文化講座
「雑学」「白菜」
2月といえばやっぱり冬季オリンピックで盛り上がりますね。
正式名は第22回オリンピック冬季競技大会で、今年はロシアのソチで開催されます。
2014年2月7日~2月23日までの17日間です。
日本がメダルをどれだけ獲得するのか、今から楽しみです。多くの人たちと同じく、私もきっと眠くてもテレビの画面にくぎづけになることでしょう。
それにしても、まだ先だと思っていたオリンピックも間近・・・ということは、もう2月なのですね。
毎年思うのですが1月ってどうしてこうも早くに過ぎてしまうのかしら、除夜の鐘を聞いたのはつい2、3日前だったような気がしている私ですのに。
そうそう、私のように皆さんも1年ってなんだか早く過ぎるものだなあ、と感じることがありませんか?
子供の頃は1年がとても長く感じられ、早く来い来いお正月なんて口ずさんだ記憶があります。それがどうでしょう!今となっては早く過ぎてくれお正月です。
こういったような感覚、つまり子供の時は日にちが長く感じられ、大人になると短く感じることをジャネーの法則というそうです。
ジャネーの法則については、我が家の檀家寺で昨年12月の法話の時、方丈様から伺うことができ私も初めて知りました。私は毎月第3日曜日に檀家寺に参拝にあがります。その時、お経が上がる前に方丈様がその時々に見合ったお話をされるのですが、前述のように私はジャネーの法則については全く知りませんでしたので、帰って早速パソコンで調べてみました。
ジャネーの法則(ジャネーのほうそく)は、19世紀のフランスの哲学者・ポール・ジャネが発案し、甥の心理学者・ピエール・ジャネが著作で紹介した法則。主観的に記憶される年月の長さは年少者にはより長く、年長者にはより短く評価されるという現象を心理学的に解明したもの。
簡単に言えば生涯のある時期における時間の心理的長さは年齢の逆数に比例する(年齢に反比例する)。というもの。
例えば、50歳の人間にとって1年の長さは人生の50分の1ほどであるが、5歳の人間にとっては5分の1に相当する。よって、50歳の人間にとっての10年間は5歳の人間にとっての1年間に当たり、5歳の人間の1日が50歳の人間の10日に当たることになる。
ジャネーの法則. 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』.
なるほど、自分が長年抱いていた「感覚」の謎が少し解明された気がしました。
第3日曜日はこうしたためになる様々なお話が聞けるので、なるべく欠席しないように努めて行くことにしています。
しかし、去る1月は恒例の大般若があり、当然檀家の私たちはその恩恵を受けに参拝にあがりましたから、残念ながら方丈様のお話はお休みでした。今月2月はまた通常に戻りますので、方丈様からどんな興味深いお話が聞けるか楽しみです。
せっかくですので、大般若についても少しご紹介しましょう。
大般若経とは、正式な名前を「大般若波羅蜜多経」といいます。
今から1300年以上前に中国(唐の国)の三蔵法師玄奘(さんぞうほうしげんじょう)という僧侶が16年の間旅をしてインド(天竺)から持ち帰り、その後4年を費やして翻訳(漢訳)したという、小品般若、大品般若、金剛般若、文殊般若、秘密般若、理趣般若などさまざまな般若部経典の大全集で、その数は何と600巻に至ります。
内容は、「般若波羅密」と訳される"悟りに至る智恵"を説く諸経典を集成したもので、「色即是空 空即是色」、一切の存在はすべて空であるという空間思想を説いているとされています。
この法要は、導師が説草を唱える合間に、大般若経600巻を複数の僧侶で転読(てんどく)し、地区の安全、五穀豊穣、また地区住民の厄災消除、家内安全を祈願するものです。転読とは、経本を1巻1巻正面で広げ流し読むことで、それによって清らかな"般若の風"が起きるとされています。
また、それぞれの僧侶が、1巻1巻「大般若波羅蜜多経 巻第○○(巻数) 唐三蔵法師玄奘奉詔訳ー!!」と、大音声で経巻数を唱え、最後に「調伏一切大魔最勝成就!」と唱え、締めくくります。
大般若転読会. 出典: 『江寄山常福寺ホームページ』.
こんな感じです。そして1年間無事に過ごせるようにと、その教本で一人一人の頭、肩を抑えてくださる、ありがたい新年の行事です。
教本つながりで、もう一つ、1月に新たなことを知りましたのでそちらもご紹介したいと思います。皆さん、本、つまり書物に押される蔵書印なるものをご存知ですか?
私が蔵書印について知ったきっかけは猫柄のネクタイでした。何のことかって?それはこういうお話なのです。
昨年伊勢に住む友人の息子さんが遷宮についていろいろ調べてくださったり、絵馬やカレンダー、一刀彫の馬の置物を送ってくださいました。
そのお礼にとネクタイをお送りしたのですが、その際に私が選んだのが、猫柄のネクタイでした。
模様の猫が、あっちを向いたり、こっちを向いたりして面白みのある柄でしたので、個人的に気に入りお送りしたところ、とても喜んでくださったのです。
というのも彼は今、東京立川市にある国文学研究資料館にお勤めで、蔵書印に関するお仕事をしておいでなのですが、その中に猫の蔵書印があるということで、たいそうお喜びでした。蔵書印なるものがよくわからない私ですが、聞くところによるといろいろな蔵書印があるそうです。
蔵書印なるものについて、詳しいことを知らずに選びお送りした私でしたが、そのお話をお聞きしとても嬉しくなりました。聞くところによるといろいろな形態や特徴を持つ蔵書印があるそうです。因みに犬の蔵書印はないそうですよ。犬好きの人は少し残念かもしれませんね・・・・
ここでもせっかくなので、この蔵書印について調べてみました。
蔵書印とは
蔵書印は、書物の所蔵を明らかにするために蔵書に捺した印影です。中国で早くに発生し、それが日本に伝わってきたとされています。しかし、日本最古の蔵書印は奈良時代にまで遡ることができますが、いつ、どのように伝わったかは明らかでありません。ともあれ、以来、江戸時代中期までは社寺や特権階層の者など、極めて限られた人々しか使用することはありませんでした。ところが書物が一般に流通するようになると、学者や文人の蔵書家が出現し、趣向を凝らした多種多様な蔵書印が考案され、用いられるようになりました。
蔵書印にはさまざまな形態があり、それらを使用した時代や機関の種類、個人であれば職業、身分などによってそれぞれ特徴が表れています。大名が使用したものは威風堂々としていますし、文人のそれには印文や意匠に凝ったものが見られます。そして、全ての蔵書印には、それらの所有者の心底に愛書精神が必ず伏在しているということを、その意匠や印文から窺い知ることができます。
私たちは、蔵書印を調査することにより、蔵書印が捺されている書物の来歴を知ることができると同時に、その書籍の価値をおおよそ判断することもできます。また、蔵書印を手掛かりに当該の書籍に関係した人物や機関の蔵書の概要を知ることも可能です。
蔵書印. 出典: 蔵書印の世界 電子展示会-日本の記憶-.
http://www.ndl.go.jp/zoshoin/zousyo/zousyoin.html
こうして1月を振り返ってみると、ばたばたしながらも、たくさんの新たなことを知ることができた気がします。新年スタートとしてはなかなか意義深い月になったのではないかと思います。
さて、このたびのしめのお話は、やはり食べること、食のお話にいたしましょう。
この2月に行う予定の料理教室の献立をお見せしますね。
寒い冬の終わりの2月だからこそ、来る春の訪れを意識してみました。鮮やかな野菜・果物の色が春を待ちわびているようでしょう?
続いては、お呼ばれした際に振舞っていただいたお料理たちです。
叔母の13回忌でのお食事です。
それぞれに盛り付けが考えられていて、見た目に美しく、食べてなお一層美味しく、楽しませていただきました。ご馳走様でした。
ところで、暮れから年明けにかけての私の恒例行事である卵巻と伊達巻作りですが、こちらもなんとか無事配り終わりました!後半は睡眠不足がたたり、運転に注意が必要なこともありましたが、ああ、これでようやくほっと一息つけます。
あっという間の充実した私の1月は、こうして過ぎていったのでした。
冬に作る定番料理といえばやっぱり鍋ですね♪今回は心もからだも温かくなるこの鍋料理に欠かせない白菜にスポットを当てましょう。
『白菜』 | 大根、かぶらとともに冬の三白の一つに数えられる野菜です。 日本で白菜といえば大抵結球したものを指しますが、半結球や不結球タイプもあります。 |
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【分類】 | アブラナ科 アブラナ属 |
【原産地】 | 中国 漬け菜の仲間から中国で発見された発達した葉菜です。 |
【歴史】 | 日本へは不結球性の品種が江戸時代後期に渡来し、結球性の品種は幕末の1866年に初めて導入されたといわれています。 日清戦争後に中国から持ち帰られた品種が改良され、第二次大戦前から主要野菜としての地位を築いてきました。しかし、近年では国内における食生活の洋風化の影響などもあり、家庭で白菜漬けをする機会も減り、近年作付面積は減少しています。 |
【名の由来】 | 名前は中国名「白菜」に由来。英名ではキャベツのように葉を巻き込む形状から、チャイニーズキャベツ(中国のキャベツ)と呼ばれています。 |
【種類】 | 霜降り白菜・・茨城白菜栽培組合が育種。耐寒性が強く、通常は種をまいてから60日で収穫するが、それよりも20~120日遅く収穫する。
何度か霜に当たると甘味が増します。根こぶ病に強く、その予防農薬を使用しないで栽培できる。 円筒型白菜・・頭部の葉が重なって結球する包被型で、日本で最も多く出回っているタイプ。内側の葉が黄色みを帯びた黄心型が最近の支流です。
愛知、松島、CR新黄など、品種の大半はF1(一代雑種)です。 竹の子白菜・・長さ40~50㎝ほどの長円筒形をしている姿が竹の子に似ていることからこの名がつきました。
中国山東・河北省原産で中国名は紹采(シャオツァイ)と呼ばれています。葉肉がかたく、煮崩れしにくいので煮物に向いています。 ミニ白菜・・・・少人数向きに開発された小型品種。普通品種が3~4kgあるのに対して、これは1kg前後で内部は濃黄色です。
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【栄養/機能性】 |
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「ソムリエのひとこと」ビタミンCを逃さないために全体にとろみをつけて、煮汁も一緒いただくといいですよ | |
【選び方】 |
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【保存の仕方】 |
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【用途/調理】 |
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参考資料:旬の食材 秋・冬の野菜 講談社
白菜の簡単にできる箸休めをご紹介いたしましょう。今回は原産地にちなんで、中華風の味付けにしてみました。
「中華風白菜のさっぱり漬け」
材料(6人分)
白菜(白い部分) | 300g |
ごま油 | 小さじ2 |
サラダオイル | 大さじ1 |
【調味料】 | |
砂糖 | 大さじ2 |
酢 | 大さじ2 |
薄口醤油 | 大さじ2 |
鷹の爪(種を出して小口切) | 1本 |
作り方
1. | 白菜の白い部分を太めのせん切りにし、さっと茹でておきます。 |
2. | 調味料をすべて鍋に入れ、ひと煮たちさせてから、ごま油、サラダオイルを混ぜておきます。 |
3. | 1の白菜を軽く搾り、熱いままの2と合わせ、混ぜます。 |
そのままいただくのではなく、冷やしていただきましょう。その方が美味しいですよ。
ビタミンCを逃がさないために、お鍋はもとより、お味噌汁に入れたり、
クリームシチュウなどに入れたりするといいですよ。