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インターネット公開文化講座

文化講座

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野菜と果物の魅力について

ベジタブル&フルーツマイスター協会認定カルチャースクール講師
栄中日文化センター「野菜ソムリエに学ぶー野菜生活向上のススメ」担当
服部 佳世子

「十三夜」「栗」


お三方に飾られた里芋

皆様、お月見芋名月を楽しまれましたか。
今年のお月見は9月12日でした。
このお月見は十五夜と言って「里芋」をお供えします。
今までどこかで「芋名月」という言葉をお聞きになったこと、ありませんか。


 
お三方に飾られたお団子 三色がわからないかも?

先日、あるテレビ局から、番組内で使うお月見の画像を撮りたい、というご依頼をいただきそのお手伝いをさせていただきました。そんな訳で、せっかくの機会ですからいろいろお月見について調べてみました。
お月見には十五夜と十三夜があります。
今年の十五夜は9月12日、十三夜は10月9日です。
十五夜は「仲秋の名月」や「芋名月」と呼ばれます。
今日、一般のお宅ではお団子を供えますが、昔は芋をお供えしたことから「芋名月」と呼ばれるようです。
ではなぜ芋(里芋)をお供えしたかというと、その頃、丁度収穫されるのが里芋だったのです。加えて昔は主食が芋だったんですね。しかし現代における私達の主食はお米ですから、今ではお芋より米粉を使うお団子を供えるお家が一般的になったようです。
一方で十三夜の頃に採れるのがあずきや栗なので、こちらは「豆名月」「栗名月」と呼ばれたようです。 さて、我が家におけるお月見は・・・といいますと、毎年仲秋の名月十五夜に、お団子と里芋の両方をお供えしています。
お団子の形も独特です。一般的には丸い白いお団子を皆さん連想されると思いますが、そうではなく、涙といいますか、しずくのような形で、色も白、ピンク、黒の三色のお団子を用意します。そして今年はススキとリンドウのお花も共にお供えして名月を楽しみました。十五夜に間に合わなかった方は是非10月9日の十三夜を楽しんでくださいね。

さて、別の日になりますが、ついこの間友人の小唄の会にお誘い受けました。
久しぶりにお座敷で聞く小唄もなかなかいいものですね。
彼女はちょうど名披露でしたので、何回も舞台に上がり唄やお三味線を披露してくれました。また祇園の芸子さん、舞妓さんの踊りも添えられ、美しいお二人を目の前にしますと、やはり日本の伝統芸とは、情緒があり、いいものだなぁ・・・とつくづく感じた次第です。
舞妓さんの淡い浅黄色のお着物に朝顔の柄、そしてだらりの帯にはうちわの柄が。
私の友人の「祇園小唄」
  月はおぼろに東山
  霞(かす)む夜毎(よごと)のかがり火に
  夢もいざよう紅桜
  しのぶ思いを振袖(ふりそで)に
  祇園恋しや だらりの帯よ
に合わせて舞った姿はとても美しく、印象に残りました。今でも私の脳裏から離れません。
皆さんにもお見せしたかったのですが、写真がなく・・・とても残念です。

話しはまた変わり・・・夏休み最後の教室「親子料理教室」を今年も担当させていただきました。
これで3回目になりますが、皆さんのお顔に見覚えはあるものの1年ごとに成長された方がいらしたり、また中学性になられたので親子教室は卒業され、そのお子さんの弟さんや妹さんが新たに参加してくださって・・・と、驚くやら楽しいやら。皆さんもそれぞれに楽しんでお料理を作ってくださいました。皆さん力作揃い、その中でもこうしてみると、特に男の子が頑張って作ってくれたことを思い出します。
当日の料理です。



さて、近況報告の最後は、骨折した足のその後の経過報告です。順調に回復し、今では趣味のカントリーダンスのレッスンも再開できるほどになりました!
実は昨年6月から、レッスンを受けており、毎回楽しみに通っていました。が、ご存知のとおり、昨年暮れに骨折をしたために半年の間お休みしていたのです。
最近、クリスマスパーティーに踊る題目も決まり、皆意欲満々!私は、6か月お休みしてしまったので足をならすのに時間がかかるかな、ついていけるかな、と少し不安でしたが、意外や意外大丈夫でした。パーティーまであと2回ほどしかお稽古の日がありません。頑張りま~す!!
踊る際は、下の写真にあるように皆ジーパンに、ウエスタンブーツ、ウエスタンハットをかぶり、まさにカウボーイならぬカウガールです。楽しいですよ。
どうですか?踊ってみたいと思いませんか?!

 

今回は栗名月にちなんで・・・、そして秋の味覚でもある「栗」にスポットを当てたいと思います。

『栗』

秋の味覚栗きんとん。ところでこの栗きんとんについて、先日テレビで意外なことを知りました。私の住んでいる名古屋では栗をつぶして茶巾絞りにしたお菓子(おまんじゅう)のことを、栗きんとん、もしくは栗粉と呼びます。ところがこの周辺を除いては、きんとんはお正月に食する栗きんとんのことのようです。もちろんこの辺でもお正月のきんとんは「きんとん」ですが・・・・・。土地が変わると呼び方もそれぞれ。おもしろ~い♪

【分 類】 ブナ科 クリ属
【原産地】 日本栗の原産地は日本です。
中国栗 西洋栗 アメリカ栗の4種類あります。
日本栗は天津甘栗やイタリアのマロングラッセとは別物です。
日本栗は縄文時代より重要な食物資源となっていて、自生するしばぐり(柴栗)から選抜した大果の丹波栗が栽培品種の中心になっています。
おもな産地:茨城 熊本 愛媛 岐阜
【おいしい時期】 9~10月
【栄養/機能性】 果物的特徴(ビタミンC、カリウム、食物繊維が豊富に含まれている。)ナッツ的特徴(ビタミンEや鉄、銅、マンガン、亜鉛、などが豊富に含まれている。)
穀類的特徴(でんぷんが豊富に含まれている。)を併せ持っている珍しい食材です。加えて、このビタミンCはでんぷんに包まれているので、加熱しても壊れにくいという点ではいも類にも似ています。
別な見方をすると、ナッツとしては脂肪がきわめて少なく、果物としてはエネルギーが高く、はたまた穀物としては糖類が多い、という分類の難しい食品ともいわれています。
渋皮にふくまれているタンニンには強い抗酸化作用があり、老化防止やがん予防に効果的といわれています。
"ソムリエの一言" 伝統的な料理法である渋皮煮は、栗の抗酸化作用を逃がさずに食することのできる優れた食文化です。

【種 類】

利平(りへい) 9月中旬から下旬ごろに熟す中生種で、日本栗と中国栗の一代雑種といわれている。1950年(昭和25年)に登録された。果実は重量20~25gの大果。果皮は光沢のある暗褐色。肉質は粉質で甘さがあり、蒸栗におすすめ。しかし肉質がもろいため、シロップ漬けなどの加工には適さない。
銀寄(ぎんよせ) 丹波地方の原産。能勢栗の代表品種。銀由、銀善ともいわれた。9月下旬から10月上旬に熟す中生種。果実は扁平形で重量は20~25gの大果。肉質は粉質で食味は良好。クリタマバチ抵抗性品種ある。
岸根(がんね) 山口県の古い品種。丹波栗の系統ひくクリタマバチ抵抗性の晩生品種。10月中旬に熟す。果実は重量30gの大果で品質は良好。貯蔵性、加工性もよい。温暖で肥沃な土地に適する。
石鎚(いしづち) くり農林4号。昭和43年登録。岸根×笠原早生のクリタマバチ抵抗性の暖地向き品種。10月中旬に熟する晩生品種。果実は円形で重量は20~25gの大果で美しい。粉質で甘味が多く品質は良好。加工用原料としても適する。
筑波(つくば) くり農林3号。昭和34年登録。岸根×芳養玉によるクリタマバチ抵抗性品種。9月中下旬に収穫される中生種で、果実は20~25g。肉質は粉質で甘味が多く、香気があって品質は優良。貯蔵性も良好で加工原料として優れている。全国で広く栽培されている。
天津甘栗(てんしんあまぐり) 焼き栗としてなじみが深い。市販されているものは中国河北省産の輸入が多い。日本栗に比べて小粒だが甘味が強く渋皮もはがれやすい。


【保存方法】 すぐ食べない場合は、新鮮で皮がやわらかいうちに、皮と渋皮をむき、水でアク抜きしたあと、水気をふいて冷凍すると風味が保てます。
【選び方】 皮にふっくらとしたハリがあり、ツヤのあるものを選びましょう。濃い茶色で実がはちきれそうに太って、持った時重たさのあるものを選びましょう。古くなると実の水分が蒸発して軽くなり、味も落ちるので避けましょう。(皮がかたいので日持ちがよいと思われがちですが、時間が経つと水分が減って、ツヤがなくなり、中身がちぢんで甘味がなくなります。)各産地とも出回り後半のものが、よく熟して味がのってくるのでおすすめです。
【用途/調理】 皮のむき方:
湯の中に2~3時間つけておくと、鬼皮(外の皮)がむきやすくなります。
軽くゆでてから、いったん冷凍し、それを少し解凍してむくと渋皮もきれいにむけます。

参考文献:
旬の食材「四季の果物」講談社
「野菜のソムリエ」小学館


栗を使ったパウンドケーキを作ってみました。
今回は時期的にまだ早いので、市販の栗のシロップ煮を使いました。
大量に栗が出回りましたら、栗を蒸かして作ってみたいと思っています。

マロンケーキ

材料 パウンドケーキ型中2本分

バター ...200g
砂糖 ...80g
...3個
小麦粉(薄力粉) ...200g
ベーキングパウダー ...小さじ3
牛乳 ...1/3カップ
栗のシロップ ...大さじ3
ブランデー ...大さじ3
栗の甘露煮※ ...400g

※市販のビン詰めの栗を使用。


作り方

1. 小麦粉とベーキングパウダーを合わせて、2度ふるっておきます。砂糖は1度ふるっておきます。
2. 栗400gのうちから8個を半分に切り(飾り用)、残りを適当な大きさに切って、(あまり細かくしないほうがよい)小麦粉200gのうちから大さじ2、ふりかけておきます。
3. パウンド型に紙を敷いておきます。
4. ボールにバターを入れクリーム状にします。その中に砂糖を3回ぐらいに分けて入れ、空気を入れるようにしてよく混ぜます。
5. 4.に1.の小麦粉、牛乳、栗のシロップ、ブランデー、栗を入れ混ぜます。
6. 型に流し入れ、上に半分に切った栗8切れをのせます。
7. オーブンを200℃に温めて6.を入れ10分焼き、180℃に落として20分焼きます。
(オーブンによって違いがあるかと思いますので、上記時間はあくまで参考にしてくださいね。)
8. 適当な大きさに切って召し上がってください。
今回は季節の手作りジャム、イチジク、マスカットのジャムを添えてみました。

 

焼きたての温かいものもよし、冷やしたものも美味ですが、私の好みは焼いてから濡れ布巾をかけ、粗熱をとっていただくのが好みです。しっとりしておいし~い!!

野菜と果物の魅力について
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