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インターネット公開文化講座

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野菜と果物の魅力について

ベジタブル&フルーツマイスター協会認定カルチャースクール講師
栄中日文化センター「野菜ソムリエに学ぶー野菜生活向上のススメ」担当
服部 佳世子

「天城温泉」「ユリ根」

 金木犀においすれども姿なし
    いずこの庭に咲いているやら
金木犀の香りもいつの間にか消え失せ、今年もあっという間に師走を迎えることとなりました。
一年間振り返ってみると、今年も本当にいろいろなことがありました。嬉しいこと、悲しいこと、出会いがあり別れありの一年でした。
とても悲しかったのは、友人との別れです。私の小学校の同級生が二人、相次いで亡くなったのです。彼らはいつもクラス会の幹事役を務めてくれており、企画から当日の場を楽しく盛り上げる役目もしっかりこなし、皆に頼られる存在でした。約一年前、まるで亡くなることがわかっていたかのようなタイミングで、親しいクラス仲間を集め食事会を企画してくれたことを思い出します。人づてに闘病中とは聞いていたものの、まさかこんなに早く・・・・・仲間内に僧侶がいるので友人皆で集まって、香を献じ、亡くなったお二人の奥様と共に思い出話をしてご供養しようと思っております。
さて、悲しいお話はこれまでにして
つい先日のこと、まだ紅葉がおぼつかない伊豆、天城の温泉に行ってきました。実は私は温泉にはあまり好んで出かける方ではないのですが、車に乗って、皆で楽しくおしゃべりしながら・・・ということで便乗した次第です。私の仕事の都合に合わせてもらい、出発はお昼過ぎから。ですので東名高速を走り沼津インターを降りた時には4時半、真っ暗な中、修善寺道路を走って移動、となってしまいましたので移動中の景色はあいにく楽しむことができませんでした。
着いたのは5時半近く、早速皆で温泉に入り、移動疲れを癒していざお食事処へ。
今晩の献立です。
献立は銀だら柚庵焼きですが
今年最後の鮎を特別に・・・

もったいないことに牛鍋を半分ほど残してしまいました。他にも何種類かのお野菜、お肉も美味しくいただいたのですが、食べきれなかったのが何とも心残りでした。
ああ残念!


おばあちゃんの家に来たみたい
光って見にくいのですが「風の声」と書いたお軸です。お名前をお聞きするのを忘れてしまいましたが作者は有名な方だそうです。


次の日の朝食はこのお宿オリジナルのすいとん鍋でした。すいとんがとっても美味しかったで~す。

お宿を後にして東司(お手洗い)守護の明徳寺へお参りした後、天城ミュージアムへ
「キティーちゃん」フェアーをしていたのでちょっと覗いてみました。

そして修善寺の「虹の郷」で、庭内を走っている汽車に乗ってぐるり半周
あと半分は歩いて散策、お天気がいまいちで、人もあまりいなく悠々と庭園を散策でき大満足。


「虹の郷」を後にして途中お蕎麦を食べ、一路東名高速道路に。長時間にわたる移動、そして雨のため運転もしづらい状態でしたが、快くハンドルを握ってくれた友人に感謝です。
ありがとうございました。この度も楽しい旅でした。

せっかくですので、前述しました例の出発がおそくなった理由のお仕事についても少しご紹介したいと思います。

当日の午前中は、愛知県東浦町立北部中学で料理教室の講師として登壇しました。この料理教室は、こちらの中学の秋の一大イベントのひとつで、中学校に通う1年生から3年生全員が開催される何らかの手作り教室に参加するのです。
開催される手作り教室は実に多彩で、うどん打ち、クレープ作り、火起こし、アートフラワー作りなどなど、どれもやりがいがあり楽しいものばかり。

その中で私が料理教室のひとつを担当したのですが、内容は「マヨネーズ」作りです。
参加16人中、意外にも男子生徒13人で、女子生徒3人と、男子生徒が多かったのにはびっくり!!
やはりマヨラー(マヨネーズ好きの人をこう呼ぶそうです)は、男子が多いのでしょうか?!せっかくマヨネーズを作るのですから、それを味わう食材がなければ楽しくありません。今回はポテトサラダと野菜のステックで、出来立ての美味しいマヨネーズを味わっていただくことにしました。

野菜ステックにはケチャップ入りのものと、ユズコショウ入りのものを2種類アレンジしてお出しし、食べ比べていただきました。
結果はユズコショウがダントツ人気でした。
生徒もそうでしたが、特に男子生徒の皆さんが一生懸命、熱心にマヨネーズを作る姿が微笑ましかったです。

温泉旅行から帰っても充実した日々は続き、食育や今話題の50℃洗いのお話を東京に聞きに行ったり、歌舞伎を鑑賞したり、楽しくも慌ただしい日々を過ごしました。

さて、毎年この時期になるとおせち料理の話題もよくあがりますね。皆さんはどのお料理が一番お好きでしょうか・・・?
色とりどり、味とりどりのおせち料理の中でも私はユリ根の「きんとん」が大好き。今回は、そのユリ根についてお伝えしたいと思います。

『ユリ根』 ヨーロッパの 人たちはユリの"花"の部分が大好きなので、ユリの"根"を食べると言うと驚くそうですが、 根のほうも 花に負けずにゴージャスさと清楚さを併せ持つすばらしい食材です。
【分 類】 ユリ科 ユリ属
ユリ根はユリの球根(鱗茎)のことで、ニンニクと同じく鱗片が重なりあって球形になったものです。
ユリ根の「隣茎」とは、字に「茎」が使われているように、実は「根」ではありません。葉が変形したものです。
【原産地】 中国地方(日本)
【美味しい時期】 晩秋から冬
【栄養/機能性】 炭水化物が約3割もあるので、野菜の中では高エネルギー食品と言われています。
微量栄養素のカリウム、鉄、ビタミンB郡を多く含み、食物繊維も多い方ですがたくさん食べるものではないので、栄養的な効果は少ないようです。
【種類】 ユリにはヤマユリのように観賞用と食用を兼ねるものと、中国原産のオニユリ、コオ二ユリなどの食用があります。

オニユリのユリ根 白く編球形で鱗片の幅は広い、直径も5~8㎝と大型で少し苦みがある。テンガイユリとも呼ばれる。
コオ二ユリ 食用が主流で、関西での消費が多い。色、形ともオニユリに似ているが小ぶりで、球形がつかない。
ヤマユリ 黄白色で編球形。鱗片の先に桃色の斑点があるのが特徴。
【見分け方】
  • 形が丸く、堅くしまっていて重いものを選びましょう。
  • 表面に傷がないものを選びましょう。
  • 茶色に変色しているものは古い証拠なので避けましょう。
【保存方法】 湿らせたおがくずの中に入れて冷暗所で保存しまし ょう。 水に濡らすと傷みが早いので避けましょう。
【用途/調理】
  • ホクホクしていてほろ苦いのが食味の特徴です。
  • きんとん、含め煮、甘煮、汁の実、茶わん蒸しの具、あえ物、かき揚げ、スープなど。
  • 和え物、添え物にする場合は、1枚ずつはがし、蒸し器に入れて3~4分蒸し、塩をふってそのまま冷やしてから使うとよいでしょう。
  • 茶わん蒸しや汁の実など加熱する場合も、さっと蒸してから使うと風味がよいでしょう。
  • かたまりのまま含め煮にする場合は、アクが強いので、焼きみょうばんを加えた水に浸してからさっと茹でます。
  • 白く仕上げるためには酢を少量入れて茹でるとよいでしょう。
  • 強火にすると煮崩れるので注意しましょう。 

参考資料:
旬の食材「秋・冬の野菜」  講談社
花図鑑野菜      草土出版

おせち料理以外にも、年末年始は何かとご馳走を作る機会が多いかと思います。
せっかくなので、ちょっと贅沢なお料理、ユリ根を使った「ユリ根饅頭」を作ってみませんか。

ユリ根饅頭

材料 4人分

 ユリ根 2個(約250g)
 塩 少々
 片栗粉 小さじ1
 卵白 1個分
 具
  鶏ミンチ 100g
  ネギみじん切り 大さじ3
  ショウガみじん切り 大さじ1
  酒 大さじ1A
  砂糖 大さじ1
  醤油 大さじ1
  卵黄 1個
 銀あん
  だし汁 3カップB
  酒 大さじ2
  塩 小さじ1/2
  醤油 小さじ1
  片栗粉 小さじ1C
  水 大さじ1
  絹さや 5枚

作り方

1. ユリ根は一片ずつはがし、茶色になっているところを取り、洗います。
2. 蒸気の出ている蒸し器に入れて5分ほど蒸します。
3. 温かいうちに裏ごしをかけます。
4. ボールに3を入れて塩と片栗粉を入れ、混ざったら卵白を入れて混ぜます。
5. 4等分して丸めておきます。
6. 中に入れる具を作ります。
フライパンに鶏ミンチを入れて色が変わるまで炒めます。(鶏ミンチから油が出るので油は使わなくてもよいです)その中にネギのみじん切り、ショウガのみじん切りを入れて炒め、Aの調味料を入れて味付けしたら火を止め、卵黄を入れて混ぜ4等分しておきます。
7. 銀あんを作ります。
鍋にBの調味料を入れ煮立たせ、Cの片栗粉の水溶きで軽くとろみをつけます。
8. 丸めた5を広げ6の具を中央に入れて包みます。
9. 絹さやは茹でてせん切りにします。
10. 蒸気の出ている蒸し器に8を入れて強火で10分蒸します。
11. 器に盛り銀あんをかけます。
12. 上に絹さやのせん切りを飾ります。ユズがあればユズも載せるとよいでしょう。

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