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デジタル写真の楽しみ方

(社)日本写真家協会(JPS)会員・フォトス ハットリ 代表
服部 辰美

外と内

寒い日々も今月がピークだと思います。暖かい日は、写真撮影にもいっそう力が入るようになってくるでしょうね。

写真を撮る行為をよく考えてみると目の前に広がる無限の風景世界から自分が興味を持つ部分を切り取っていることがわかります。その興味をいだく部分が今の自分の心の内とうまく交差したときに思い通りのかたちになって一枚の写真が出来上がります。言い換えれば心の内側にある感情(気持ち)を自分の外側に見えている風景の一部に託して表現しようとしているのではないでしょうか。興味があるからそこにひかれてシャッターを押したくなるのだと思います。
やはりその時の自分の感情が大きく左右しているはずです。その自分の「外」と「内」をうまくシンクロさせて完成させていく面白さが写真には秘められています。このことを理解して写真を撮っていけばよりいっそう楽しみが湧いてくるのではないでしょうか。他人の写真を鑑賞するときにもその写真を読み取ろうとするようになってくるでしょう。

目の前の光景「外」と自分の気持ち「内」をうまくシンクロさせていくためには、カメラの操作設定や表現方法の技術理解がやはり大切になってきます。それにはカメラ任せでフルオート撮影から自分でカメラの機能をコントロールしながら撮る方法を学ぶことが大切です。よりスピーディーに撮影するためにはデジタルの便利な機能は欠かせません。カメラ任せでよい部分と自分で判断しながら設定をしたほうがよい部分とをうまく使い分けていきましょう。

自分の気持ち「感情」 + カメラの技術

作例「2月の街歩き」

この3枚は古い宿場町でのスナップの一部です。春の訪れを感じる場面を主体に切り取って(撮影)みました。

まだ肌寒い中で店頭に置かれていたキューピー人形が
こちら目線で何かを訴えているような気がしてシャッターを切りました。

春に近い季節のものを探していると軒先に咲いている梅が目に留まりました。背景にも注意をはらいながら主役の梅の花が目立つ感じの絞り値を設定しました。
バイクがライトを点灯させてこちらに向かってくるタイミングでシャッターを切っています。
周りの状況もよく観察しながら構図を決めていきましょう。

窓のガラスに通りの古い街並みが映っています。
道脇に菜の花の鉢植えがあり季節感をだしています。
暗く写ってくる部分に明るいアクセントとなっています。画面左側に窓枠をいれる構図にして奥行き感を感じられるようにしてみました。ピント位置は菜の花です。

みなさんも目の前の被写体をじっくり観察してみてはいかがでしょう。
そこに惹かれる気持ちをカメラの中に閉じ込めてみましょう。


筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/

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