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デジタル写真の楽しみ方

(社)日本写真家協会(JPS)会員・フォトス ハットリ 代表
服部 辰美

水景色を撮る

そろそろ入梅の時期ですね。出かけるのがちょっと億劫になる季節でもあります。
でもこんな時期だからこそ撮影に適した被写体もたくさんあります。
雨対策をしっかりしてたまには、雨の中の撮影を楽しんでみましょう

□ 滝を撮る


 
雨降りの多いこの時期、滝の水量も多くて豪快な滝の姿を撮影することができます。滝の撮影は一般的にはシャッタースピードを遅くして糸を引くような姿を写しこむことが多いですよね。しかし豪快な感じをだすなら高速で撮影するのがいいでしょう。水しぶきまでも止めてしまう面白さが写り迫力満点の写真になります。(1/1000秒以上)この写真の注意点は、背景が暗くなる場所を選ぶことが滝の水しぶきをはっきりとみせることになります。光の方向も注意しなければいけませんね。順光では難しい撮影ですね。

 
この写真のように水量が、少なく感じられるときは、シャッタースピードを遅めにして撮影すると滝の流れを感じる仕上がりになるでしょう。滝の流れる動きを表現するスローシャッターのシャッタースピードは、大体 1/8~以下ぐらいがいいと思います。水量によって写りが変わりますから何種類かのスピ-ドを変えてカメラのモニターで確認しながら撮影しましょう

 
上の写真と同じものをホワイトバランスの設定を変えて撮影してみました。電球マークの設定で撮影するとこのように青く写すことができます。カメラの設定だけでイメージの違う写真を楽しめますね。デジタルカメラの特徴をよく知るとフィルムカメラでは高度な技術を学ばなければできなかったことが簡単な設定でできます。最近の新機種には、いろいろな写り方を楽しめるものが出てきていますよね。

 上の写真の撮影では、三脚が必需品になります。よく教室に持ち込まれる添削写真を拝見すると水の流れが中途半端な感じで写っている写真をみかけます。お話を伺うと旅行の途中で渓谷に立ち寄り手持ち撮影で写されていました。水の流れを表現したいのであればしっかりとした三脚を用意して撮影にチャレンジしてくださいね。


 
滝の全景を写しこむ場合に人物を取り入れるとその滝の大きさを見せることができます。純風景には少し邪魔な人物も風物の写真にはよいアクセントになります。人の動きや着ている服装の色などをよく観察して積極的に写真に取り入れてみるのもいいでしょう。

□ 水のある風景

晴天では明るいところと暗いところの差が大きくなり撮影するとコントラストの高い写真になりやすいです。渓谷や渓流の撮影には曇天や小雨の日が向いています。岩肌などの日陰部分も黒くつぶれずに写すことができます。新緑の葉っぱなども緑の色がきれいに写せます。
 

 
雨の日だからこそ見せてくれる自然の姿もあります。くもの巣に付いた雨粒が光のかげんできれいに光ってくれました光の方向をよく観察すると見えてくる素材です。あまり絞り込まずに開放近くで撮影しています。被写界深度を浅くすることで全体に柔らかなボケ具合が写せます。

 
雨の日の傘をさしての撮影です。雨の渓谷では足元に注意をしなければ危険な場合もあります。足元対策をしっかりして行きましょうね。この写真は、雨に濡れた葉が暗い渓谷で生き生きとした感じに見えたので撮影しました。雨で光った葉の美しさが出たと思います。その奥に水の流れを入れています。

 
風のない水面は、鏡のようになりますよね、カメラを構える高さを低い位置にしてみると上下シンメトリーな感じで写すことができます。水平のラインを上下いろいろに構図を変えてみましょ う。この写真は、水面部分を多く取り入れて静かな水面の雰囲気を表現しています。絞り込んで(f11)撮影しています。

このように水の写真でもいろいろな見方があることを感じていただけたと思います。
みなさんもぜひ、雨の日の写真を楽しんでくださいね。


筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/

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