文化講座
花が主役の季節です
いよいよ花たちが写真の主役になる季節が近づいてきました。
花を撮るときの注意点やレンズのこと、光のことなどを再確認してみましょう。
今回は、梅の花の撮影を例にして考えてみましょう。
□レンズ
花をどう撮るかによってレンズの選択が変わります。
風景の一部として撮影・・・一般的によく使うレンズでよい
花のクローズアップ・・・マクロレンズやクローズアップフィルター
しだれ梅の配列を中心にバランスをとり梅の花が重なり合ってにぎやかさを感じられるように撮影しています。
重なり効果をより効果的に出すために望遠レンズ(200mm)で撮影しました。
縦位置撮影による奥行き感も出やすくなりました。
縦位置と横位置を撮り比べてモニターで見比べてください。
この撮影も200mmの望遠レンズで撮影しています。
左右の丸いボケは、ピントの合っていない梅の花が、丸くボケて柔らかな効果を出しています。
ピントを合わせた花より手前側(レンズに近いほど)大きなボケとなります。
□光の方向
花を撮るときに逆光ぎみの光りでみると立体感や花びらの質感がよくでます。
主役の花を大きく撮影するときは、直射光はさけて撮るときれいな質感がでます。天気のよい日よりうす曇、小雨のほうがきれいな感じで写ります。これは、コントラスト「明るい部分から暗い部分の濃度差」が柔らかくなるからです。主役の花に白い反射板を当ててやるのも同じことがいえます。
日陰になっている場所で形のきれいな花を探して撮影しています。花びらに対して適性な露出で撮影すれば柔らかな感じで写ります。背景も明るくなるところを重ね合わせればより効果的な写真になるでしょう。
絞り値も開放値に近いところで余分な周囲の花がボケるように工夫しましょう。
この梅の撮影は、少しソフト効果がでるように多重で撮影しています。1回目は、普通にピントを合わせて2回目の撮影のときにピントをはずしてぼけた状態で撮影するとこのような写真になります。
□梅の木の撮影で注意すること
手入れの入っている公園などの梅は、よく剪定されています。新しい枝から梅の蕾みもでています。梅の枝はわりと直線的なものが新しい枝ですが、これが、結構写真の構図を邪魔していることが多いです。
ファインダー内をよく見ながら花より強く線が感じられないかをチェックしておきましょう。花数の多いものを選んでから撮影に入りましょう。
□風景の一部として撮影する場合
梅の木全体を入れて撮影したい場合もやはり花が多くついているものを探しましょう。このとき、太陽の光がどちらから(逆光や順光など)さしているかで仕上がりの印象が大きくかわります。
順光での撮影では、青空がきれいに表現されます。
花の色も目で見た感じに近い色で仕上がります。
全体にフラットな感じでおとなしい仕上がりです。
半逆光ぎみの撮影では、木々に立体感をだせるよう撮影できます。
花の主役の部分が暗くならないように注意する事。
〈アドバイス〉
梅の撮影では、うす曇の柔らかな日差しの下での撮影がベストだと思います。
少し暖かさを感じるような日があればカメラと三脚をかついで出かけて見ましょう。あと少しすると華やかな桜の季節です。その事前練習も兼ねています。
桜撮影に失敗しないためにデジタルの特徴を活かした撮影で挑戦してください。
筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/