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インターネット公開文化講座

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野菜と果物の魅力について

ベジタブル&フルーツマイスター協会認定カルチャースクール講師
栄中日文化センター「野菜ソムリエに学ぶー野菜生活向上のススメ」担当
服部 佳世子

文月 「梅」

梅雨の季節ですね。この「梅雨」に使われている漢字のひとつ、「梅」。今回はまずこの梅についてのお話から始めたいと思います。
みなさんは梅干しを家でお漬けになりますでしょうか?・・・我が家ではあることがあってから梅干しは家で漬けないようになってしまいました。
というのはある年、いつものように母が漬けたところ、その年に限ってなぜかカビが生えてしまいました。
カビが生えると縁起がよくないと言われますが・・・・・そうなのです、その年父が他界したのでした。それ以来我が家では梅干し漬けはご法度になったのです。
でもだからといって梅そのものと疎遠になったわけではありません。つい先日も、日本野菜ソムリエ協会名古屋支社において梅の講習会があり、参加してきました。
昨年、一昨年に続き今年も和歌山県の田辺市とJA紀南のご協力の下、さまざまな知識とレシピを教えていただき、充実した時間を過ごすことができました。
実はこちらの講習会前、今年は梅のできが悪いと、いろいろなところから聞いていたのですが、そこはさすが梅の本場。当日は大粒の梅をご用意いただきその一部を梅ジュース作りに使って、残りの梅は各自持ち帰りさせていただきました。
持ち帰った梅で、早速私は梅のサワー漬け(お酢で漬けたもの)と梅の味噌漬けを作りました。(もちろん梅干に使われた方もみえるようです!)
味噌漬けはとても簡単なのでオススメなのですよ。私は毎年作ることにしています。
いつもは三ヶ月漬けた後、梅だけを出していましたが、今回お聞きしたところによると梅は入れっぱなしでよいとのこと。ひと手間省けてラッキーです(いつもは取り出した梅の使い道に悩まされていましたが・・・。実はマーボー豆腐に入れると美味しいですよ。取り出した後は器に入れて冷蔵庫に保管して1年間使うようにしています。)これからがいよいよ昨年作ったお味噌の出番です。だんだん暑くなり食欲がなくなってくるからです。そんな時冷ややっこを召し上がりますよね。冷たいお豆腐にこの梅味噌をかけて召し上がってみてください。食欲がわくこと請け合いです。
作り方は梅、氷砂糖、味噌すべて同量で漬けて梅がとろけるまでそのままほっておけばいいようです。とても簡単でしょ!?


梅ジュース

梅サワー漬け、梅味噌漬け

さて、みなさん梅雨明けまでにはもうしばらくご辛抱を・・・・・
明ければ燦燦と降り注ぐ太陽の光がまぶしい「ザ・夏」が来るのです。
ところで「そもそも夏とは?」と、考えたことはありますか?

夏は四季のひとつで、一般的に一年中で最も暑い期間をそう呼びますが、二十四節気や旧暦のように、一年中で最も太陽高度が高く昼が長い期間を指すこともあるそうです。
北半球ではグレゴリオ暦の一年の半ば、南半球では一年の終わりから初めにかけてくる季節が当てはまるようです。
このように世界中において夏の期間にはいくつかの定義があるのです。さらに詳しい定義の一例として以下をご紹介しましょう。こちらは北半球での定義で、南半球では半年ずれるのだそうです。

●日本における社会通念・気象学では6月・7月・8月。例えば「冷夏」などはこの3ヶ月の平均気温で判断されるようです。
●二十四節気に基づく節切りでは立夏から立秋の前日までのようです。
●旧暦による月切りでは四月・五月・六月。上に近いが、最大半月ずれるようです。
●年度では7月・8月・9月。英語ではこの3ヶ月をsummer quarterと呼ぶようです。
●天文学上は夏至から秋分まで。ここでは「夏至」「秋分」は「夏至の日」「秋分の日」ではなく太陽黄経が90°、180°になった瞬間だそうです。
●西洋では伝統的に夏至(の日)から秋分(の日)の前日までとすることがあるようです。
●高緯度や高山などの寒帯に近い地域では雪解け後のごく短い期間を夏と呼ぶことがあるようです。また、低緯度の熱帯気候は「1年が夏」と表現されることがあるようです。
 同一の意味で「常夏(とこなつ)」という語もあるようです。
●三夏
    初夏・・・・立夏から芒種の前日までの期間をいい、孟夏ともいいます。
    仲夏・・・・芒種から小夏の前日までの期間をいいます。
    晩夏・・・・小夏から立秋の前日までの期間をいい、季夏ともいいます。

気象庁では最高気温が25度以上の日を夏日(なつび)、30度以上の日を真夏日(真夏日)と呼んでいます。そして気象温暖化やヒートアイランドなどの影響で最高気温が35度以上になる日が増えているという背景から、2007年(平成19年)より新たに35度以上の日を猛暑日(もうしょび)という呼称を使うことが決められました。比較的寒冷である北海道・東北北部以外では、このような日は毎年7・8月を中心に6月から9月にかけて生じる年や地域によっては5月・10月でも生じる場合もある)ため、この時期のあたりが夏の範囲に入るようです。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

夏と一言に言ってしまえば簡単ですが、こうして見て行くとなかなかと奥深いものがありますね。私もこの機会に勉強させてていただきました。 来る7月とには七夕がありますね。
笹の葉に願い事を書いたことは遠い昔の思い出です。
今年はうまく牽牛、織女が天の川で巡り合うことが出来るのでしょうか・・・・
良いお天気になりますように・・・・・

ここで私のこの時期の恒例行事をもうひとつご紹介しましょう。それは伊勢地区歯科医師会の「歯の衛生週間」でのお手伝いです。毎回こちらでは、食育をテーマにお話しさせていただく一部屋をもうけさせていただいています。タイトル名は「楽しく食べて元気をもらおう」。このタイトルも毎年掲げているものです。今回はサブタイトルに「野菜を賢く食べてみよう!」を付け加えてみました。内容はお話と試食会の二本立てです。
今回ご用意したメニューは「グリーンスープ」「爆弾コロッケ」の2品でした。
前日より下準備をして当日10時からの開催に間に合わせるのです。
いつも若手の歯医者さんたちが手伝ってくださいます。彼らも慣れたもの、今年で3年目ですので、ちゃんとエプロン持参で来てくださり、丁寧に準備してくださいます。下の写真はみんなで爆弾コロッケを作成中のものと講座風景です。

せっかくなので今回は梅そのものについてもっと掘り下げてみましょう。

「「梅」」 古くから日本人が愛してやまない梅
梅干しは古来からの保存食
「あんず」や「もも」も同じ仲間なのですよ~
【分類】 バラ科 サクラ属
学名     Prunus mume(Sieb.)Sieb.et Zucc.
和名     ウメ(梅)
英名     Ume
【原産地】 中国の長江中流、湖北省の山岳部といわれています。
【歴史】 中国から伝来したとするのが通説となっています。1500年ほど以前に遣唐使(630~894年)が中国から薬用(漢方薬)の「烏梅(うばい)」という形で持ち帰り、当時から食薬として珍重されたものが最初と言われています。「烏梅」と相前後して入って来たであろうと思われる梅は、日本の風土気候によって、中国の梅とは品質の異なる日本独自のものに生まれ変わる。今日では中国の梅を「杏梅」、日本の梅を「酸梅」と分けて呼びますが、このことからも日本の梅の方がすっぱく、有機酸の含有率の多い事が分かります。梅は、古くは万葉の昔から親しまれ、数多くの歌人による、梅にまつわる詩歌も残されており、この事からも、かなり古い時代から日本でも梅が栽培されていたことを伺い知ることができます。
http://www.aikis.or.jp/~nakata/history/nankoume.htmlより
【美味しい時期】 5月~7月  特に6月
【種類】
南高
(なんこう)
和歌山県の代表品種。南部高等学校にちなんで命名され、果実は大きく25~35gぐらいです。
完熟果は陽光面が赤く着色します。
肉質、風味ともに優れています。
花粉はありますが自家不結実なので受粉樹が必要です。6月中旬から6月下旬に収穫されます。
白加賀
(しろかが)
江戸時代から栽培されていた実梅の代表品種。
果実は大きく30gぐらいです。
5月中下旬に収穫されます。群馬など東日本で多く栽培されます。花粉がないので受粉樹が必要です。青梅、梅干し兼用品種です。
小梅
(こうめ)
竜峡小梅、甲州小梅、織姫などの品種があります。
開花期が早く、5月中下旬に収穫できます。
果実は5g内外で梅干しやカリカリ漬けに用いられます。自家結実性の品種が多いです。
【栽培】 花は春早く咲き、初夏の梅雨の頃に収穫します。
小梅は5月末から、大梅や豊後梅は6月から7月に熟します。
【栄養・機能性】 ・梅の生果にはカリウム、カロテン、ビタミンEなどを多量に含みますが、生果を食することはまずありません。未熟な生果にはアミグダリンという成分を含み、これが青酸(強い毒性を持つ物質)を発生させるおそれがあるからです。青酸は未熟な種子に多く含まれますが熟すとなくなります。若もぎした果実は苦味がありますが、梅干しにして3カ月たつとなくなるといわれています。 ・梅干しの酸味は、クエン酸やリンゴ酸など多種類の有機酸によるものです。有機酸は糖質がエネルギーに変わるのを助けたり、筋肉中の疲労物質である乳酸を燃焼させてエネルギーに変える働きをするので疲労回復に効果を発揮するといわれています。有機酸には食べ物中のカルシウムの吸収率を高める効果もあるといわれています。 ・梅の酸味には唾液の分泌を促す作用があります。これは梅そのものが持つ成分ではありませんが、唾液は消化吸収を効率的にするだけではなく、唾液に含まれる多種多様な酵素類は、変異原生物質の作用を抑制してガンを予防すると考えられているようです。
ソムリエの一言 梅干しをたくさん食べると食塩の摂取量が増え、血圧を上昇させることにつながるといわれています。
【保存方法】 梅は生で食べることはなく保存食に加工することが一般的です。
冷凍することで熟すことが抑えられるので、この特性を活かして時間のあるときに漬けられるのは利点です。
【見分け方】 傷がなく粒がそろっているものを選びましょう。
鮮度が低下すると果皮が黄色くなり、果肉が軟らかくなるので避けましょう。
低温障害では表皮に斑点状のくぼみを生じるので注意しましょう。
熟度70%ぐらいの青く光沢のあるものや、外観で丸みがあるものは、比較的肉厚なので梅酒に好適です。
【調理/用途】 梅干し、梅酒漬け、梅ジュース、サワー漬けなど好みのものを試してみましょう。
参考   旬の食材 四季の果物 講談社

今回のレシピは歯科医師会で皆様に召し上がっていただきました「爆弾コロッケ」を。

爆弾コロッケ

材料          6人分

ミニートマト 6個
ジャガイモ 300g
タマネギ 60g
鶏ミンチ 60g
炒め油
塩 コショウ
小麦粉

パン粉
揚げ油
オーロラソース
 マヨネーズ  大さじ5
 ケチャップ  大さじ1
又は ケチャップ  大さじ3
   ソース    大さじ3

付け合わせ
好みのものを
インゲン、ブロッコリーの
ソテーなど

作り方

1. トマトは湯むきにしてヘタを取っておく。
2. ジャガイモは皮をむき1個を8等分位の大きさに切り、水にさらしてから塩を少し入れた水で茹で、粉ふきにしてつぶしておく。
3. タマネギはみじん切りにする。
4. フライパンに炒め油を入れタマネギを炒め、しんなりしたら鶏ミンチを加えて炒め、塩 コショウで味付けする。
5. 2と4がさめたら、よくまぜて6等分する。
6. 1のトマトに小麦粉をつけ、5で包む。
7. 6に小麦粉、溶き卵、パン粉の順でつけ、形を整える。
8. 揚げ鍋を用意して170度の油で7を揚げる。半分に切る。
9. ソースはマヨネーズ+ケチャップ(オーロラソース)かケチャップ+ウスターソースのどちらかを作る。
10. 付け合わせはお好みで

写真はせん切りキャベツとインゲンのソテーです。

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