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野菜と果物の魅力について

ベジタブル&フルーツマイスター協会認定カルチャースクール講師
栄中日文化センター「野菜ソムリエに学ぶー野菜生活向上のススメ」担当
服部 佳世子

★カラフルで~す ファイトケミカル

一年のうち一番寒い季節と言われつつも、そろそろ春の香りが風に乗ってやってくる待ち遠しい二月。今年は4年に一度回ってくる一日得する、うるう年です。
余分にいただいた貴重な一日、どんな風に過ごしましょうか?

さて今回は「カラフル」のお話でしたね。
スーパーの店頭には菜の花、ふきのとうなど春野菜が彩りよく並び始めましたが
皆さんもご存知のように野菜、果物には様々な色があります。

黄色、緑、赤、オレンジ、紫、白、黒、実にカラフルな、これらの色を平均して食べていれば、自然にいろいろな栄養素が摂取できることとおもいます。
今、その栄養素の1つで注目されているものにファイトケミカルがあります。
ファイトケミカルは第七の栄養素とも呼ばれています。
前回でもお話したように、栄養素のうち三大栄養素(たんぱく質、脂質、炭水化物)は
私たちが生きていくうえで必要な栄養素です。それにビタミン、ミネラルが加わり五大栄養素になります。これら2つは野菜、果物に多く含まれていて三大栄養素の働きを助けてています。そして、お腹のお掃除役の食物繊維が第六の栄養素であり、先ほど紹介した
ファイトケミカルを第七の栄養素と呼ぶ場合もあるようです。(栄養素ではなく機能性成分
とされている場合もあります)
ファイトケミカルの「ファイト」とはギリシャ語で「植物」、「ケミカル」が英語で「化学物質」という意味がありますので、「植物のもつ化学的な物質」とでも言いましょうか・・・

そもそも、ファイトケミカルとは、植物が紫外線の害や虫から自分を守るために作り出した、植物(野菜、果物、豆類など)の色素や香りの成分、アクの成分です。
例えばニンジンのオレンジ色の色素であるカロテン、トマト、スイカの赤い色素リコピン、ナスの紫色のアントシアニン、赤ワインのポリフェノール、唐辛子の辛味成分カプサイシン、色素はカプサイチン、お茶のカテキンなどがそれにあたります。

こうお伝えすれば、「ああ、そのことか」とすでにご存知の方も多いのではないでしょうか。
これらの成分には老化や病気の原因と考えられる活性酸素に対する抗酸化作用があります。
私たちの抗酸化力は年齢とともに衰え、体内で活性酸素が多く発生するとその働きも追いつかなくなってしまいます。
そこで野菜、果物の持つ成分が必要になってくるのです。
これらを毎日適量に摂取することで、私たちはビタミン類に加えファイトケミカルの抗酸化作用の恩恵を受けることができるのです。
また、一般的に言われている栄養素は不足すると1週間、1ヶ月という短い期間で肌荒れ、不眠、疲れなど、体になんらかの影響がでてくるため、「ああ、栄養 を取らなくては」と自覚しやすいかもしれません。ところが、これに比べ機能性成分であるファイトケミカルは少しの期間、摂取しなくても大きな差しさわりを 感じることがありません。摂取の必要性を自覚しにくいと言えるのかもしれませんね。

このようにファイトケミカルは長い年月をかけて私たちが生きていくうえに重要な役割をはたしています。
前に述べたように野菜、果物に含まれていますので、これらを食べていれば自然と摂取す
ることができます。どうぞ野菜、果物を心がけて取るようになさって下さい。

「それじゃぁ健康のために野菜、果物を1日にどれくらいの量、食べたらいいの?」
これについては次回でお話しいたします。

さぁ、今回の野菜は、霜にあたって益々美味しくなるホウレンソウに注目してみましょう。


★ホウレンソウ★ 貧血に欠かせない野菜
【分類】 アカザ科 ホウレンソウ属
【原産地】 西アジア
【おいしい時期】 2月
【栄養】 鉄分を多く含み、また、鉄分の吸収を助けるビタミンCも豊富です。
ビタミンB郡も含み、葉に含まれる葉酸とともの造血に働き、貧血予防に欠かせない野菜です。
他にカロテンも豊富で、風邪の予防にも効果的といわれています。
【種類】


山形赤根 株元が赤く、葉が薄く、切り込みの深いのが特徴。山形のみで栽培される。
兎城 西洋種との交雑種を作るための東洋種側の親品種。西洋種よりアクが少ない。
西

サンライト 大葉で葉肉が厚い。
ビロフレイ 葉柄が短く、葉は丸い肉厚、東洋種よりもちはよいがアクが強くお浸しには向かないようです。


豊葉 関東一円で栽培される標準的な品種
ニューアンナR4 葉の切り込みとシワが少ない、食味もよい人気品種。
【保存方法】
  • 水分の蒸発を防ぐために、濡らした新聞紙に包みポリ袋に入れて冷蔵庫にたてて保存します。
  • 夏のホウレンソウは水で濡らすと傷みやすいので早めに使いきりましょう。
  • かたく茹で、水気をしぼってラップにつつんで冷凍庫の保存も可能です。
【見分け方】 葉先がピンと張っていて緑が鮮やかなもの
茎が適度な太さでしっかりしているもの
葉が根元の方から密集して生えているもの
根の切り口が大きく、赤みが鮮やかで新鮮なもの(特に寒さにあたると赤くなります。)
【用途/調理】 根元に甘みがあるので、切り落とさないできれいに洗って使いましょう。
茹でる時はたっぷりのお湯を鍋に沸騰させて、塩を一つまみいれ、根元の方から鍋に入れ20秒ほどしてから、葉をいれて短時間で茹でましょう。根元が太い場合は十文字に切れ目を入れます。
【一言】 ちぢみホウレンソウを知ってますか?
ちぢれて肉厚な葉と、糖度10度以上の甘みが特徴です。
冬の霜に当て、じっくり育てることで生まれる冬限定で、一度味わうとクセになってしまう「ちぢみホウレンソウ」お試しあれ!

 

ちぢみホウレンソウのお浸し 
ただ茹でて、焼き海苔や花かつなどをかけていただくのがシンプルで
「おいし~い!」

豆腐とホウレンソウの和風グラタン

材料    2~3人分

豆腐
ホウレンソウ
タマネギ
ベーコン
オリーブオイル
塩 コショウ
パルメザンチーズ
バター
1丁
半束(125g)
100g
30g
少々

10g
5g

      〈ルー〉
バター
小麦粉
だし汁
牛乳
白みそ

30g
30g
1.5カップ+1/4カップ
1/2カップ
30g

作り方

  1. 豆腐は4つに切り軽く茹でて、水気をきっておきます。
  2. ホウレンソウは洗って、特に軸のところの砂をおとし、太い場合は十文字をいれて鍋にたっぷりお湯を沸かし塩を入れ軸のほうから鍋に入れ20秒くらい経ったところで葉を倒して固めに茹でておきます。水にさらさずそのまま冷まして、硬くしぼり、2センチ長さに切っておきます。
  3. タマネギは短めに切っておきます。
  4. ベーコンは1センチくらいに切っておきます。
  5. フライパンに少しオリーブオイルをいれ、4を入れて炒め少し油が出たところで3のたまねぎを透き通るくらいに炒めます。(ベーコンから油がでるのでオリーブオイルは控えめに)2のホウレンソウをいれて炒め塩、コショウで味を整えます。
  6. ルーを作ります。
    油気と水気のない鍋を用意して、バターを溶かします、振るった小麦粉を入れて暫くいためます。一度パラパラになったものが滑らかになったら、だし汁、1、 5カップを3回に分けて入れてよく混ぜます。(このとき1回入れた分量が全体に滑らかになったら、次を加えるようにするとダマができない滑らかなルーに仕 上がります)
    1回目が滑らかになったところで、白みそを入れて混ぜておきます。
    3回入りましたら、牛乳を加えて、滑らかにします。塩、コショウで味をととのえます。
  7. 5に6のルーの3/4を加え、混ぜ再び味を整えてください。
  8. オーブンに入れてもよい器に、1の豆腐を入れ7を上からかけます。
  9. 残しておいたルー1/4に+1/4カップのだし汁を加えゆるいルーを作り8のうえにかけて、お化粧します。パルメザンチーズを全体にかけ、バターを小さく切って所々におきます。
  10. 250度に熱したオーブンで上に美味しそうな焦げ目がつく程度に(大体10分程度)焼きます。具が冷たくなっている場合は時間を調節してください。

寒い時の我が家の定番料理です
「フーフー」いって召し上がって下さい。

寒い季節、皆様お風邪をお召しになりませんように
暖かくしてお過ごし下さいませ。

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