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デジタル写真の楽しみ方

(社)日本写真家協会(JPS)会員・フォトス ハットリ 代表
服部 辰美

素材を見つける

9月に入ると少しずつ秋の気配を感じるようになります。まだまだ強い日差しは続いていますが、夕暮れ時には爽やかな風も吹き、虫の声に秋らしさを感じられているのではないでしょうか。高い山の上では秋の色づきが始まっているはずです。

写真を撮る=素材(被写体)を探す、我々写真を撮るものにとっては永遠の必須事項です。初級者の方にはこの素材探しがとても難しく思える問題です。写真は撮りたい、でも何を撮れば良いのかがわからない。教室でのスナップ実習撮影でよく質問される項目の一つです。そこに隠されている問題点は、上手い写真だと褒められるものを撮ってみたいということが最優先になっているからだと思います。

富士山を撮る、というように被写体が初めから分かっていれば場所や時間帯の選択を調べ、ある程度の作例のような写真は撮れるでしょう。しかし日常の中から自分が撮りたいものを探し出すことには慣れていない方が多いためこのような質問が多く出てくるのだと思います。
そんな時は、こう答えています。
・・・写真のことはいったん忘れて目の前の光景で興味をひくものをよく観察してください。そしてその被写体の何を撮りたいのかを考えて初めてカメラを持ち出してください。と・・・

あとはひたすら撮るだけです、色々な角度や距離や明るさなどを調節しながらたくさん撮ってみてください。このことはただがむしゃらにシャッターを押すということではなく、シャッターを押す回数=ものを見つめ直す回数ということなんですね。それがこう撮りたいという具体性に繋がってくるからです。

極端過ぎるかもしれませんが、写真にルールはないと考えて自分が撮りたいように撮ってみる。もちろんマナーは必要ですが...。
その後でモニターを見ながらその一枚を他人に見せた時、自分の感じたことをきちんと伝えるように写っているかを考えてみてください。ここの部分でカメラ設定の技術的なテクニックが必要になってきます。
自分の見せたいものと技術的に上手い写真がピタッと重なり合った時に初めて「いい写真だなぁ」と誰もが共感してくれる写真になってくるのだと思います。
いつもお伝えしています、写真=目の前の光景の観察記録です。どう記録して他人に見せるかが作品作りの面白さになっていくでしょう。

*4枚の写真・・・雨の日に訪れた明治村、傘をさす姿が目につきポイント的に扱って撮影してみました。

今月の一枚

キバナコスモスを少し低いアングルから見上げるように撮ってみました。
半逆光の光で花びらが透けて輝いています。ソフト効果の出るレンズを使用して柔らかなボケ効果を出してみました。


筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/

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