

さて、ここからは前回お約束した「カボチャ」にご登場願います。

「「カボチャ」」     ビタミン"A、C,E"を含むまさに野菜の"エース"

【分類】 ウリ科 カボチャ属
【原産地】 カボチャは大きく分けて日本カボチャと西洋カボチャに分けられます。
日本カボチャ 中米 南米北部
西洋カボチャ 中南米
【美味しい時期】 国産 5~9月
輸入 11~3月
【栄養/機能性】
・エネルギーが他の野菜に比べ高く、芋類に匹敵することから「穀物や芋の仲間」に分類されることもあります。
・日本カボチャ   49Cal/100g
西洋カボチャ   91Cal/100g
・ビタミンA(カロテン)を多く含み、皮膚、目の角膜、口や胃などの消化器官など、多くの臓器を覆っている部分を健康に保つ働きがあるといわれています。また、カロテンとして抗酸化作用があり、ガンや動脈硬化の予防に効果的といわれています。
・ビタミンCも豊富でコラーゲンの生成を助け皮膚を若々しく保ったり、風邪の予防に効果的といわれています。
・野菜には珍しいビタミンEを含み、体内の脂質(細胞膜など)を活性酸素の害から防いで、心疾患や脳梗塞などの重大な病気のリスクを低くするといわれています。また、女性ホルモンや男性ホルモンの生成を活発にして生殖機能を高めるともいわれています。
・カリウムも豊富で血圧を上昇させる働きをするナトリウムを体外に排泄し血圧を下げる作用があるといわれています。
・食物繊維も多く血中のコレステロール値や中性脂肪も下げる働きをするといわれています。
"ソムリエの一言" ビタミンAは脂溶性のビタミンです。たくさんとりすぎると過剰症が出ることがあります。(薬剤やサプリメント等摂取すると)その点野菜からカロテンを摂取している限りは体内で必要な量だけビタミンAに変換されるため過剰症の心配がないといわれています。

カボチャのビタミンCは保存中にも減少することが少ないので秋から冬にかけての補給源として貴重な存在です。
ゆえに冬至にかぼちゃを食べる!!

【種類】 黒皮栗カボチャ
西洋種で市場の主流。
栗のようにホクホクしているので、栗カボチャともいわれています。楕円形で表面に少し凹凸があり、洋風の揚げ物などに向きます。

芳香青皮栗カボチャ
西洋種で皮は灰緑色で扁平、浅い溝がある中型のカボチャ。通称東京カボチャといい、関東を中心に出回ります。裏ごししてスープにしたり、プリンやパイなどのお菓子に使われます。

えびすカボチャ
西洋種の代表ともいえる品種。栗のようなホクホクとした肉質が特長です。

赤皮栗カボチャ
西洋種1.5㎏前後で日持ちが良い。皮もかたくなく、ホクホクしています。皮の周辺の朱色が美しいのでソテーや揚げ物に向きます。

黒皮カボチャ
日本カボチャの代表で、ちりめんカボチャともいわれています。現在市場ではほとんど見られません。この品種をもとに数々の系統が育成されましたが、黒皮群の原型をとどめるものは、宮崎の日向カボチャと熊本の熊本早生黒皮だけです。比較的水けが多いです。

菊座カボチャ
日本カボチャの一種。黒皮カボチャよりもやや小ぶり。小菊が代表品種ですが、黒皮ちりめんの名で出回ることもあります。中をくりぬいて詰め物をする蒸料理に向いています。

宿儺カボチチャ(スクナ)
飛騨高山の丹生川地域特産で、最近復活した品種。
果長は40㎝ほどで、皮が薄く扱いやすいのが特徴です。

打木赤皮甘栗カボチャ
加賀野菜として人気のカボチャで、果肉は鮮やかな橙色。水分が多くねっとりとしていて、煮物に向いています。

鹿ケ谷カボチャ
京都特産の日本カボチャ。ちりめん状の表皮とユニークな形が特長。粘質で水分が多く、煮物にむいています。画材に選ばれるのもおもしろいですね。

変わったところで
バターナッツ・スクワッシュ。バナナ・スクワッシュ。ターバン・スクワッシュ。坊っちゃんカボチャなど。
"ソムリエの一言" 愛知の伝統野菜「愛知縮緬(あいちちりめん)カボチャ」
歴史  昭和7年
産地  大治町 大府市
特徴  果実は大きく扁平で、着果数は少ない。果皮に特有のひだが多くあり硬い。果肉は果皮近くが緑色で、中心は濃黄色である。
旬   6~7月
料理  煮物
( 参考資料      あいちの伝統野菜から)
【保存方法】 丸ごとのものは10度前後で、風通しの良いところで1~2ヶ月保存できます。カットしたものは、種とワタの部分を取り除き、ラップをして冷蔵庫の野菜室で保存します。一週間以内に使い切りましょう。
【見分け方】 見た目よりずっしりと重く、茎の部分が乾燥しているものが完熟の目安です。表面の色むらがなく、形が整っているものを選びましょう。ヘタの周りを押してみて柔らかいものは避けましょう。カット売りのものは、果肉の色が濃く肉厚で、種の部分がくずれていないものを選びましょう。
【用途/調理】 種を食べましょう。種には果肉の5倍のカロテンの他動脈硬化予防に効果的といわれているリノール酸も含まれています。漢方では「南瓜仁」といわれています。果肉を加熱したら熱いうちにつぶし、冷めたら冷凍してコロッケやデザートを作るときに使用するとよいでしょう。
煮物、スープなどに。
参考資料  講談社「旬の食材春・夏の野菜」  高橋書房「野菜の便利帳」

今回のレシピはアツアツでもよし、つめた~く冷してもよし、の簡単「カボチャのスープ」です。

パンプキンスープ

材料  4人分
カボチャ 500g
タマネギ 100g
バター 15g
水 2C
固形スープの素 1個
牛乳 1C
塩 小匙1/2
コショウ
生クリーム 1/4C

作り方

1. カボチャは洗い、皮を取り適当な大きさに切ります。
2. タマネギは短めのせん切りにします。
3. 鍋にバターを入れ、火をつけて中火でバターが溶けたら2を入れて、少ししんなりする程度に炒め、その中に1を入れて全体を炒めます。
4. 3の中に水2カップと固形スープの素を入れて、カボチャが柔らかくなるまで中火で煮ます。
5. 軟らかくなったら、あら熱をとりミキサーにかけます。
6. 再び5を鍋に戻し火にかけ、牛乳を入れ塩、コショウで味を整えます。
7. 生クリームを入れたら火を止めます。
8. 器に盛って出来上がりです。

★冷たいスープに仕上げたい場合は6の鍋にもどして、火にかけないで牛乳を入れて、塩コショウで味を整え、器に盛って生クリームをかければ出来上がりです。温かいものを冷蔵庫で冷たく冷やしていただいてもよいです。




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