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デジタル写真の楽しみ方

(社)日本写真家協会(JPS)会員・フォトス ハットリ 代表
服部 辰美

主観と客観

本格的な夏ですね。熱中症対策が毎日の課題みたいですが、新型コロナの対策も忘れずこの夏を乗り越えたいですね。

標準レンズと一般的に呼ばれる35mm~50mmの画角領域は見たものを素直に切り取る焦点距離と呼ばれています。単焦点レンズとして開放F値の種類も色々作られて作画目的や持ち運びの用途などで使い分けることができます。スナップなどにはf2~3.5(開放F値)の軽いレンズが使いやすいですね。長く写真をやっている方は35mmも50mmも両方お持ちの方が多いのではないでしょうか。女性に人気のある50mmF1.4のレンズもボケ味が綺麗に表現できるのでよく使われるレンズの一つです。撮影の基本を学ぶレンズとも言われています。
標準レンズ(第75回参照) では、35mmと50mmの使い分けは?という問いにしっかりした答えがあるでしょうか?その辺りをちょっと探ってみましょう。

難しく考えずに画角の違い、パースペクティブの差、画角による被写界深度の見え方の違いで考えていきます。同じ立ち位置から両方のレンズを使用して撮った場合の写り方をみた場合50mmより35mmの方が当然広い範囲が写り同じ絞り値(f5.6程度)で撮影すれば35mmの方がよりシャープさが感じられ奥行き感も少し違ってきます。
物理的な問題は上記が結論ですが、目の前の光景を作品的にどう撮るのかを見据えて選んだ場合この2つのレンズの使い分けが大切なポイントになってきます。
言葉に置き換えると分かりやすいかもしれません。
35mm ⇨ 客観的表現に 50mm ⇨ 主観的表現へ
見せたい主役とその周りとの関わり具合を写したい場合35mmが適しているはずです。主役をより強調してその周囲から浮き出すように写すには50mmの方がいいと思います。35mmと50mmの僅かな差なんですが、写したいものをどう見せたいかを考えるときに意識してみるといいと思います。どちらのレンズが使いやすいかは、人それぞれの意見もあり決めることはできませんが、一度このことをちょっとだけ意識して使ってみるといいでしょう。

今月の一枚

岐阜県の関ケ原ウォーランドの風鈴まつりです。戦国時代の合戦を再現した資料館のなかで飾られている風鈴は5,670個あり(コロナ0なし)の想いが込められていますね。2021.9.26まで開催。
今のところ日本最大級の数らしいです。


筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/

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