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デジタル写真の楽しみ方

(社)日本写真家協会(JPS)会員・フォトス ハットリ 代表
服部 辰美

ピント合わせと緊張感

今年は寒さが長引き桜開花の予想がなかなか難しそうですね、でも花撮影にはいちばんいい季節になってきました。デジタルカメラになってから昼夜を問わず桜の撮影をされる方も多いのではないでしょうか。桜の夜間照明下の撮影も面白いと思います。

  

写真を始めて少し撮影に慣れてくると被写体探しもだんだんとうまく見つけられるようになってきます。そして撮影技術の経験が積み重なってくると構図の決定や作画をどうすればいいのかなどを考える余裕もきっと出てくるでしょう。フィルム時代に学んだ方たちと比べれば半分以下のスピードでどんどん上達される方がみえる今日この頃のデジタル写真時代だと思います。しかしそれは機能的に優れたカメラの手助けがあっての上達気分を味わっているのかもしれません。もちろん便利な機能(オートフォーカス、自動露出、ホワイトバランスなど)はフルに使って作画に集中することが今の時代の撮影方法だと思います。しかしいつの時代でも変わっていないのが被写体を見つめるときの緊張感ではないでしょうか。どう自分はこの被写体をみてどう写すとイメージ通りの写真に仕上がるのだろうと一生懸命に考える、この作業を一瞬でおこないシャッターを押す人差し指へ気持ちを送る。自分でも考えられないぐらい集中力をだして緊張感を高めなければなりません。ところがカメラがしっかりと補助(ピント、露出など)してくれるからと簡単にシャッターを押していないでしょうか?自分が合わせたい位置に正確にピントが合っているでしょうか?フィルム時代のマニュアル機だとすべて撮影者自身がひとつひとつチェックしながらシャッターを押していました。その瞬間の緊張感はとても強かったはずです。なにしろ現像が仕上がってくるまでどう写っているのかが分からないから大変です。失敗がないように撮影しようという緊張感が大切です。

  

カメラを始められた初心者の方は、正確にピントが合っているのかどうかもはっきりと見分けがつかない状態かもしれません。たくさんの写真を見てどこにピントがきているのかを確認することから始めましょう。オートフォーカスはデジタルカメラでは人が手動で合わせるより正確なのも確かですが、この位置に合わせたいということは考えてくれません。どうかいつも緊張感を感じながらピント合わせをしてくださいね。
少し上級者へと進まれた方は、この絞り値がこの写真に適正なのかをやはり緊張感の中で考えながら撮影しましょう。そうすれば自分のイメージどおりの写真に近づいていくはずです。


筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/

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