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デジタル写真の楽しみ方

(社)日本写真家協会(JPS)会員・フォトス ハットリ 代表
服部 辰美

街や公園のイルミネーションを撮る

いよいよ冬本番の季節です。街の中も師走の華やかな飾りつけが見られるようになりました。夕暮れと共にイルミネーションが点灯され写真を撮りたい気分が増してきますよね。 今回は、イルミネーションやライトアップされた街並みなどを綺麗に撮るための注意点を お話します。

出かける前の準備とチェック

カメラ、電池のチェック、レンズなど普段の昼間の撮影準備と同じもの以外に必要なのが三脚(なるべくしっかりとしたもの)、レリーズ(スローシャッターを使うため)が必要になってきます。
コンパクトデジタルなどでは、手持ち撮影でも意外と綺麗に写るのですが、より綺麗な写真を作るためや一眼レフタイプでは、三脚や一脚が必要になります。

夜になると冷え込んできます。防寒対策も考えておきましょうね。身体が冷えると撮影もそこそこに早く帰りたくなりますからね。

レンズも、望遠系もあるとイメージが膨らみます。
イルミネーション撮影で大切なことは、どう見せたいかをはっきりと決めておくことです。記録写真的に残しておきたいのか、イメージを中心に見せたいのかを決めて撮ることで撮影方法が、変わってきます。今回は、自分のイメージを大切にした方法で写真を撮影してみましょう。

左の写真は、去年のものですが、手前に立体物のイルミネー ションを配置して背景に壁側のイルミネーションを重ねて撮影しています。この場合、絞りの数値を変えることで前側のイルミネーションの丸いボケ方が変化していきます。

レンズの焦点距離を変える(標準レンズか望遠レンズか)ことで丸ボケの大きさが変わってくることも大切なポイントです。


この写真は、手前の草木につるしてあるイルミネーションをぼかして奥にあるツリーにピントを合わせています。絞り値も開放で撮影しているのできれいなボケを配置した感じで撮影できました。

イルミネーション撮影をしてみると意外とさみしい感じに写ることが多いですよね。これは目で見ているより黒い部分が多く画面に入ることでそう感じるのです。
点光源であるイルミネーションは、絞りの数値を絞り込んで(f16などへ)いくと小さな光に写ります。シャープな感じですが、さみしい感じも出てきます。
画面のどこを見せたいのかをきめてそれ以外をボカすことで丸ボケがやわらかく大きめに写ります。画面全体の光の点をうまく配置することでさみしい感じがなくなります。画面全体に光を散りばめる感じを覚えておいてください。

この写真のように画面全体にイルミネーションを配置することでイメージが強く表現できるでしょう。
絞りの数値は、F3.5ぐらいです。
望遠系のレンズを使用すると丸ボケがさらに大きめになり雰囲気がやわらかい感じに写ります。


     

上の2点の写真は、望遠系ズームレンズ(80-200mm)で 撮影してあります。
望遠系レンズの特徴である 『重なりと圧縮効果』 を利用してみました。
イルミネーションの電球が何色で光っているかによってボケる色も変わってきます。
色の配置バランスもポイントです。よく観察してみましょう。

この写真は、多重露光という方法で撮影しています。スノーマンを1回目、周りの丸ボケをピントをあわさずに2回目を重ねて撮影しています。
カメラの機種によっては、できないものもあります。多重露光は、どう写るのかを計算していく面白さがありますよね。
このようにいろいろなテクニックを覚えていくことで目では見えない表現が、できるのでみなさんもいろいろと挑戦してみてくださいね。

筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/

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