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デジタル写真の楽しみ方

(社)日本写真家協会(JPS)会員・フォトス ハットリ 代表
服部 辰美

日常を見つめる

紅葉も街中に目立つ時期になりました。北風がこれからの厳冬を感じさせいよいよ寒い季節の到来ですね。風邪などに注意して一年の終わりを乗り切りましょう。

美しいモミジの紅葉が終わると風景写真も一段落を迎えますね。少しずつ題材も撮るものが限られてきます。
そこでこの年末は、もっと身近なテーマで日常を撮ってみてはいかがでしょうか。散歩の途中に目に止まった光景、庭先の木々やベランダから見える世界、お気に入りのカフェから見える窓辺の風景など普段気にしているけどカメラを構えることはあまりしない場所を撮ってみる。カメラではちょっと大袈裟かなと思ったらスマホで撮ってみてもいいでしょう。要は身近な光景にレンズを通して観察することが大切だと思います。そこに新しい気づきが生まれ見落としがちな日常のおもしろさを再確認することができると思います。

同じ場所でも窓から入る光の時間帯によって物の見え方、感じ方が大きく変わることがわかります。その中で選択する好きな光景が自分の感性に繋がっていることに気づくはずです。硬い光、柔らかい光、順光的に届く光、逆光的に見える光などその被写体に届く光の性質によって見える世界の印象が大きく変わってくることもわかります。撮ってみたい被写体を見つけたらカメラを構える位置や距離を少しずつ変えて撮ってみましょう。新しい気づきや構図が見つかると思います。日々の中でものを見つめる練習がどこかに出かけて風景やスナップ撮影をする場合にきっと役立つはずです。

レンズを通してものを見ることが自分自身を見つめていることに繋がっていることがわかってくるでしょう。そこに写真の面白さを感じることができれば個性的な風景やスナップ撮影ができるようになってくると思います。
日常をよく観察できるのがカメラの力です。毎日見慣れている普通の光景でも同じ写真は二度と撮れないこともわかります。遠くに出かけなくても一期一会が普段の生活の中にあることを発見してほしいと思っています。

来年も皆様にとって良き年になるようお祈りいたします。

今月の一枚

冬の使者として毎年この時期になると訪れる木曽川のコハクチョウです。
愛知県一宮市と岐阜県の笠松町を結ぶ木曽川橋近くの浅瀬に朝方と夕方に集まってきます。近所の方が毎日餌を与えてくれるので時間になるとたくさん集まってきます。午後から夕方の光の中で撮影するのが良いと思います。湿地帯が多い場所での撮影になるので長靴持参がベストです。


筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/

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