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デジタル写真の楽しみ方

(社)日本写真家協会(JPS)会員・フォトス ハットリ 代表
服部 辰美

白黒写真を撮ってみる

今回は 普段あまり使わない機能と思われる白黒モードでの撮影のことをお話しします。

  

フィルム(銀塩)写真の撮影では、被写体をカラーで撮るか白黒フィルムで撮るのかを撮影以前にきめてからカメラにフィルムを詰めていました。また、スナップなどに出かける時にはカメラを2台持ちカラーと白黒のフィルムをそれぞれのカメラに詰めて撮影対象によって使い分けをしていました。一台しかない場合はしかたなく片方をあきらめるか、途中でフィルムを巻き戻して違うフィルムを詰め直したりして撮影していました。

デジタルカメラでは機能設定(メニュー)から簡単にカラーも白黒もセピア調なども被写体によって撮影の使い分けができます。普段はカラーで撮る事が日常的だと思いますが、白黒の設定で撮影することで写真の基本である、光の見方や露出補正の意味などがより明確に理解できると思います。

  

人間の眼で見える世界はカラーですが、カメラを通して白黒撮影することで目の前で見えている被写体に当たっている光線状況がより明確に確認できます。色にごまかされずに光をより深く観察することができるわけです。カラーで撮影して写真専用ソフトでパソコン上で変換することもできますが、ここでは光の観察や露出補正の意味などを撮影中に考えながらすることを目的にしています。順光での光の当たり方や逆光での被写体の見え方などをじっくりと研究することができます。色という情報がないことでその写真がより作品として完成されるものも見つけられるかもしれません。

  

露出補正のことは以前にお話ししてある(第5回、6回)ので見直していただければ ああなるほどと分かっていただけます。

ポイント要点・・・カメラの露出計は白黒に置き換えてみている

フィルム(銀塩)の白黒写真はフィルム現像やプリント技術を学ぶのにも時間や手間が必要です。デジタルでは撮影時のカメラ設定の時点で瞬時に白黒やカラーに切り替えて仕上げはパソコンで簡単に確認できます。そこから白黒写真の面白さを発見できるかもしれません。
是非、一度は白黒写真撮影に挑戦してみてください。
そして白黒写真ってなかなかいいなあと感じたら今度はもう一度フィルムの写真にも挑戦してみてください。いまならまだデジタル、銀塩の両方が楽しめるときだから・・・
技術をデジタルで理解して作品は白黒銀塩で、贅沢な写真生活を楽しみましょう。


筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/

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