文化講座
桜を撮る
梅の季節も終わりを向かえていよいよ春の主役の花、桜の季節です。
この地域ではしだれ桜が、先駆をきって咲き始めソメイヨシノが、街中のあちこちでその後咲き
始めるようです。満開の桜たちに会う楽しみが数週間続きます。カメラマンにとって
も忙しい時期ですね。
□一期一会のシャッターチャンス
美しいさくらの姿を見てすぐにカメラを構えたくなりますが、ちょっと我慢してその姿をじっくり観察してみましょう。どこに惹かれて写真を撮りたいのかを考えるだけでいつもとちがう写真に仕上がると思います。目の前の桜の見せる姿は、もう二度とめぐり合うことはできないかもしれません。
それは、天候 時間帯 光線状態 咲き具合などの諸要素の
組み合わせが旨くかみ合って、いま目の前のさくらに感動して
いるからです。液晶モニターに写された画像をしっかりと確認
して納得の一枚を手に入れましょう。・・・デジタルカメラの利点です
フィルムの撮影のように枚数を気にせずたくさんシャッターを切ることで
お気に入りの選択が広がります。ただし、一枚一枚を丁寧に写しましょうね。
お寺の境内にはしだれ桜がよく咲いています。
鐘突き台の少し高い位置から桜と平行になるように
カメラアングルを決めています。
うす曇の柔らかな光線により静かな感じになりました。
(標準ズームレンズ使用)
□雨の日も出かけてみる
晴天のさくら撮影は気持ちも晴れやかになり気分転換にもいいですよね。
でも他人とちがった作品を撮ろうとすれば雨の日の撮影がお勧めです。あと数時間で雨があがり始める時などが最適です。背景に見える山肌のモヤが主役のさくらをひき立ててくれるでしょう。
上の2枚は、まだ雨が降っている状態で傘をさしながら撮影しています。ホワイトバランスの状態をチェックしながらさくらの色が出るように設定しています。もちろん三脚を使用してカメラぶれがおきないよう注意しています。
□望遠レンズを使ってみる
望遠レンズの持つ特徴に前後の圧縮感を出せる役わりがあります。主役のさくらの花の密度間を出すには望遠レンズを使うといいでしょう。一度主役のさくらから遠くはなれて望遠レンズで覗いてみてください。目の前に広がる風景を"切り取る"面白さを実感できると思います。
上の3枚は、望遠ズームレンズで撮影してあります。花や枝ぶりのいいところを探して切り取るように撮影しました。
□色の組み合わせを楽しむ
さくらの種類によって花びらの色も楽しめます。また、さくらの周囲にも気を配ると他の花が咲いているかもしれません。画面全体を色の組み合わせで構成を考えるといいでしょう。
この2枚は、主役のさくらの周囲の花たちとの共存を意識して撮影しています。白い雪柳やからし菜の花の密集しているところがポイントになります。思い切ってさくらの部分もトリミングした状態で撮影。
□咲き終わっても楽しめる
さくらが散り始めても撮影は、終了しないでください。水面に浮かぶ落花や雨後に落下した花びらの美しさも格別です。 柔らかな光の下で撮影するといいでしょう。また、人に踏み荒らされていない早朝が、撮影には最適です。
さくらは、夜桜も楽しめます。フィルムでは難しかった夜桜の撮影もデジタルでは簡単に写せるようになりました。三脚とレリーズの準備をして今年はぜひ挑戦してみてくださいね。
さくらは、いろいろな楽しみ方で撮影できます。桜の木を撮影するときどの角度がいいのか、周りの状態は余分なものが写らないかなどちょうど、人物を撮影するのと同じだと考えられますよね。そんな気持ちで撮影すればきっと満足できる写真ができるでしょう。
筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/