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野菜と果物の魅力について

ベジタブル&フルーツマイスター協会認定カルチャースクール講師
栄中日文化センター「野菜ソムリエに学ぶー野菜生活向上のススメ」担当
服部 佳世子

祝い事「ゴボウ」

急な冷え込みで紅葉が見ごろと思ったのも束の間、いつしか師走の声を聞く季節になってしまいました。
皆様におかれましては、何かとお忙しくなることと存じます。
そんな中、私は2つのお祝いの会に招かれ、出席して参りました。
まず一つめは、中学時代の友人Aさんのお父上の絵画展を、これまた中学時代の友人Bさんのお宅で開く、というものです。
この展覧会開催に至ったのは、そもそもAさんのお父上の絵画を、Bさんにもらっていただいてお宅に飾っていただくことになったのがはじまりでした。
お母様の思い出の絵画ということで、AさんとAさんのお母様、お妹様、それに私をご招待してくださったのです。カメラもご堪能でいらっしゃり、絵画とともに数点、お写真も展示されていました。多才な方だったのですね。

富良野のお花畑   切り絵

この女優さん、男優さんたち、皆さんそれぞれお名前わかりますか?
ご本人そっくり!まるで写真のようですが、こちらはすべて絵画なのです。実に見事でしょう。
カメラマン(私)が下手で、せっかくの絵画の素晴らしさが・・・・・ごめんなさい。伝わるでしょうか?
私が伺った日は、Bさんの奥様の、心のこもった手料理でおもてなしをしていただきました。またこちらもとても美味しく、まるでお料理屋さんでご馳走になったようでした。

お酒の飲めない私にはこの甘酒がとても気に入りました。うめぇ~

西望さん113歳に筆をとられたおめでたい掛け軸

さて2つ目は親せきの米寿と喜寿のダブルお祝いに招かれました。
こちらは知り合いの料理屋さんで行われたのですが、女将の気のきいた計らいに、一同感動いたしました。

米寿の方には金茶のチャンチャンコと被りもの、そして喜寿の方には紫色のチャンチャンコと被りものをご用意いただき、床にはおめでたい掛け軸をかけていただいたのです。

あっ晴れ!あっ晴れ!

お料理は言うことなし、皆、ぺろりと完食でした。

the・秋


お刺身の食べられない私に特別にお肉をつるむらさきの実(花?)葉と同じくぬめりが・・・

珍しいりんご「御所河原リンゴ」青森産 市場ではお目にかかれない品です。
どうです、どれもとても美味しそうでしょう?おかげさまで、最高に幸せな時間を過ごすことができました。

今回は食物繊維いっぱいの野菜、「ゴボウ」についてお伝えしましょう。
「「ゴボウ」」 水分が少なく、炭水化物が多い野菜です。

【分類】 キク科ゴボウ属
【原産地】 ユーラシア大陸
【来歴】 縄文時代に渡来
外国産の植物で日本で作物化された唯一の例といわれています。
中国では野生のものを、薬用や救荒植物として利用していましたが、野菜として食べるという習慣はないようです。
根の部分を野菜として利用するのは日本と朝鮮半島だけだとか。
(ヨーロッパでは初夏に若葉をサラダとして食べることがあるようです。このように葉の部分を野菜として用いたり、根や種の部分は漢方薬としてとして用いたりすることがあるようです。)
【美味しい時期】 10~12月
【栄養/機能性】 前述のように、水分が少なく炭水化物が多い野菜です。
炭水化物は、消化、吸収されてエネルギー源になる糖質と、消化、吸収されない食物繊維分けることができます。
そして注目したいのは、ゴボウの持つその食物繊維の多さです。
食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維に分けられます。

水溶性食物繊維 腸内の有害物質が体内に吸収されてしまうことを防いで、素早く便として体外に排泄を促したり、食事をした時の血糖値の上昇速度を緩やかにして糖尿病を予防したり、コレステロールの吸収を抑制して高脂血漿の予防や肥満を予防したりと、多くの分野で効果が期待できるようです。
不溶性食物繊維 水に溶けてしまわずに腸内の水分を吸収してかさを増やし、便の量を多くすることで、大腸の蠕動運動を触発して便秘を解消してくれたり、腸内の有害物質が腸壁に触れる時間を短くして大腸がんを予防するといわれています。
不溶性食物繊維に多く含まれているイネリンが、食事として食べた糖質が腸から吸収されるスピードを遅くすることで、血糖値の上昇を緩やかにして糖尿病を予防するといわれています。
堅い野菜(ゴボウなど)に多く含まれているリグニンが、コレステロールを原料として作られている胆汁酸を体外に排泄することで、血液中のコレステロール値を下げる働きをするといわれています。
"ソムリエの一言" ゴボウの食物繊維は上記の機能などによって、生活習慣病を防ぐ効果が期待できます。

ビタミン類は少ないがミネラル類は比較的豊富です。

カリウム 血圧の上昇を抑えるといわれています。
貧血を予防するといわれています。
カルシウムとマグネシウム 骨の合成を助けるといわれています。
亜鉛 味覚や臭覚の働きを助けるといわれています。

【種類】 短根種と長根種に分けられます。

長根種 代表が滝野川、現在東京都北区滝野川付近で栽培されたのが名の由来。現在滝野川系品種が主流です。
直径3㎝前後、長さ1m以上になり、ここから多くの品種が分化されています。
関東地方は耕土が深いので、長根種が多い。
短根種 代表が千葉の大浦ゴボウ、山口の萩ゴボウ。
江戸時代から栽培されているが現在その量は少ない。
関西では耕土が浅いため、短根種が目立つ。
■大浦ゴボウ
直径10㎝の大きいものは4㎏にもなる品種。中に空洞があり、詰めものにする。成田山新勝寺献上用の契約栽培
■梅田ゴボウ
埼玉県などでわずか栽培されている、太い品種。
皮がゴツゴツしているが、肉質は柔らかく、香りがあって味がよい。
■堀川ゴボウ
京都の伝統野菜。
栽培過程で一度起こしてから、再び植えつけるという特殊な栽培法で知られている。太くて根が中空になり、数本に枝分かれした特殊な形。空洞に肉や野菜を詰めて調理する。
■葉ゴボウ
福井県春江町の越前白茎や大阪八尾市の若ゴボウが代表的で、関東にはほとんど出回らない。旬は5~6月で、柔らかい葉柄と短い根を食べる。
■新ゴボウ
初夏に出回る早生品種で柳川なべには欠かせない。皮が薄く肉質が柔らかくて、香りが高い。
【保存方法】 土付のまま新聞紙に包んで涼しいところに、洗ったものは冷蔵庫に保存するとよいでしょう。
【見分け方】 大浦、堀川以外はすらりと細めで、ひげ根が少なく、葉の付け根がひび割れていないものを選びましょう。黒ずんでいないものが良品です。
皮に風味があるので出来るだけ土付のものを選びましょう。
【用途/調理】 皮の部分によい香りがあるのでむかずに表面をたわしや包丁の峰でこそぐ程度にするとよいでしょう。
アクが強く、切り口が酸化して褐変するので、すぐに水または酢水につけましょう。ただし酢水に長くつけると、かたくなり、風味も損なわれるので15分以上の放置は避けましょう。
水であれば1時間程度つけておいてもよいのですが、水を替えるとかたくなるので注意が必要です。
きんぴら、たたきごぼう、煮しめ、柳川なべ、八幡巻きなど
講談社 旬の食材「秋 冬の野菜」より引用

今回は、美味しくて万能なご飯のお供、ゴボウの佃煮をご紹介しましょう。他にもおにぎりの具に、鍋のトッピングに、またまた餃子の具に混ぜるなど、常備しておくと便利な一品です。

ごぼうの佃煮

材料
 ごぼう・・・・・・・1本(100g)
 醤油・・・・・・・・1/4C
 蜂蜜・・・・・・・・70g 又は黒砂糖
 生姜・・・・・・・・1片
 ラー油・・・・・・・小匙2
 ごま油・・・・・・・大匙1
 白ごま・・・・・・・少々

作り方
1.  ごぼうはすりおろします。(太いもののほうがおろしやすい)なるべく目の粗いおろし器ですりおろします。
2.  おろしたごぼうを厚手の鍋にいれ、醤油、蜂蜜、すり下ろした生姜を加え、中火でかき混ぜながらおよそ10分煮詰めます。汁気がなくなり、ツヤが出てきたところで火を止め、好みでラー油、ごま油、白ごまを加え出来上がりです。
3.  粗熱がとれたら冷蔵庫へ、2週間は保存できます。

*わたしはフードプロフェッサーでおろしました
*味は好みで

これは焼きもちにゴボウの佃煮をのせて大葉で巻いたものです。お正月、普通の焼きもちも、飽きてしまったなあ・・・という時などにいかがでしょうか!!

もうすぐクリスマスそして新年に

皆様

そしてよいお年をお迎えください。
来年もよろしくお願いいたします。

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