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デジタル写真の楽しみ方

(社)日本写真家協会(JPS)会員・フォトス ハットリ 代表
服部 辰美

絵画に学ぶ

うっとうしく過ごしていた梅雨が明けると一気に太陽が眩しい真夏がやってきますね。青空、入道雲、青い海、爽やかな高原というように私達の心をアウトドアへと向かわせます。撮影や遊びに夢中になって熱中症にならないように気をつけてくださいね。

写真教室などでカメラの取り扱いに慣れた方を私の教室では初歩を終了された方達と呼びますが、その方達が最初にぶつかる難題の一つに構図という問題が出てきます。
目の前の光景は気に入って撮りたいのだけれど、どう構図をまとめればいいのかがよくわからない。作例写真と同じ場所じゃないのでどう切り取ればいいのか迷ってしまう。こんな悩みをよく耳にします。確かにベテランの方でも迷うのが構図という問題です。しかし写真だけではなく絵を描く方達もこの問題に悩んでいるはずです。そこで悩んだら一度美術館に行って絵画をよく観察してみましょうという提案です。特に昔から有名なみんな知っている絵画をよく見ることが写真の構図に役立つはずです。それらの絵画の多くは心地よく構図がまとめられているからです。写真のように主役(ピントを合わすもの)はこれと決まっていなくてキャンパス全体から強い印象を受けるかもしれませんが、そこには色のバランスや配置などから作者の見せ方が伝わってくるでしょう。

そしてもう一つ、写真の構図で大切な"黄金比、黄金分割"という画面分割の法則があります。詳しいことは、ネット検索で調べてみてください(笑)ミロのビーナス、パリの凱旋門、ギリシャのパルテノン神殿遺跡などにもこの黄金比が使われています。バランスが心地よいと言える比率なんですね。ファインダーで見える四角い画面にこの比率を当てはめて被写体の構図を考えていくのがベストだと言えるかもしれません。レオナルド・ダ・ビンチもこの数学上の法則から絵を描いたり彫刻を制作したと言われています。主役と背景のバランスや光と陰の比率、色のバランスなどとても参考になるはずです。そしてカメラに必要なレンズの画角との組み合わせも写真独自の構図バランスを生み出します。人の目線と違った世界を見せてくれるレンズの画角をうまく使いこなすことで素敵な作品になるでしょう。これから暑くなる季節にたまには涼しい館内でじっくり構図の勉強もいいと思います。

今月の一枚

この花ハスが咲き始めると夏が来たなぁといつも思う。ちょうど梅雨の中頃から咲き始めるので雨中での撮影が多い花です。開花時にポンと音がするとよく言われますが、実際に聞いたことはありません。観賞用のものはピンクや赤の色も見られます。晴天時に撮影するとコントラストが付きすぎて柔らかな花びらの感じがなくなるので早朝や曇り日の風がない日が撮影日和と言えるでしょう。
ぬかるんだ足下での撮影になることが多いので長靴も準備していくといいでしょう。


筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/

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