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デジタル写真の楽しみ方

(社)日本写真家協会(JPS)会員・フォトス ハットリ 代表
服部 辰美

ストーリー性のある写真

過ごしやすい初夏も梅雨を迎える準備に近づいています。温暖化による季節変動で雨による被害も大きくなることも多いです。雨のお出かけで遠出をされる方はご注意くださいね。雨の日は紫陽花の花撮影には向いていますからご近所周りの撮影もいいかもしれません。無理をせず撮影を頑張りましょう。

よく質問で聞かれることに『いい写真とはどんなもの?』というのがあります。
これだという決め手は絞れませんが、観る人(鑑賞者)がその写真に目を留めている時間が長いものや繰り返し見ても飽きない写真が『いい写真』だと言えるでしょう。それらの写真には、ストーリー性が感じられる要素が含まれているのだと思います。具体的に分析していくと美しいだけの風景写真より小さくても人物が適度な大きさや動きが感じられるように入っている写真の方がストーリー性を持ってみることができます。SNSで(いいね)の数が多いのも美しい場所に一人の女性(人物)が小道具(鞄、傘など)をもって佇んでいる写真に人気があります。アニメ世代の若い人たちはアニメ映画のワンシーンを思い出しながらその写真に共感しているのかも知れません。

結婚式の写真には記録性が大切な要素ですが、それにストーリー性を感じられるシーンの写真も加えることで何度も見返すことができるドラマチックな写真になるように最近では作られているものが多数見受けられます。指輪の交換などの手先のアップ写真、父親と腕を組んで歩く新婦の入場の後ろ姿など一度きりのドラマチックなシーンがたくさん含まれています。このように人物、目、動きのあるシーンにはストーリー性を強く感じるものが含まれています。

写真の中に人がいなくても撮影者が目の前の光景から何かストーリーを感じて被写体を撮影すれば見る人に共感してもらえる一枚ができると思います。
見せたいメインの被写体にドラマを感じさせる何かを見つけて撮影していくことが『いい写真』を撮るポイントだと考えていきましょう。
光の中に、その場の空気の中に、吹き抜ける風の下にきっと共感してもらえるストーリーが潜んでいるはずです。五感をフル動員して探し出せば他人と違った『いい写真』が生まれるのではないでしょうか。挑戦してみてくださいね。

今月の一枚


関ヶ原ウォーランドの夏の風物詩です
数えきれない数の風鈴が涼しさを感じさせてくれます。和傘もS N S映えする小道具です。戦国時代の関ヶ原の戦いを再現しているテーマパークです


岐阜県不破郡関ヶ原町


筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/

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