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野菜と果物の魅力について

ベジタブル&フルーツマイスター協会認定カルチャースクール講師
栄中日文化センター「野菜ソムリエに学ぶー野菜生活向上のススメ」担当
服部 佳世子

★「節分」と「フキ」

2月如月、一年のうち一番寒いといわれるもののなんとなく肌で春を感じられるのもこの季節です。
スーパーの店頭には山菜、エンドウ豆など春の香りのするものがチラホラ見うけられます。
我が家の庭には梅が咲き、遅まきながら蝋梅がやっと咲き出しました。
早咲きの川津桜が、今か今かと蕾を一杯膨らませて開花を待っています。鶯が下手な音を奏でて楽しませてくれています。なんともほほえましい光景です。

2月といえばまず節分「鬼は外、福は内」
3日の夕方から夜にかけ、どこの家ともなく聞こえてくる言葉。
子供のころはよく聞くことが出来ましたが、最近では豆まきをするお家も少なくなりました。
それでも恵方巻きは食べるのですよね・・・・
これがアップされるころはもう終わっていますね。
それでもちょっと節分について勉強してみましょう。

そもそも節分(せつぶん、またはせちぶん)とは
・各季節の始まりの日(立春・立夏・立秋・立冬)の前日のこと。節分とは「季節を分ける」ことをも意味している。特に江戸時代以降は立春(毎年2月3日ごろ、うるう年は2月4日ごろ)の前日のことを指す場合が多い。
過去の節分の行事は宮中での年中行事であった。延喜式をひも解くと、宮中ではこの日、彩色した土で作成した牛と童子の人形を大内裏の各門に飾ったもの。もともと、この節分の鬼を払う悪霊ばらい行事は、平安時代頃から行われている「追儺」(ついな)から生まれた。
・近代から、上記に述べた年中行事が廃れ、節分当日の夕暮れ、柊の枝に鰯の頭を刺したもの(柊鰯)を戸口に立てておいたり、豆撒きをしたりするようになった。一部の地域では、縄に柊やイワシの頭を付けた物を門に掛けたりするところもある。これは、季節の変わり目には邪気(鬼)が生じると考えられており、それを追い払うためである。
邪気を追い払う為に、この節分には古くから行事が執り行われている。
・豆を撒き、撒かれた豆を、自分の年齢(数え年)の数だけ食べる。また、自分の年の数の1つ多く食べると、体が丈夫になり、風邪をひかないという慣わしがあるところもある。豆を撒くことには、鬼に豆をぶつけることにより、邪気を追い払い、一年の無病息災を願うという意味合いがある。寺社が邪気払いに行った豆打ちの儀式を起源とした行事であり、室町時代の書物の記載事項が最も古い記載事項から少なくとも日本では室町時代以降の風習となっている。初期においては豆は後ろの方にまくことが始まりだった。 (出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)

我が家では節分のご馳走は年越し(12月31日)と同じです。
何を食べるのかと言いますと・・・・
尾頭付き丸干し鰯、
大根、里芋、牛蒡、焼き豆腐を別々に炊いて盛り付けたもの、
餅菜の味噌汁
とても質素でしょ。
しかしなかなかよい食事だと思いませんか?
野菜もとれ、たんぱく質もあり、今、見直されている日本型食事に当てはまるのではないでしょうか。
これではお腹が空いてしまいそう・・・・・そう子供のころはよく思いました。
親が何かしら別のものも用意しておいてくれましたのでひもじい思いはしなくてすみましたが・・・
そんなことも遠い昔、今では喜んで食べています。懐かしい味です。

さて、1月の終わりに人参の収穫のお手伝いにいってまいりました。
(愛知の伝統野菜「木之山五寸人参」大府市)
雪が時々舞う、とても寒い日でした。
人参をひっこ抜く作業は腰にきます。
抜いた人参の葉っぱを落とす作業は、畑に座布団のようなものを用意して、そこに「よっこらしょ」とおしりを置き、一本づつナイフで切り落としていきます。
このとき気をつけないと新鮮すぎて、すぐパリッと亀裂が入ってしまいます。
小さいものあり、面白い形をしたものありで見ているだけでも楽しかったです。
コンテナを一杯にして収穫終了。私達の作業はここまでですが、そこから農家の方は売れるもの、売れないものの選別などをして市場に出すご苦労があり、まだまだ大変です。

このときフキの農家さんに、たくさん蕗いただきました。(愛知の伝統野菜「愛知早生」大府市)
レシピはまだ試作中です。

ということで、今回は数少ない日本原産の野菜の一つ、「フキ」にスポットをあてましょう。

★『フキ(蕗)』
野菜、山菜の両面性を持つ植物です。
平安時代から野菜として栽培されていますが、今でも全国の野山に自生しているので、4~6月に若い葉柄(ようへい)を採って山菜として楽しむ事も出来ます。
※フキノトウ=春一番にでてくるフキの蕾
  【分類】
    キク科 フキ属
  【原産地】
    日本
日本原産で近縁種の少ない独特の野菜です。
サハリン、朝鮮半島、中国の一部にも自生しています。
  【名前の由来】
     「冬葱(ふゆき)または冬黄(ふゆき)」で、冬にでる浅葱色の植物(または冬に黄色い花が咲く)という意味です。
  【美味しい時期】
    4~6月 (露地物の旬は野生種と同様)
最近ではハウス物が通年で回っています。
  【栄養/機能性】
   
  • ビタミン類 特にA,B1等を比較的多く含んでいます。
  • カリウム、カルシュウムなどのミネラルもふくまれ、特にカリウムには利尿作用があるといわれています。
  • アルカロイド(特有の香りとほろ苦さの成分)が人の新陳代謝を促進するといわれています。
  • サポニンやタンニンの苦味成分は消化を助け食欲を増進させる効果あるといわれています。
  【種類】
   
野生種 ... 日本全国の野山に自生しています。(近年は開発で数は減っています。)やや日陰で水分の多い場所を好むようです。こうした場所で出来たフキは柔らかくおいしいとされています。
葉柄の赤い赤ブキと緑色の青ブキがあり、青ブキの方が苦味が少ないといわれています。
栽培種 ... 柄が太くて長いわりに、繊維が少なく苦味の少ない種類が"野菜"として栽培されています。
愛知早生フキ ... 尾張フキとも言われています。現在市場に出回っているのはほとんどがこの品種です。
水フキ ... 京フキとも言われています。京都と奈良で栽培されています。柔らかくて苦味が少ないです。
秋田フキ ... 秋田の名物になっている巨大なフキ。柄の長さが2m、葉の直径は1mに達するとか。北海道のラワンブキから分化したともいわれています。硬いので野菜として出荷されることはなく、加工して砂糖漬けの和菓子として出回ります。
  【保存方法】
    葉を切り落としてラップなどでくるんで冷蔵庫の野菜室に。
生のままよりも茹でて保存したほうがよいでしょう。
  【見分け方】
   
  • 新葉が伸びきっていて、手に取ったとき、しならず、緑色が濃いものを選びましょう。
  • 真ん中が親指大くらいの太さまでの茎が柔らかく、旨みがあるようです。
  • 切り口が新鮮で、太すぎないものを選びましょう。
  【用途/調理】
    下ごしらえ=葉柄は鍋の大きさに合わせて切り、塩で板ずりして茹で、冷水にとり、冷水の中でスジをむくとうまくとれます。
煮もの、ごま和え、炒め物、キャラブキなど
  【一言】
    葉は苦味が強いのですが、茹でてから水にさらしてアク抜きし、みじん切りにして佃煮にするとご飯の箸休めに最適です。

さて、贅沢で濃厚なスープをご紹介いたしましょう。

マッシュルームのスープ

材料   4~5人分
  マッシュルーム・・・・・・・・ 400g
  タマネギ・・・・・・・・・・・・・・ 200g
  バター・・・・・・・・・・・・・・・・ 30g
  白ワイン・・・・・・・・・・・・・・ 1カップ
  水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1カップ
  スープの素・・・・・・・・・・・・ 2個
  牛乳・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1.5カップ
  生クリーム・・・・・・・・・・・・ 1/2カップ(他に飾り用の生クリーム)
作り方
  1、 マッシュルームはうす切りにしておきます。その内飾り用に8切れ残しておきます。タマネギは短いせん切りにします。
  2、 フライパンにバターを入れ、飾り用のマッシュルームをソテーします。取り出したら「1」をよく炒めます。
  3、 白ワインを加え、アルコールをとばします。 そこに水とスープの素を加え溶かします。
  4、 ミキサーに「3」を入れ、混ぜます。
  5、 鍋に移し、牛乳を入れます。余り煮立てないよう注意しましょう。塩、コショウで味つけをします。
(すでにスープの素で味がついているので、加減には気をつけてください。)
  6、 出来上がりに生クリームを入れて火を止めます。
  7、 お皿に注いで、上から生クリームをかけ、飾り用のマッシュルームを上に浮かべます。
(パセリのみじん切りでもよいです)

濃厚なスープで寒い冬のブランチに!!    いかがでしょう?
安いマッシュルームを見つけたら作ってください。


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