文化講座
主人公になって見る(撮るときの気持ち)
少しずつ、街の色が秋色になってきた今日この頃です。
黄色、オレンジなどに染まる日ももうすぐですね。
今回は自分の気持ちを写真に閉じ込めるにはどうしたらいいのかを考えてみましょう。 きれいに咲く花に「わぁ、きれいだ。これは写真に撮っておかなければ」とカメラをかまえて撮ると思います。そのときもうひと工夫すると今までとちがった視点でその花が見えてくるかもしれません。
ではどうすればいいのか・・・
被写体が花の場合を例にしてみたとき
◇ 自分自身を自分以外のだれかに置き換えてみる
自分が花の妖精になったり昆虫になったつもりで被写体(花)を見てみる
たったこれだけの気持ちの切り替えをするだけで被写体を見つめる気持ちが変わると思います。いままでの視線の高さや距離間を変えたくなってくるでしょう。
花に囲まれて暮らす妖精のしあわせそうな気持ちのなかで目の前の花を撮ってみてください。一番きれいに咲く花がみつかるはずです。その花をよりきれいに見せるための絞りとシャッタースピードを考えましょう。そして背景にも注意しながら写しましょう。
被写体が街などのスナップの場合
◇ 自分の好きな小説や音楽を思い出してみる
小説の中のワンシーンのような場面を考えて被写体探しをやってみる
よく感動した映画をみたあと外に出た瞬間にまだ自分がその映画の主人公になった気分になっていることがありますよね。ちょうどそんな気持ちになりきってみるのもいいと思います。気にならなかった壁に映る自分の影でさえそんな気分で見つめてみるとなにかミステリアスな面白さに見えてくるかもしれませんね。
また、好きな音楽を思い出して口ずさむと目の前の何気ない風景がCDジャケットの写真に使えそうな光景に見えてくるかもしれません。
このように自分のなかの気持ちを少し切りかえると今まであまり気にしないで通り過ぎていた風景がとても新鮮に見えてくるでしょう。
身近にある素敵な光景をより新鮮な気持ちでシャッターを押すことが、「自分の気持ち」を一枚の写真に閉じ込める方法につながってくるでしょう。
参考作例
下の写真の題名は・・・面会
少し前に見た刑事物のドラマの中でみたワンシーンのような気分でシャッターを押してみました
白クマの目線が檻のラインにかさならないように注意して撮影しています
普段からいろいろな写真集などを見て作者の視線がどんな気持ちで撮影されているのかを考えながら作品を読み取るといいでしょう。
きっと自分が撮影するとき被写体を見つめる気持ちが変わるはずです。
それを繰り返し、飽きずに続けることが自分らしい写真を生み出す秘訣です。
筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/