文化講座
シャッタースピードの役割
前回は、絞りの役割をお話しました。
絞りの数値と連動してシャッタースピードが変化することも理解できたと思います。この二つの機構で適正な露出を決定することも知りましたよね。絞りの役割
のもう一つの部分に表現効果を担っていることがわかっていただけたと思います。同じようにシャッタースピードを変えて撮影することで写真の仕上がりが違っ
てきます。
シャッタースピードの基本数値は、
B・1・1/2・1/4・1/8・1/15・1/30・・・というようになっています。Bはバルブという設定で押している間シャッター幕が開いている状態です。
花火撮影などにもこのBという設定で撮影することが多いです。
最近のカメラには、2秒、4秒、8秒・・・それ以上自動で長く開けておくことができるものもあります。また、1/1000,1/2000.1/4000,1/8000など非常に速いシャッタースピードを掲載しているものがあります。
普段の撮影のとき手持ち撮影で使用するのは、1/15~1/1000ぐらいだと思います。
このぐらいのシャッタースピードで撮影すると見た感じをそのまま写したように見える範囲だといえるでしょう。
でもこの範囲をはずれたところ・・・1秒や1/4000秒などの部分を一度使って撮影すると人の目では見えなかった世界が写ってきます。
下の写真は、普通に噴水を撮影したものと1/8000で撮影したものとの比較です。
左の写真は、1/8000秒という超高速スピードで撮影しました。人の目には、見えない形を捉えています。噴水には見えずに氷のように感じます。もちろん、
一枚で撮影が決まるのではなく何枚も撮影してその中から面白い形になった瞬間の写真を選んでいます。デジタルならすぐに確認でき自分が気に入るまで撮影で
きます。下の写真は、通常撮影するシャッタースピード1/90秒ぐらいで撮影しています。 |
右の写真も1/8000秒で青空をバックに撮影したものです。
左後ろからの太陽の光で噴水の水が透け高速シャッターによって面白い形に写りました。普通にみてもこのような形には見えないでしょう。
また、逆にスローシャッターで滝などの水の表情を撮影するとやはり人の眼では捉えられない滝の表情が写ってきます。
このように動く被写体をどう表現すると面白いかをあらかじめ決めておいてシャッタースピードを選択していく方法があるんですね。
このような撮影に向いている撮影モードが、シャッター優先モードという方法です。シャッタースピードを自分で決めておいてあとの絞りの数値をカメラまかせで撮影するモードです。
動く被写体を止めて見せたいときや背景だけブラして写したりといろいろな方法があります。被写体の動きの速さによって選択することが大切ですので何度も練習を事前にしておくことが成功につながります。
高速や低速のシャッターが切れない明るさで撮影するとき、ISO感度の設定を変えてみることもやってみてください。デジタルカメラでは1コマごとにISO感度を変えることができるので便利です。
筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
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