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デジタル写真の楽しみ方

(社)日本写真家協会(JPS)会員・フォトス ハットリ 代表
服部 辰美

プライベートフォト

写真を習っているとどこかで写真の定義をなんとなく考える時期があると思います。技術的なことは、時間をかけて習っていけば必ず習得していることを確認できるでしょう。そしていろいろな作例に近づけて撮ることもできるでしょう。そのくらいのレベルになると「自分らしい写真」ってなんだろうということを考え始めるかもしれません。
そんなとき、身近なものを見つめ直して撮ることをしてみるといいでしょう。そして写した写真を見直してそれが誰でも同じように撮れる写真なのか自分にしか撮ることが出来ない写真なのかを考えてみましょう。こう撮らなければいけないという狭い定義にこだわると他人と同じような写真になりやすいでしょう。自分が見せたいものはこれだという部分が優先されれば構図のバランスが多少悪くても訴えてくる力強さがあればその人らしい写真になるはずです。

私事ですが、何年ぶりかのプライベートなブライダル撮影をしました。撮り直しの効かない撮影です。流れを把握して撮影ポイントを確認しながらその一瞬を見逃さないように撮り進めていきます。もちろん事前に最近の流行に沿ったカット撮影も調べて撮影しておきます。撮影後の編集作業で困らないようにアングルや右左の違ったカットも押さえておきます。デジタルカメラになってその場で確認作業ができるのでフィルム時代より安心して撮影ができました。予定していた編集後のイメージを考えてパソコンのモニターを見ながらセレクトしていて思ったのは、自分の撮りたかった写真があってもそのアルバムを後で見る人たちがその時の思い出を蘇らせることができる楽しみを優先させるほうが先だと気がつきました。アルバムを作るうえでどのページをめくっても笑顔があふれていることが大事だと思い技術的に上手く見せる写真よりも楽しそうな人々のカットを優先させて編集しました。かっこいい写真も撮り手にはよく見えるのですが、それよりもその場のドラマが感じられる写真のほうが何年後か先に見返したときには印象強いアルバムになると思ったからです。プライベートな写真になるほど一瞬を永遠に閉じ込めることが大切ですよね。

ブライダル、お祭り、行事ものなど記録性が重要なポイントの写真ではその場での一瞬の判断で写真のよし悪しが決まります。事前の下調べや一連の流れのピークや全体的な起承転結を把握して撮影に挑むことが大切です。そして普段から目の前のものを必要以上に観察して被写体に対する感受性を養うことを身につけていくことが自分らしい写真を撮る基礎になるはずです。よく見る、撮り終わったものをよく見直す、この作業こそが第二ステップの法則です。

筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/

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