文化講座
「さやえんどう」「さやいんげん」
春の日差しを受けて、スーパーにはいっぺんにエンドウ、インゲン、ソラマメ、グリンピースなどが並ぶようになりました。豆類といえば皆さんは何がお好きでしょうか・・・?ということで、今回は春野菜である豆類「さやえんどう」と「さやいんげん」にスポット当てることにしましょう。「ソラマメ」については2010年5月に記載させていただきました。
ですので「枝豆」についてはまた後日に記載させていただくことにして・・・・
「さやえんどう」
【分 類】 | マメ科 エンドウ属 |
---|---|
【原産地】 | 中央アジアから中近東地域 |
【歴 史】 | 古代ギリシャ、ローマ時代から栽培されていた歴史ある野菜です。地中海地方と中国で栽培種が発達し、日本へは8世紀前後に中国から穀物として伝えられたとされていますが、野菜として栽培され始めたのは江戸時代になってからです。 |
【おいしい時期】 | 4月~6月 |
【種 類】 | ・若いさやを利用する種類(さやえんどう) ・未熟な実をグリンピースとして利用する青実用の種類 ・熟した豆を利用する種穀用の種類 ・大きくなり始めた実とさやを食べるスナップえんどう に分けられる。 |
"絹さやえんどう"
シャキシャキした歯ざわりが特長。
品種ではなく、さやの長さが5~6㎝のうちに若採りするえんどうの総称。日本料理だけではなく、中華料理、西洋料理などの青みに重宝する野菜。
"さとうざや"
絹さやえんどうよりも豆が大きく、さやは柔らかく歯ざわりもよい。
2~5月に出回り、甘いことが名前の由来。
"スナップえんどう"
スナックえんどうともいわれている。
アメリカからの輸入品種で、さとうざやより豆が大きくなっているが、さやも実も柔らかく、さやごと食べられ、風味もよく、甘味も強い。
"グリンピース"
さやの中の豆だけを食用にする品種の総称。
1さやに4粒以上入っていて、さやの緑が黄緑色をしているものが良品。
実は空気に触れるとかたくなるので、さや付を求めるとよい。
【栄養/効能】 | ・カロテンを豊富に含む緑黄色野菜で老化やがんの抑制に効果的といわれています。 ・ビタミンCはトマトの4倍の含有量で免疫力を高め、風邪の予防に効果的といわれています。 ・ビタミンB群も豊富でエネルギー代謝や疲労回復に効果的といわれています。 ・食物繊維も豊富に含み、整腸効果が期待できるといわれています。 ・うまみ成分であるグルタミン酸を多く含み、その含有量は野菜の中でもトップクラス。ちなみにトマトの6倍ほどといわれています。 脳や神経の機能を活性化したり、尿の排泄を促す作用があるともいわれています。 |
---|---|
【保存方法】 | なるべく早く食べましょう。 保存する場合は、乾燥しないようにキッチンペーパーなどに包みビニール袋に入れて野菜室で保存します。1~2日が目安です。 冷凍保存する場合は、硬めに茹でて水気をしっかり切り、密閉袋(ジップロックなど)に入れて保存します。 |
【選び方】 | 全体に緑鮮やかで、さやにハリとツヤがあり、ひげが白くピンとしたものが新鮮です。 絹さやえんどうは、豆が極力小さく、さやの薄いものを選びましょう。スナップえんどうとグリンピースは、さや全体に豆がぎっしり詰まり、さやがふっくらしたものを選びましょう。 |
【用途/調理】 | 茹でる時は筋を取りたっぷりの熱湯に塩を入れて茹で、冷水にとって色よく仕上げましょう。炒め物 和えもの 汁の実など。 |
「さやいんげん」
多くの種類の栄養素を含み、低カロリーでヘルシーな野菜。
【分 類】 | マメ科 インゲン属 |
---|---|
【原産地】 | 南アメリカのメキシコ近辺 |
【歴 史】 | メキシコのテワカン渓谷の洞窟で発見されたいんげん豆は、栽培されていた品種としてはとても古く、紀元前5000年頃のものと考えられています。 コロンブスによる新大陸発見にともなってヨーロッパに伝えられました。日本には明の僧(後の隠元禅師)が1654年に持ち込んだので、 隠元豆という名が付いたと言われています。(しかし隠元が持ち込んだのは本当は藤豆だとも言われています。 関西地方ではこの藤豆を隠元豆と呼び、逆に一般にインゲン豆と呼ばれているものを藤豆と呼んでいます。さやいんげんは三度豆と呼ばれています。) 若サヤを食べる専用種は江戸時代末期(19世紀後半)に渡来したようです。 |
【おいしい時期】 | 6月~9月 |
【種 類】 | 若ざや用品種にはケンタッキー・ワンダー(別名尺5寸、どじょういんげん)平ざや品種のモロッコなどがあり、最近は筋を取る必要のないストリングスの品種も栽培が増えているようです。 |
"さやいんげん"
(わい性丸ざや)
筋なしの丸ざや種。普通は長さ13~15㎝で出荷するが、これは8~10㎝で出荷する早採りのもの。
(つる性)
どじょういんげんともいわれ、つる性の代表品種。夏に特に多く出回り、柔らかくて筋が少なく味もよい。
(わい性平ざや)
つるなしで育つ。丸さや種と同様、筋は少ない。緑色は淡く、さやに凹凸が少なく使いやすい。
"モロッコいんげん"
つるなしの平ざやで、さやの幅が広い。1980年前後に導入され、甘みが強い。
【栄養/効能】 | ・豆の部分に含まれているたんぱく質には、必須アミノ酸であるリジンやアスパラギン酸が多く含まれ、疲労回復に効果的といわれています。また体の組織の修復を促し、肌や皮膚を整える働きがあるといわれています。 ・β―カロテンを含み、ガン細胞の増殖を抑制するといわれています。 ・ビタミンCがコラーゲンの生成を助ける美容作用や、免疫力を上げ、風邪を予防する働きがあるといわれています。 ・食物繊維が便通を促し、コレステロールを低下させる作用があるといわれています。 ・ビタミンB1が疲労回復する作用があるといわれています。 ・ビタミンB2が動脈硬化や血栓を予防するといわれています。 ・ミネラル成分もバランスよく含まれ、鉄分が貧血予防に、カリウムが高血圧を防ぎ、むくみを解消する効果があるといわれています。 |
---|---|
【保存方法】 | 傷んだものは、他に移りやすいので、取り除きましょう。通気性の悪い袋に入れたまま室温に長く置くと蒸れて傷みやすいので気をつけましょう。 低温に弱いので、冷蔵庫に入れる場合はビニール袋に入れ3~4日で使い切りましょう。 |
【選び方】 | みずみずしく、肉厚で種子の部分が盛り上がっていないものを選びましょう。太さは均一で、全体細いにものを選びましょう。 ポキッと簡単に折れるものが新鮮です。(ただし店頭では折らないこと)見た目でハリがあってみずみずしいものを選びましょう。 |
【用途/調理】 | 筋のあるものは筋を取りたっぷりの熱湯に塩を入れて茹で、冷水にとって色よく仕上げましょう。和えもの お浸し てんぷら サラダ 炒めものなど。 |
参考文献:旬の食材「春・夏の野菜」 講談社
さあ、ここでスナップえんどうとソラマメのレシピをご紹介しましょう。
スナップえんどうの卵とじ
材料 | 4人分 |
スナップえんどう | ・・・200g |
卵 | ・・・4個 |
だし汁 | ・・・1C |
酒 | ・・・大匙4 |
砂糖 | ・・・小匙2 |
みりん | ・・・大匙2 |
醤油 | ・・・大匙2 |
2 ・鍋にだし汁と調味料を入れ、煮立ったら1を入れて少し煮ます。
3 ・全体に煮汁が回ったら、卵をほぐして流し入れます。
4 ・卵に八分どおり火が通ったら出来上がりです。
ソラマメのクロケット
材料 | 3~4人分 |
ソラマメ | ・・・(800g(2袋))250g |
冷ご飯 | ・・・60g |
タマネギ | ・・・50g |
塩 コショウ | |
小麦粉 卵 パン粉 | |
揚げ油 |
2 ・冷ご飯は電子レンジでチンしておきます。
3 ・タマネギはみじん切りにして、しんなりする程度に炒めておきます。
4 ・1、2、3をまぜて8等分して丸め、出来たらソラマメのような形にします。
5 ・小麦粉、溶き卵、パン粉の順につけて形を整え170度の揚げ油で揚げます。
6 ・ソース、付け合わせはお好みで
ケチャップ+ウスターソース又はマヨネーズ+ケチャップなど