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野菜と果物の魅力について

ベジタブル&フルーツマイスター協会認定カルチャースクール講師
栄中日文化センター「野菜ソムリエに学ぶー野菜生活向上のススメ」担当
服部 佳世子

★産地ツアー「リンゴ」

秋風が漂う今日この頃ですが日中はまだまだ暑いですね。
皆様には夏のお疲れが出ていませんか?
とにかく今年の夏は暑かったのですが夏野菜、トロピカルフルーツで旨く乗り越えられたのではないかと思います。

さて、9月といえば重陽の節句、お月見、お彼岸となかなか風流な月だとお思いになりませんか?お彼岸にはよくおはぎを作ったり買ったりして季節行事を楽しんでみえる方も多いのではないでしょうか。
ところで「おはぎ」と「牡丹餅」とはどう違うのでしょうか。私的な解釈としては、「牡丹餅」は牡丹の花で春すなわち春のお彼岸に作るもので、つぶ餡かな・・・・・・
一方「おはぎ」は萩の花、秋の七草なので秋のお彼岸に作るもので、こし餡?!・・・となります。
実は我が家では1年に3回春、秋のお彼岸それとお盆に作るのですが、すべてこし餡。これが我が家風なのです。こちらは後ほどレシピを掲載させていただくことにいたしましょう。

8月の半ば過ぎに南信州飯田に行ってまいりました。私が会員として所属する日本ベジタブル&フルーツマイスター協会が企画した産地ツアーでした。
飯田には私と一緒にマイスターの資格を取ったお仲間の一人がいらっしゃいます。
当然彼女もこのツアーには参加するということで、それならばせっかくなので前日から飯田の町を一緒に散策しようということになりました。
飯田市は城下町らしく赤門と呼ばれる旧飯田城桜丸ご門が残っていたり、山国でありながら高い文化の気風が漂っている町です。さながら小京都のようです。(飯田市の観光案内にもやはり信州の小京都と記されていました。)実は飯田市は人形芝居でも有名な地。こちらにはNHKで放映された人形劇「三国志」「平家物語」で有名な人形美術家、川本喜八郎さんが寄贈した約200体の人形を収蔵する美術館もあります。
せっかくのなので、拝見してきました。お顔の表情、衣装、いずれもすばらしいものでした。さすが「人形劇の町飯田」と実感いたしました。私が「三国志」をもっと知っていれば、さらに興味深く鑑賞できたことと残念でした。ご興味のある方、鑑賞する価値は大いにありますよ。

あくる日名古屋からやってきたマイスターさんたちと合流して、飯田市の農業課の方やJAみなみ信州の方々、また生産者さんのご協力を得ていよいよ産地ツアーがスタートしました。
まずはリンゴ農家さんの見学です。
サンつがるがたわわになっている見事な景色を見れば、つい早く取りたい衝動にかられます。
ここはぐっと我慢して、まずは生産者さんのお話に耳を傾けます。
するとこちらの農家さんは他府県から果樹農家になるため一念発起、移住されたとのことでした。
まだお若いご夫婦でしたが、是非頑張っていただきたいものと思いました。
収穫に際しては、おしりにボリュームのあるものかつ、この部分が透き通る飴色のものがいいということを教えていただき、一人1個ずつ、自分の手で収穫することになりました。
私たち素人は赤く熟れたものを採りがちですが、今、その場で食べるのであれば赤いものを、そうでなければまだ青みの残っているリンゴを選ぶよう教わりました。

思いおもいに一つづつ持ち帰り、次なる場所、JAみなみ信州いいだ果実選果場へとバスに乗り込みました。
丁度リンゴの選果を行っているとのことで、それを見学させていただくことになりました。今は凄いですね、高性能なセンサーと高スピードの選果ラインで糖度・熟度のみならず、蜜・褐変などの測定が可能なのです。
ここでは「太鼓判」「優等生」という等級で箱詰めされ市場に出荷されているのだそうです。
梨に関しては糖度13度以上の設定で旨みが乗ってから出荷されるということでした。
農家さんの皆さんには美味しい果樹を作ることに専念してほしいという思いから、ここで働く方々は農家ではなく専属で選果の仕事に従事するサラリーマン(パートさん、リタイヤーされた方)なのだそうです。

さてそろそろお腹もすいてきました。昼食の時間です。
柿野沢集落センターで地元の婦人部の方の作られる「久堅御膳」(きらりと光る農業・農村活動賞(県知事賞)を受賞した田舎料理)をいただきました。
献立の内容は、地元で取れる野菜料理や飯田に古くから伝わる塩イカを使った料理、五平餅・・・とまさに地産地消がテーマの美味しい食事でした。飯田市の方々ならでわの歴史情緒溢れる心のこもったおもてなしに感動もひとしおでした。
見てください、箸置きはつげの木の小枝です。
アイデアがあり可愛いです。塩イカは、武田信玄、上杉謙信の川中島の戦いで、兵糧攻めにした敵に塩をつめたイカを送った、という逸話からきているとか。

さて、お腹も一杯になったところで、次はカラーピーマンのハウスを見せていただきに農家さんへ。いわゆるカラーピーマンとは完熟型や緑色以外のピーマンの総称です。
1苗から4本の枝をとり、1枝に10玉生らせる、というのがこちらの作り方のようです。
ですから4苗から40玉以上収穫することができる計算になります。
ふと、おしりのふくらみ(部屋)が4つのものと3つのものがあることに気がつきました。
理由を尋ねたところ、受粉が旨くいったものは4つ、うまくいかなかったものは3つになるということでした。へ~・・・・・
参加者の一人が「ピーマンのまるかじりは最高に美味しい」といったのを聞き、早速トライしてみました。
なるほど甘く、ジューシーでなんとなくクセになる味でした。

次にJAみなみ信州の農産物直売所(およりてファーム)に参りました。
ここで変わった茸を発見!「雪姫茸」と呼ばれており、「とんかつとしてどうぞ」とのポップ。思わずその言葉に興味が沸き、とんかつのように衣をつけ、揚げて「パクリ」。味はそっくりとはいきませんが、食感はなるほどとんかつを食べているかのようです。
とんかつソースをかけて出されたらきっと皆さんも騙されますよ。

次はいよいよ最後の訪問先、アスパラガス農家さんです。土から20センチぐらいのものを10本づつ収穫させてもらう代わりに少し草取りのお手伝い。残念なことにバスにデジカメを忘れ、こちらの写真はありません。採り終えたところに、なんと蛇がかま首をあげて出現!!蛇が大嫌いな私は思わず逃げてしまったので、なんだか印象が悪くなってしまいました。鈴木さん(アスパラガス農家さん)ごめんなさい。↓

以上がツアーの報告です。
当日はお天気も最高で、とても有意義な1日を過ごすことができました。
農家の皆様はじめ飯田市の職員様、JAみなみ信州の皆様大変お世話になりました。
ありがとうございました。

今回はそろそろ旬を迎える「リンゴ」にスポットを当てることにいたしましょう。


★『リンゴ』★
日本の味覚として欠かせない果物
  【分類】
    バラ科 リンゴ属
  【原産地】
    中央アジア
  【美味しい時期】
    9月~12月品種によって出回る時期が違います。
  【栄養性・機能性】
   
  • 食物繊維の一種であるペクチンが便秘を解消し、大腸ガンのリスクを少なくすると言われていますまた、アレルギー性疾患(気管支炎、鼻炎、皮膚炎など)の予防にも有効的と言われています。
  • 白い実の部分にはフラボノイドの一種ケラセチン、そして赤い皮にはアントシアニンが含まれています。これらはいずれもポリフェノール類の仲間で強い抗酸化力があり、血液中のコレステロールの酸化を防ぎ、心臓病、脳血管病の原因とされる動脈硬化を予防すると言われています。
  • 渋みの原因であるカテキンが、血液の固まるのを防ぎ心筋梗塞や脳梗塞を予防すると言われています。
  • 食物繊維が血糖値の上昇するスピードを抑えることで糖尿病を予防したり、カリウムが血圧の上昇を抑え高血圧を予防すると言われています。
  【種類】
   
陸奥・・・・


(ゴールデンデリシャス×印度)10月下旬~11月上旬(青森)果実は円形ないし長方形。黄色種だが有袋栽培により赤リンゴとして販売される。香りがあり食味も貯蔵性も良い。
ふじ・・・・


(国光×デリシャス)11月上中旬(青森、岩手)11月中下旬(長野、福島)晩生の代表品種。果実は丸くやや斜形、鮮紅色、甘みが多く蜜が入り日もちはきわめて良い。
国光・・・・


11月上中旬(青森)晩生種アメリカ種で明治初年に導入。紅玉と共に日本のリンゴ最重要品種。ふじの親として使用された。果実は肉質堅く、品質は劣るが貯蔵性はきわめて良い。
紅玉・・・・


9月(暖地では)10月(東北地方)中生種国光同様アメリカ種。果実は扁円形で全面が鮮紅色に着色する。味は甘酸っぱく、世界中で栽培され、加工、生食共に適する。
ゴールデンデリシャス・・・



10月上旬(暖地では)10月下旬(東北地方では)アメリカのウエストバージュニア州で発見された偶発実生。青森に導入。黄色種の代表品種。果実は円形から長円形で甘みが多く食味は良いが貯蔵性はよくない。
王林・・・・


10月下旬(福島では)10月下旬~11月上旬(青森では)ゴールデンデリシャス×印度。黄色品種の代表品種。果実は卵型で甘みが多く酸味は少なく、食味優良で日もちも良い。
つがる・・・


8月下旬(長野では)9月上中旬(東北地方)早生品種果実は円形で緑黄色に赤く着色する。甘みが多い。他にも色々な品種があります。

講談社 旬の食材 「四季の果物」参考
  【見分け方】
   
  • 軸がしっかりしているものを撰びましょう。(古くなり味が落ちるものは軸がとれやすくなります。)秋口に出回るものは軸先の色が緑でみずみずしいものを選びましょう。追熟は不要なので水分の飛ばないうちに食べましょう。
  • 生育が順調なものほど、おしりの窪みが深くなります。
  • しっかりツヤが出て、香りが強くなれば食べ頃です。
  【保存】
   
  • 低温で温度変化の少ない状態に保つことが大切です。
  • 長く保存するには、ビニールの袋に入れて、冷蔵庫の野菜室に入れておきましょう。(リンゴから出るエチレンガスは野菜や果物を熟成させる働きがあるので、必ずビニール袋に入れましょう。逆に熟していない果物とリンゴを一緒にいれておくと熟成がすすみます。)
  【用途/調理】
   
  • ジャムやジュース、料理のソース、お菓子など幅広く使うことができます。
  • 薄めの塩水に付けることで、皮をむいたリンゴが茶色く変色するのを防ぐことがで来ます。
  【一言】
   
  • ワックスはリンゴの持つ防衛本能の働きによる現象で、農薬ではありません。食べ頃を知らせるサインです。
  • リンゴはほのかな酸味とさわやかな甘みのバランスがよく、果物の中では比較的安価なため、一度に沢山食べられる果物です。わが国では「健康のために、果物を1日200g食べましょう。」というスローガンが掲げられています。実は中くらいのリンゴ1個は約200gですので、目安として活用できるのですよ。これから美味しくなる果物です。皮をむくのを面倒がらず是非召し上がっていただきたい果物です。

さて、次はお彼岸に作っていただきたい「おはぎ」のレシピです。

材料   8人分(24個)
  もち米・・・・・・・・・・ 2.5カップ
  小豆・・・・・・・・・・・ 300g
  水・・・・・・・・・・ 2.5カップ
  砂糖・・・・・・・・ 300g
  塩・・・・・・・・・ 小さじ1/3
  黄な粉・・・・・・・ 50g
  こし袋
  砂糖・・・・・・・ 50g
作り方こし餡を作ります
  1、 小豆を洗い、鍋に入れ、ひたるくらいよりやや多めの水を入れて火にかけます。沸騰したら、ザルに上げ、再び鍋に水を入れ小豆を戻して火にかけて、沸騰したら又ざるにあげます。この工程を3回くりかえして、3回目が沸騰したら、火をやや弱くして、小豆が柔らかくなるまで煮ます。(途中汁がなくなるようでしたら湯または水を足して下さい。3回目はあらかじめ水を多めにしておくといいでしょう。)
  2、 1を何回かにわけてフードプロフェッサーにかけます。
  3、 1回かけたら大きなボールに目の細かいザルをおいて、そこにあけ、水で洗います。下に漉した水が必要なので捨てないように。これをもう一度裏ごしで通してからこし袋に入れて濾します。
  4、 鍋に砂糖300gと水1/3カップを入れて火にかけ、砂糖が溶けたら、その中に3の濾した餡を入れて、中火で混ぜながら煮ます。最初はゆるく、次第にクリーム状になってきます。このときブツブツとふきますので火傷をしないよう気をつけましょう。鍋はだが見えるぐらいまで煮詰めて下さい。
  5、 餡を20等分大体1個40gにわけておきます。
  6、 もちを作ります。
  A. 炊飯器にもち米、水、塩を入れて炊き、蒸らします。
  B. 炊き上がったもち米をすりこ木でつぶします。はんごろしにします。
  C. Bを24等分大体30gにわけておきます。
  7、 黄な粉に砂糖をまぜておきます。
  8、 20等分した餡子のうち16個は餡子で包みます。あとの4個はそれを半分にして(8等分)黄な粉の中の餡子にします。
  9、 サランラップ(またはぬれ布巾)を用意して餡子をのせ、平らにしたところにもちをのせて包んでいきます。10.黄な粉はもちに餡子を入れて包み、黄な粉をかけます。
  10、 黄な粉はもちに餡子を入れて包み、黄な粉をかけます。



写真は餡子だけです。
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