文化講座
★ 春と山菜
春は私達のすぐそばまで来ています。
つい最近「あけましておめでとうございます」と言ったばかりなのに
はや3月も半ば、まさに光陰は矢の如しです。
春が近づくと、体は活発に活動するための準備を始めます。冬の間眠っていた体の細胞が、目覚めるために必要な栄養素を求めはじめます。ここで活躍するのが、アスパラガス、ゼンマイやワラビ、ウドなどといった、『芽のもの』と呼ばれる春野菜です。これらに含まれる『アルカロイド』と呼ばれる苦味成分には、ぼんやりしている細胞や組織にカツを入れ、新陳代謝をアップする効果が期待できます。
すなわち春の野菜は身体を目覚めさせ、体調を整える効果あるのです。
身軽になったわたしたちは自由に動き回りたくなりますね
どうですかお花見なんて・・・・
我が家の河津さくらは2月の終わりに満開になり一足先にお花見をいたしました。
猫の額のような庭に植木鉢に植えられ、なんだか息苦しそうですが今年も頑張って楽しませてくれました。ありがとうございました。
私は花より団子
そうそうおひな様に「おしもん」 "愛知県(尾張・三河)で桃の節句に供えられるお菓子の一種" をつくりました。
米粉に熱湯をかけて、熱いのを我慢してよく練っていきます。丁度耳たぶぐらいの柔らかさになるまで練り上げるこの作業。手は赤くなるし大変なことです。
そのうちから少しを取り出して、緑、黄色、赤の食紅を使って染めておきます。
色々な型を用意して、米粉をつけて払い落とし、そこに適当に赤、緑、黄色の生地を置いて、上から白を全体に置いて抜きます。よく湯気のたった蒸し器に入れて15分ほど蒸します。蒸しあがったばかりのものにお砂糖をつけていただくのが最高に美味しい食べ方(私の好みです)だと思っていますが、冷めてから、焼餅と同様に食べるのが普通の食べ方でしょうか・・・・・!!
今年は従姉妹と一緒に宵節句を楽しみました。
さて、2月の毎土曜日に「地産地消入門講座 ~地元の旬の野菜を食す~」をという実習を含む
講座を行いました。
生徒さんは21名。初回はパワーポイントを使って地産地消のお話をさせていただきました。男性が
5名もいらして熱心にメモを取られているのが印象的でした。
続く3回での料理実習では、皆さん座学の時とは違った顔つきで、とても生き生きと楽しんでおいで
でした。日を追うたびに要領もよくなり、最後の日にはグループごとにもっとこの講座が続かない
の?などとおっしゃりながら、名刺交換をされるなど、和気藹々のうちに終わることができました。
この講座で使用する、旬の野菜を求め、毎週"げんきの郷"(産直の施設)に買出しに行ったのもいい経験になりました。
げんきの郷 ・・・・・・・・・・・・・愛知県大府市吉田町正右エ門新田1-1
今回は春野菜の代表選手「山菜」をいくつかご紹介いたしましょう。
★『山菜』と『野草』
雪解けがはじまるといっぺんに萌え出す山菜たち。
苦味成分のアルカロイドによって、私達の体の細胞に活力を与えてくれます。
冬の眠りから体を目ざましてくれ、春にはなくてはならない自然が与えてくれる産物です。
たらの芽 |
【分類】 ウコギ科 タラノキ属 |
若芽を食用に、香りと適度なほろ苦さ、こくが魅力で山菜の大様とも。 てんぷらなどに。 |
ぜんまい |
【分類】 ゼンマイ科 ゼンマイ属 |
葉の巻いた若芽をアク抜きして乾燥品にする。 もどして煮もの、炒め物などに。 |
ふきのとう |
【分類】 キク科 フキ属 |
ふきの花芽。栽培ものより香りは高く、アクも強い。重曹でゆでると苦みが抜ける。ふき味噌、お味噌汁に。 |
山うど |
【分類】 ウコギ科 タラノキ属 |
栽培ものより香りが高く、独特の苦みがある。30~40cmくらいが軟らかい。 |
こごみ |
【分類】 オシダ科 クサソテツ属 |
若芽を食用に。軽いぬめりと甘み、歯切れのよさが魅力。ゴマと相性がよい。 |
うるい |
【分類】 ユリ科 ギボシ属 |
おおばぎぼしとも呼ぶ。若葉をゆでるとぬめりがあり、歯ざわりもよい。 |
こしあぶら |
【分類】 ウコギ科 ウコギ属 |
日当たりのよい林、河岸に自生。若芽を食用。香りとこくがあり、ほろ苦い。 |
しおで |
【分類】 ユリ科 シオデ属 |
若芽を食用にする。ほのかな甘みと歯ごたえに魅力があり、山菜の女王として珍重。 |
わらび |
【分類】 ワラビ科 ワラビ属 |
指先が黒くなるほどアクが強い。アク抜きしてお浸し、あえ物などに。 |
のぶき |
【分類】 キク科 フキ属 |
野生のふき。栽培ものより香りもアクも強い。細茎をゆでてから佃煮などにする。 |
もみじがさ |
【分類】 キク科 コウモリソウ属 |
しどけともいう。独特の香りと苦みがあり、歯ごたえもよい。てんぷら、お浸しに。 |
かたくり |
【分類】 ユリ科 カタクリ属 |
若い茎、葉、花、根茎を食用にする。ゆでるとぬめりがあり甘い。あえ物などに。 |
つくし |
【分類】 トクサ科 トクサ属 |
穂が締まり、太く短いものが良品。はかまを取り、ゆでてさらしてアク抜きを。 |
のびる |
【分類】 ユリ科 ネギ属 |
早春の葉と地下の鱗茎を食用に。にんにく臭があり、特有の辛みはゆでると甘みに変化。 |
行者にんにく |
【分類】 ユリ科 ネギ属 |
えぞねぎとも呼ばれ、若い茎葉と球根を食用に。にんにく臭があり、スタミナ源にも。 |
やぶれがさ |
【分類】 キク科 ヤブレガサ属 |
葉の開ききらない新芽を食用に。やわらかでアクも少ない。てんぷら、あえ物に。 |
【栄養/機能性】 | ・野菜より栄養価は高いことが多いといわれています。 ・山菜類のほとんどが緑黄色野菜の仲間、ビタミン類やミネラル類や食物繊維などを多く含むものが多い。しかしクセがあるため大量には食べられないので、過度な期待はできません。 ・一般に山菜はアクの強いものが多い。アクの正体はほとんどがポリフェノール類であるため、抗酸化作用があり、ガン予防や動脈硬化を抑制して老化を遅らせるのに効果的といわれています。 |
( 一言 ) | 適量を食べれば、他の野菜には見られない機能性を発揮する山菜ですが、食べすぎると口や胃の粘膜を障害するなども出てくるようなので気をつけましょう。
栄養を期待して食べるというよりも、その山菜からしか得られない独特の味や風味を楽しんだり、その時期にしか食べられない季節感を味わっていただきたいものです。 |
【保存方法】 | |
「干す」 | ぜんまいは古来から灰汁でゆでて、天日干しにして保存してきました。日に数回手で揉み、カラカラに干しあげるのに3日はかかる。揉むことで繊維が柔らかくなるという。 他にわらび、かたくりなどもさっとゆでてから干して保存する。 |
「もどしかた」 | 干しぜんまいは水に入れて弱火で手が入るくらいに温め、手でもみほぐす。水を替えて3回ほど繰り返すと柔らかくもどる。わらび、かたくりはぬるま湯に一晩つけ、さっとゆでる。 |
「漬ける」 | アクの少ない山菜の保存は塩漬けが一般的。さっとゆでてから多めに塩をふり、重石をして冷暗所に保存すれば1年はもつでしょう。重石はきついほうがよく、山菜の重さの2倍以上がよいといわれています。 |
【用途/調理】 | |
「わらびのアク 抜き」 |
わら灰やいろりの灰をつかうとアクがほどよく抜け、緑色が冴え、粘りを含んだ独特の歯ごたえになります。
1.すぐに茎の根元に灰をまぶしておくと硬くならない。 2.全体にわら灰をふりかける。 3.沸かした湯をわらびが浸るまで注ぎ、落しぶたをして一晩おく。 4.朝なら夕方までおけばよい。このあと水洗いして使う。 |
(一言) | アクの少ない山菜でも時間がたつとアクがまわります。できるだけ早くさっと下ゆでしておくとアク止めになります。色、歯ごたえが残る程度に軽くゆで、冷水で手早く冷やし、水きりして冷蔵すれば2,3日は美味しくたべられます。山菜の調理はてんぷら、お浸し、あえ物、炒め物などに。アクがあるものが多いのでまずてんぷらが一番簡単な方法です。 参考資料 講談社 旬の食材 春・夏の野菜より |
今回も簡単にでき、お弁当にもご利用していただける「ネギの豚肉ロール」をご紹介いたします。
先日地産地消の料理教室で好評でした。
ネギの豚肉ロール
材料 6人分 | |||
ねぎ・・・・・・・・・・・・・・ | 3本 | ||
豚肉・・・・・・・・・・・・・・ | 400g | ||
塩、コショウ | |||
片栗粉 | |||
オリーブオイル | |||
バルサミコ酢 |
作り方 | ||
1、 | ネギは洗って15センチ位の長さ(フライパンに入る長さ)に切っておきます。 | |
2、 | まな板に豚肉を並べ塩、コショウをして、片栗粉を茶漉しでふりかけて、ねぎを巻いていきます。上から再び塩、コショウをします。 | |
3、 | フライパンにオリーブオイルをいれて、火をつけ1の肉の両面に焦げ目をつけます。中火にして、フタをかぶせてネギが柔らかくなったら出来上がりです。 | |
4、 | 1本を3つに切りお皿に並べ、お皿の周りをオリーブオイルとバルサミコ酢で飾ります。最後にピンクペッパーを散らすときれいです。 |
お弁当の場合は焼いたロールに醤油、みりん、砂糖、酒(あわせる調味料は好みで)などを絡めます。