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野菜と果物の魅力について

ベジタブル&フルーツマイスター協会認定カルチャースクール講師
栄中日文化センター「野菜ソムリエに学ぶー野菜生活向上のススメ」担当
服部 佳世子

「トマトサミット」「唐がらし」

皆さま、ゴールデンウイークはいかがお過ごしでしたでしょうか!!

先日私は日本野菜ソムリエ協会の催し、第6回野菜ソムリエサミット「ミニトマト」に参加する機会をいただきました。
こちらは、ミニトマトの品評会で、今回はその審査委員として参加させていただきました。
最初にミニトマト20種類を一つづつ頂き、外観・食感・うまみ・香りを基準に食味評価をいたします。
評価したミニトマトの数はなんと20種類!赤色あり、オレンジ色あり、黄色あり、そしてその形も実に様々で、丸いもの、梨型のものなどをそれぞれ一つづつ食べていきます。最初のうちはまだいいのですが、後になるにつれ味が分からなくなってしまいます。もちろん一つ食べるごとにお水で口の中をさっぱりさせ、味が混ざらないようにするのですが・・・・相当な数ですし、一粒一粒がまるで真剣勝負。なかなかに食べ応え、品評応え(?)がありました。
その後、それぞれの生産者の方の、ミニトマトの生産に対する思いや情熱、生産方法へのこだわりに共感できるか・・・といったストーリー評価。続いて基本小売価格、パッケージ等を見た上で、トータル的に自分は購入するか、といった購入評価。以上3点を食味評価に重点を置きながら、総合的に評価し順位付けをするのです。
個人的には、最初のトマト「あれば」がネーミングもパッケージも共に可愛く、味もインパクトがあって好みでした。

 

とてもやりがいのある、楽しいサミットでした。

さて、今回は私がどうにも降参してしまう野菜、「唐がらし」について記載させていただきます。

なぜ降参(つまり、得意ではないのです)かといいますと、少しでも唐がらしが入っていると、舌が唐がらしの味をたとえ感じなくても、皮膚が即!、感知して、汗が滝のように流れてくるのです。辛いのが嫌いということでは決してないのですが、こうして体が反応してしまいますので、どうにもこうにも食べられません。
実は以前韓国に行った時、料理に青い唐がらしが出てきたことがありました。日本では「しし唐」といって料理に出されることもあり、日本で出されるものには辛いものもありますが大体のものは辛くありませので、ついついそれと同じ感覚で、口に入れてしまい・・・なんとまあ、大変な思いをした経験があります。そのあと、しばらく何も食べられなくなりましたから、とっても印象的な思い出のひとつです。その頃は、まだ野菜ソムリエの勉強をする前でしたから、唐がらしの種類を含め、あまり野菜の種類や特徴を知らなかったとはいえ・・・ヒーヒー言って、本当に辛かったのを今でも覚えています。

『唐がらし』
辛み成分「カプサイシン」が持つ機能性が優れています。

【分 類】 ナス科 トウガラシ属
【原産地】 中南米
【来 歴】 アメリカ各地では2000年以上前から栽培されていました。
ヨーロッパへは1493年にコロンブスがスペインに持ち帰って以降ヨーロッパ全域に広まったといわれています。日本へは1592年、豊臣秀吉の朝鮮出兵の折りに種が導入されたと言われる説と1542年にポルトガル人がたばこと共に伝えたとの説があるようです。
【美味しい時期】 青唐がらし 7~9月
赤唐がらし 8~10月
【栄養・機能性】 ビタミン、ミネラル類を多く含んでいますが、ごくわずかしか口に入れることが出来ないので、栄養源としては期待できないといわれています。
辛み成分のカプサイシンが唾液の分泌量を増やして食欲を増進したり、消化や吸収が早く、末梢の血管を拡張させて血流量を増やし体を温めるといわれています。
また、副腎ホルモンの一つであるアドレナリンの分泌量を増やし、脂肪の燃焼効率を高めて、体脂肪の蓄積を抑える働きをするといわれています。

【種類】

「甘み種」
しし唐がらしは品種や環境により辛みの出る場合がある。伏見甘や万願寺唐がらし、田中唐がらしは、しし唐がらしと同じ味わいをもつが、肉厚で辛みはやや少ない。

「辛み種」
たかの爪などの赤唐がらしは刺激的な辛みがあり、とりわけ種に強い辛みがある。伏見辛は辛みが少なく未熟果の青いもの(青唐がらし)は、しし唐がらしと同じような味わいをもつ。

「唐がらしの葉」
特有の芳香と苦みがある。

"赤唐がらし" 完熟した唐がらし。香りは高いが辛みは比較的穏やかである。
"青唐がらし" 唐がらしの未熟果。関西地方に多く出回る。京野菜の万願寺や伏見が有名である。
"しし唐がらし" ピーマンと同じ甘み種の代表で、種ごと食べられる。加熱すると破裂するので、包丁で切れ目を入れておく。
"篠しし唐がらし" 長さ14、15cmで黒に近い緑色のしし唐。やや辛めだが、肉厚で実がしっかりしている。
"かぐらなんばん" ピーマン型で辛みの強い唐がらし。新潟県の伝統野菜。果しんとわたが辛く、外皮は甘い。
"あじめ唐がらし" 飛騨美濃伝統野菜で辛さは韓国唐がらしの5倍のカプサイシンがあり、日本の唐がらしでも辛い部類。たかの爪とくらべると長さが10cmくらいある。
"ハラベーニョ" 激辛で有名な唐がらし。楕円形をしていて肉厚で、メキシコ料理には欠かせない。メキシコ唐がらしともいう。
"葉唐がらし" 伏見辛の葉。関西地方で栽培されることが多い。ぴりっとした辛さと香りが好まれる。佃煮やしそ巻きなどにする。

【保存方法】
ビニール袋に入れて冷蔵庫に。乾燥させて密閉容器に保存しましょう。

【選び方】
色つやがよくハリのあるものを選びましょう。切り口やヘタが黒ずんでいたり、フカフカしたものは鮮度や香りが落ちている可能性があるので避けましょう。

【用途/調理】
しし唐は丸のまま調理してもよいが、切った場合は種を除きます。
揚げる場合はそのまま揚げると中の空気が拡張して破裂するので、竹串で穴をあけておきましょう。
葉はアクが少ないので、下茹でする必要はないです。
しし唐がらしや青唐がらしは、炒め物、焼き物、素揚げにして揚げ物の青みなどに。

参考文献:旬の食材(講談社)・野菜の便利帳(高橋書店)

豆類の美味しい季節になりました。今回は先月記載したさやえんどのレシピをお伝えいたします。


豚肉とさやえんどうの炒め物

材料 4人分
 さやえんどう ・・・200g
【A】  
 豚肉(ロース) ・・・200g
 塩 ・・・小さじ1/4
 酒 ・・・大さじ1
 生姜(絞り汁) ・・・10g
   
 片栗粉 ・・・大さじ1
 揚げ油  
 椎茸 ・・・8g
 人参 ・・・50g
 葱 ・・・1本
 炒め油 ・・・・大さじ1.5
 ニンニク ・・・1/2片
 生姜 ・・・10g
 酒 ・・・大さじ1
 スープ ・・・150cc
(2/3カップ)
 塩 ・・・小さじ1/2
 砂糖 ・・・小さじ1/2
 うすくち醤油 ・・・大さじ1/2
 コショウ  
 片栗粉 ・・・大さじ1
 水 ・・・大さじ2

作り方
1. さやえんどうはスジをとりさっと塩ゆでしておきます。
2. 豚肉は2~3cmに切りAの調味料に5分ほどつけて片栗粉を茶漉しでかけて150℃~160℃の油でさっと油通ししておきます。
3. 椎茸は水で戻して幅広く切ります。人参は4cmくらいの短冊に切り茹でておきます。葱は斜めに切ります。
4. ニンニク、生姜はみじん切りにします。
5. 中華なべに炒め油をいれ、ニンニク、生姜を炒めます。
6. 豚肉を入れ肉に火が通ったら椎茸、人参を入れて、酒をふりかけます。
7. スープ、さやえんどう、葱を入れて少し火を入れたら、砂糖、塩、うすくち醤油の順番で入れ味みをしてよければ火片栗粉の水溶きを入れとろみをつけます。
8. お皿に盛り出来上がりです。

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