文化講座
言葉と写真
暑い日が一段落するのはいつでしょうか、今年の盛夏は本当に暑かったですね。
少しでも涼しいところを求めて彷徨う日々でした。しかし自然の変化は秋に向かって進行中です。山などへ出掛けてみると季節の変化を感じることができると思います。
最近写真展などに出掛けると(作家さんのトークショー)の日程が記載されているのをよく見かけます。ご本人による作品の説明を聞くことはその写真から得られる印象をより明確な情報として受け取れ写真の内容を深く理解することができます。またどうしてその写真を撮るに至ったかを正確に知ることもできます。作家さんの人と成りを確認できる良い機会でもあります。
観る人にお任せという従来のスタイルもありますが、今の時代では"共有すること"への喜びを求めて作品展を訪れる人たちが増えているのでやはり(言葉)にして一枚の写真の意味を深めていくことが大切なのだと思います。
言葉にして考えるという具体性は、撮影以前から必要になってきます。なんとなくその情景に惹かれてシャッターを切ることもあると思いますが、そこに至る何かを簡単な言葉に置き換えてみるといいかもしれません。光、風、温度、湿度、空気の匂い、形など自分がその場で気になったものを意識して言葉に置き換えてみるだけでどう撮影すればいいのか次の行動に繋がってくるでしょう。ひとつでも明確な情報が写真の中に盛り込まれていれば観る人にも伝わりやすい作品になると思います。感性でシャッターを押す行動はここからスタートです。
偶然が必然に変わっていくのもこのタイミングかもしれませんね。
情報量の多い写真(広角系の画面にいろいろと写り込んだもの)は画面を整理しながら余分なものを排除していくことを心がけること、そしてミニマムに詰めた写真は逆にこれだけで説明的な言葉と繋がるのかを考えながら構図を考えていきます。また言葉の選び方で対象の印象や方向性が大きく変わることも忘れてはいけませんね。
*上の2枚は同じ場所で切り取り方を変えてみたものです。見え方がどう変わるかを考えてみましょう。
みんなが押しかける絶景ポイントでも上記のスタイルで攻めれば必ず自分だけの風景(情景)を撮ることが出来ると思います。
今月の一枚
長野県にある箕輪の赤そばの里です
高嶺ルビー2011という珍しい赤い花の咲く品種を東京ドームぐらいの広さの敷地で栽培しています。写真的に色合いがいいので9月下旬ごろから多くのカメラマンが訪れます。
長野県上伊那郡箕輪町中箕輪(専用駐車場有り)
筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/