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デジタル写真の楽しみ方

(社)日本写真家協会(JPS)会員・フォトス ハットリ 代表
服部 辰美

感性

ここを訪れていただいている皆様、明けましておめでとうございます。
今年もいろいろなお話をしていきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

写真を撮ったり学んでいくときに"感性"ということを考えたことが一度ぐらいはあると思います。他人の写真を見ていいなぁと思うときこの人の撮り方は独特の感性で物を見ていると感じたことがあると思います。じゃあ具体的にその"感性"って何?と考えたときはっきりと答えられないかもしれません。その人独特の感性で撮影されているとは感じられても言葉で何を置き換えればいいのかは意外と曖昧な部分だと思います。
うまく写せない、ありきたりの写真しか撮れない、やっぱり自分には感性の部分が足りないのではないかと写真を諦めかけていませんでしょうか?いままでのいろいろな方の写真を撮る姿を拝見してきて思うのは、何か趣味でも始めようと考えたとき絵筆より機械(カメラ)が写してくれる写真なら簡単そうだからという感じで写真を始められた方に写真はやっぱり難しいものなんだと諦める方たちを多く見受けられることです。簡単きれいに写るけどその写しとられた一枚を見直したときにどこか違うなという違和感を覚えてしまう。その場の雰囲気がきれいに写っているだけで他人の写真と比べるとつまらない気がする。いろいろな撮影技術は時間とともに身につけることは努力すればどなたでも出来ます。こんな感じに写したいと見本の写真に近づけることも学ぶことで出来るようになるでしょう。しかし自分独自の写真的表現をと言われた(要求された)ときに、はてさて何を撮ればいいのだろうかという壁に突き当たるのではないでしょうか。この時点で曖昧な言葉である"感性"のせいにして諦めかけていませんか?

感性=自分の生き方と言葉を置き換えれば少し方向性が見えてくるのではないでしょうか。
写真は自分の目の前にある姿を借りて自分の生き方(物の見方)を具体的に置き換える作業だと考えてよいと思います。自分が興味あるものに惹きつけられる対象物はやはりいままで過ごしてきた生活の中で身につけてきた習慣や物を見る態度などから培われたものだと思います。カメラのファインダーを覗いてこれだと感じたものが同調したとき、自分の感性に何かが繋がっているのではないでしょうか。一枚では見えてこないその何かも枚数を重ねていくことで自分が撮りたい何かに繋がっていくはずです。一枚の中に自分の生き方が写っていると意識しながら撮った写真を見つめ直すといいと思います。

テーマを持って撮影に挑みなさいとよく言われますが、その前に具体的な目の前の興味をひくモチーフのことを考え直すことが大切だと思います。モチーフがあってこそ撮るべきテーマが見えてくるのですから。興味をひくモチーフを探すことがご自分の感性「生き方」に繋がるのだと思います。今年も写真で素敵な出会いを見つけてください。

筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/

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