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デジタル写真の楽しみ方

(社)日本写真家協会(JPS)会員・フォトス ハットリ 代表
服部 辰美

目に見えないものを撮る

今年は気温差が激しく花の満開予想がわかりにくいですね。気がついた時にはピークが終わっていることが何度もありました。日々の情報収集がいかに大切か身にしみました。

先月中旬に伊豆方面の美術館に行ってきました。あわよくば久しぶりの富士山も撮影できたらなぁと思っていたのですが、お天気が崩れ雲の中に隠れていました。純風景写真にはよくあることと割り切りじゃあ何が撮れるかを考えました。
晴天でなければ目の前に存在するであろう富士の姿は撮れません。しかし今富士の裾野にいることは確かです。富士の気配は見えても見えなくても感じています。そこにいるという気配を探すのも面白いのではということになりました。
このように直接目の前にある光景を複写するような撮影以外にも気配とか目に見えないけど自分がその場所で感じた気持ちなどを捉えようとする撮影も面白いと思います。突き詰めていけば写真で自分を表現する面白さに繋がっていくはずです。綺麗なパンフレットや雑誌の写真のような1枚を撮ってみたいと思うのは誰でもあるはずです。しかしそんな写真が撮れたとしても自己満足の範疇にしかなりません。いくら高級で美味しいと思える料理でも毎日食べ続ければすぐに飽きてくるのと同じですね。日々の生活の中でちょっとした味付けを工夫していつもより美味しくいただく喜びは毎日続けられるはずです。

被写体と向き合うという一見難しく思える行為も自分がその被写体の何に惹かれて写真に撮りたいのかをいつも意識していればいいわけです。観光旅行を団体で駆け足で回ればそこに行ったという記録はできますが、その場所の何を感じて見てきたのかを深く感じることが難しいように、ここで雑誌のような作例が撮れればいいやと思うのではなく自分が感じた気持ちを写す努力をしていきたいですね。今年の新しいテーマに「目に見えないものを撮る」を一つ追加されたらどうでしょうか。

今月の一枚
一時期若い人たちにブームになった「ブライスドール」、最近また公園やテーマパークで撮影している姿をちょくちょく見かけます。ファンの年齢対象が少しずつ上がってきているようです。当方の会員の方も今はまっているみたいで先日の撮影実習に撮り方のレクチャーをしてきました。その時の写真です。撮影中にも通りがかりの高齢のおばさま方から可愛い人形ね、なんていう名前ですか?と何度も質問が。撮りだすと結構はまりますよ、構図の配置や光の見方など写真撮影の基本を勉強できます。男性にはチョットという感じですが、意外に男性向きかなと感じた一日でした。

筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/

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