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インターネット公開文化講座

文化講座

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野菜と果物の魅力について

ベジタブル&フルーツマイスター協会認定カルチャースクール講師
栄中日文化センター「野菜ソムリエに学ぶー野菜生活向上のススメ」担当
服部 佳世子

福島産「桃」の試食販売 「里芋」

9月といえば秋の入り口、とはいえ、まだ夏の暑さが残る頃、皆様には夏のお疲れが出ていませんでしょうか。
今年の夏は少々異常でした。6月の終わりから7月の初めにかけては真夏を感じさせるような日照り続き。梅雨も思わぬほど早く明け、いつもならいっぺんに夏がやってくるはずが、なんと意外に涼しく、過ごしやすかったように感じたのに・・・。それがどうでしょう、8月に入り立秋というのに、連日30度を超える猛暑がこれまた続き・・・と、体がついていきませんでした。
毎日外に出るのもおっくうでしたが、そこは頑張ってなるべく車を使わないように地下鉄で行動しました。
節電、節電と言いながらも施設に入ればどこも涼しく、冷房嫌いな私にとっては寒さを感じるぐらいでした。
そんな中、今回は風評被害を受けている福島産の「桃」の店頭販売のお手伝いをする機会をいただきました。
名古屋の郊外大府市にある「げんきの郷」で、JA伊達みらいさんの店長さんのお手伝いのお仕事です。

ある新聞の朝刊に、その日のイベントとして告知掲載されましたので、当日はオープン前から列を作って大勢の人に待っていただくことになりました。
4個入りのパック120個、8個入りの箱入りが70個用意されていましたが、なんと9時にオープンして1時間後の10時には4個入りが完売、そして11時には箱入りが完売、と、あっという間に売り切れてしまいました。
事前にいただいた緊急モニタリング検査結果の資料で少し勉強して、一応質問されたら答えられるようにと意気込んででかけたのですが、どなたも福島産だからやめようとか、買わないでおこうとか言われた方はいらっしゃいませんでした。最初は誰一人質問される方もなくホッとした反面、少々さみしくもありました。が、そのさみしさも一瞬のことで、なぜ皆さんが質問されなかったのかがすぐに分かりました。品種は「暁星」だったのですが、来てくださった方の中には3箱も買ってくださった方、また尾道のご親戚に送るからとか、ご主人のご出身が福島だからとたくさん買っていただいた方などがいらっしゃり、ああそうか、皆さん福島をそれぞれ気遣ってのご購入なのだと、じーんとした瞬間でした。とてもうれしかったです。
またこうしたイベントがあればぜひお手伝いさせていただけたらと思っております。

お隣のブースにはJAながののお野菜たちやあいち知多のハウスみかんが、どこも盛況でした。



さて、実は最近、慣れない新しいパソコンに振り回されています。
今まではノートパソコンを使用していましたが、今回からはデル社Windows7Professionalに買い換えました。デスクトップなので、何分にもパソコンに弱い私には要領がつかめず、日々大奮闘中です。ここまで文章を書いてきましたが、この時点で前回よりも随分時間を費やしております。(どんなパソコンも一緒といわれているようですが、基本を分かっていない私は感覚でしか覚えられないので、それはそれは大変な作業なのです。)


はてさて。またお話は変わりまして、先日名古屋の覚王山にある南信州のアンテナショップFarm Products Market の主催で「南信州野菜」を使ったお食事会に行ってきました。
場所は名古屋の丸の内にある「CLASSICO」CUCINA ITALIANAさんです。
ここは以前から南信州のお野菜を使っておいでだそうです。一度行ってみたかったレストランでしたから、当日はわくわくしながら参りました。なかなか予約の取れない人気のレストランなのですよ。
当日のお野菜はガブリエル(以前書かせていただきましたお野菜です。)、はなびら茸、ていざ茄子、鈴が沢きゅうりにトウモロコシ。メニューはこちらです。

Antipasto Freddo(前菜料理)
ガブリエルのムースと信州のお野菜
酸味をきかせたバーニャフレッタと活タコ添え

お皿に乗ったガブリエルのムースはまるでウニのような味わいでした。
タコが添えてありましたので、その磯の香りでさらにそう感じさせられたのかもしれませんね。とても素敵な演出です。

Primo(パスタ料理)
はなびら茸と自家製スモークリコッタチーズのタリオリーニ ブッロ・エ・バルミジャーノ

はなびら茸の食感とヒラヒラが可愛く、白きくらげを食べているようでした。
クリームソースがぴったり、とってもよくあっておいしい一皿でした。


Secondo(メイン料理)
ガブリエルと雛鶏のロースト
ガブリエルのエッセンスのスーゴ
ていざ茄子のグリル添え

雛鶏のローストには、ガブリエルをローストした時に出るスープを使ったソースが、これが何とも言えない品の良いソースになり、とてもおいしい一品でした。ていざ茄子のねっとり感のある味も一役かって、お皿の上で素晴らしいハーモニーを作り上げていました。


Dolce(デザート料理)
信州産トウモロコシ"ゴールドラッシュ"のクリームブリュレ
黒胡椒のジェラードとトウモロコシのテーゴレ添え

トウモロコシの甘さが口の中でぱっと開き、その甘さの中に黒胡椒のジェラードが爽やかな香りを運んでくれるとても居心地の良いデザートでした。
すべて申し分のないおいしさでした。それぞれのお野菜を、気持ちの良い状態で扱っておいでなのが一品一品にあらわれているようで、思わずシェフに拍手を送りたい気持ちでした。(素人のわたしがそんなことを言っては失礼ですね、ごめんなさい)
それに加えて野菜ソムリエでもありアナウンサーの川本さんの司会とお野菜の説明がありましたが、こちらもさすがプロでいらっしゃいます、野菜ソムリエとしての知識の深さと素敵なトークに、お料理の手を休めて聞き入ってしまうこと、たびたびなのでした。本当に楽しいひと時を過ごさせていただきました。また足を運びたくなるお店です。
Farm Products Marketの店長さん、この度もお誘いいただきましてありがとうございました。

ところで皆さん、今月は仲秋の名月です。里芋をお供えしてみませんか。
普通はお団子をお供えするかと思いますが、我が家では「いも名月」といって里芋をお供えすることもあります。
そんな里芋にスポットを当ててみましょう。


『里芋』

主要14品目の一つで稲の渡来より古いといわれ、お正月や十五夜に供える「ハレ」の食べ物

【分 類】 サトイモ科 サトイモ属
【名前の由来】 山芋に対し、里で作る芋として里芋と呼ばれるようになりました。
【原産地】 インド東部からインドシナ半島
【おいしい時期】 10~12月
【栄養/機能性】 ミネラル類がバランスよく含まれています。
カリウムがナトリウムを体外に排泄することによって血圧を下げて高血圧の予防や改善に効果的といわれています。
カルシウムとともにマグネシウムが骨を丈夫にしてくれるといわれています。
が貧血の予防に効果的といわれています。
亜鉛が味覚の発達を促すのに効果的といわれています。
が欠乏すると悪性貧血を招くといわれています。
ビタミン類ではビタミンB1が多く含まれています。
ビタミンB1は糖質がエネルギーになるときに働くビタミンです。糖質を多く含む食材に豊富に含まれています。
・ほかの脂溶性ビタミン類は多く含まれていませんが、1度に食べる量が多い特徴を持っているので栄養摂取量は比較的多くなるといわれています。
特に食物繊維が豊富に含まれています。
マンナンは水溶性食物繊維で便秘の予防、肥満防止、糖尿病予防、コレステロール低減作用があるといわれています。
糖タンパク質は胃の粘膜を保護したり、肝臓や腎臓の働きを助けたり、細胞を活性化して老化を予防するといわれています。
ガラクタンは腸の働きを活発にして便通をよくしたり、血糖値や血中コレステロールを低下させ、生活習慣病の予防に効果的といわれています。

【種 類】

土垂(どだれ) 子芋用で、ごろんとした楕円形の関東に多い品種。粘質で柔らかく貯蔵性が高いので、一年中出回るが旬は初秋。
石川早生 子芋用。8~9月には市場に出る。土垂に比べるとやや小ぶりで丸く、淡泊な味わい。かるく水洗いし、蒸して「きぬかつぎ」に。
えぐ芋 子芋用。石川早生によく似ているが、名前の通り味にえぐみがある。品質としては他の子芋には劣る。
京芋 親芋用。名前とは異なり、主産地は宮崎。姿が似ているというので、別名竹の子芋ともいわれている。ほくほくしているが、煮崩れしにくいので煮物に。
赤芽芋 親芋も子芋でも食べられる品種で、芽の部分が赤いのが特徴。九州地区の赤土で栽培され、皮肌も褐色で赤みがかっている。粘りがあって柔らかく、煮物にむいている。
セレベス 親芋も子芋も食べられる品種。インドネシアのセレベスから伝来したもので、大吉とも呼ばれる。土垂よりやや長く、皮肌の一部が赤い。粘質で味はよいが煮崩れしやすい。。旬は11~12月。
八つ頭 親芋用。一つの種から芽が八方に突き出るのでこの名がついた。末広がりの八と、これを食べると人の頭に立てるとして、正月のおせち料理にされる。水分がすくなく粉質。
芽芋 里芋の芽を軟白栽培し、長く育てたもの。初秋~4月ぐらいまで出回る。煮物、酢の物などに。
ずいき 里芋類の葉柄を柔らかく栽培したもの。皮肌の赤いものをずいき、または赤ずいきととよぶのに対し、軟白栽培したものをしろだつ、または白ずいきとよぶ。また青ずいきの別称をもつはす芋は葉柄を収穫するための専用種で、芋は食べない。


【保存方法】 土の中に埋めておけば長期間保存が可能です。乾燥を防げば常温でもかなり長くもちますので湿らせた新聞紙に包んでおきましょう。
低温に弱いので冷蔵庫の保存は避けましょう。
真空パックがしてあるものでも傷み易いので、2~3日のうちに使い切りましょう。
【選び方】 シマの模様がくっきりと出ていて、皮にキズや芽がなく適度な湿り気のあるものを選びましょう。
ゴルフボールよりやや大きめまで生育したものを選びましょう。
日持ちがよく味も保たれるので、泥つきのものを選ぶとよいでしょう。
【用途/調理】 煮物にする際、直煮もできますが、ぬめりを除いたほうが味がしみ込みやすくなります。
水で泥を洗い落とし、重ならないように広げて、乾かして皮をむくとすべりにくくなります。またかゆみを防ぐには、手に重曹または塩を付けるとよいでしょう。
ぬめりは、皮をむいた後塩もみするか、いったんゆでて、さっと洗うと取れます。
コメのとぎ汁でゆでると、白く柔らかくゆであがります。
きぬかつぎ、田楽、汁の実、炒めもの、揚げ物、ご飯ものなど、和風や中華風の料理に向きます。
白ずいき、赤ずいきはアクが強いので、切ったらすぐに酢水につけ、酢水でゆでてからさらに水にさらし、アク抜きをするとよいでしょう。


ちょっと鍋には早い季節ですが、私の思い出の鍋です。これは叔父がよく作ってくれた一品です。おすすめは、やはり名古屋コーチンを使ったもの。最高の味になりますよ。

里芋と名古屋コーチンの味噌鍋

材料 (2人分)

里芋 ...400g
名古屋コーチン ...300g
しめじ ...50g
まいたけ ...50g
生しいたけ ...70g
糸こんにゃく ...100g
ねぎ ...2本

【A】
 赤味噌 ...100g
 砂糖 ...50g
 酒 ...50g
 だし汁 ...600cc
 卵 ...2個

作り方

1. 里芋は皮をむき、2センチぐらいの半月に切り、耐熱皿に並べラップをかけ、電子レンジで5分チンします。(竹串が刺さる程度が目安です)
2. 名古屋コーチンは里芋の大きさに切ります。
3. しめじ、まいたけは手で裂いておきます。生しいたけは他の材料に合わせます。
4. 糸こんにゃくは水から入れて下茹でして適宜に切ります。
5. ねぎは2センチ位のぶつ切りにします。
6. Aを火にかけて合わせておきます。
7. 卓上に鍋を用意して、6を入れ、煮立ったところに1、2、3、4、5の材料を入れて煮ます。卵を器に割り、すき焼きを食べるようにして食べます。(よく煮てから食べるのがポイントです。その方が、味がしみておいしいです。)


野菜と果物の魅力について
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