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デジタル写真の楽しみ方

(社)日本写真家協会(JPS)会員・フォトス ハットリ 代表
服部 辰美

たくさん撮ること・・・を考えてみましょう

フィルム時代では、フィルム代や現像プリント代などコストを考えるとそう多くは、撮れませんでした。
たくさんの失敗経験からうまく写せるようになっていくものですが、なかなか現実ではそうはいかないですよね。
でもデジタルカメラの今日ではそれを簡単に実行できます。
撮影→確認→失敗→再度撮影→成功 この繰り返しをコストを心配せずに実行できます。
今回は、たくさん撮ることを考えどのような点に注意しながら撮ればいいのかを考えてみましょう。

□ 露出のことを考えてみる
プリントに適正な状態で仕上がる適正露出で撮影できるように撮影時の露出値を決めるプログラムオートで撮影していても被写体によっては明るすぎて写ったり逆に暗くなりすぎたりして写ることがあります。これはカメラの計測する露出が18%グレイ濃度になるように作られているからでしたよね。実際の撮影では、画面全体の合算濃度はなかなか計算できないです、そのため暗くなったり明るすぎたりする失敗がおきます。
そのためには露出補正をした値で撮影することが必要になってきます。
どれくらいの補正値で撮影すればきれいな仕上がりのプリントができるのかを知るために段階露光(露出)をして数枚撮影しておけば安心です。
慣れてくると被写体を見た時にどれくらい補正すれば良いかあらかじめ判ってくるでしょう。その感じが理解できるまで2,3種類の段階露出をしておきましょう。

明るく白っぽい花びらは、そのまま撮影すると暗い感じで写ってしまいがちです。
+側にも2,3段の段階露出をして撮影しておけば安心ですね。

□ ピント位置に迷った場合や絞りの数値を決めるのに悩んだ場合
画面のどこにピントを合わせると自分のイメージした感じで写せるのか悩むことがありますよね。そんな時に前後をずらせて撮影しておき自分好みのピント位置を選択すればいいでしょう。特に絞り開放値ちかくで撮影するとピントを合わせた前後からボケやすい写真になります。また望遠系のレンズでも被写界深度が浅くなりやすいので同じようにピント位置をかえて撮影しておきましょう。
また、絞り値で写真のイメージが大きく変わることもあります。その写真が、シャープに奥までピントがあった感じがいい場合と主役以外がボケて写っているほうがイメージを出しやすい場合などがあります。こんな時も数種類の絞り値をかえて撮影しておいてあとで比較しながら自分のイメージにぴったりのものを選ぶといいでしょう。

□ 構図のバランスに悩んだ場合

主役として見せたい被写体を画面のどの位置に配置して撮影するといいのかは、一番悩むところです。
こんなときは、画面の中央を基準に右や左、上下といろいろ主役の配置場所を変えて撮影しておくといいでしょう。
これを繰り返し撮影していくと自分の好みも分ってきます。
また、たくさんの中から選択することでバランス感覚を自然に身につけることにもなるでしょう。
主役と背景の関係を花の撮影で覚えていくのもいいでしょう。

以上のことをいろいろと実践していけば初めはなんか面倒な気がします。
でもフィルム時代で何ヶ月も失敗を繰り返して身につけてきた技術が、このことを実行すればとても短期間で学習することが可能になります。もちろん無駄なコストもかからないわけですから、初心者だけど早くうまく撮影できるようになりたい方は是非実行していただきたいことですね。


筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/

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