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デジタル写真の楽しみ方

(社)日本写真家協会(JPS)会員・フォトス ハットリ 代表
服部 辰美

センスを磨く

あけましておめでとうございます。いつもこのコーナーをご愛読ありがとうございます。
今年もみなさまの写真生活をより楽しんでいただけるようなヒントをお話しさせていただけるように頑張りますのでよろしくお願い申し上げます。

写真を撮っていく上で人に見せることを意識することは大切なポイントになります。その場の状況を記録的に写すことだけで終わるのではなくそのときの気持ちを読み取ってもらうように考えることが大切です。別の見方をすればその人(撮影者)のセンスが問われることになるでしょう。一枚の写真からその人の考えていることまで読み取れるように撮影することは大変ですが、鑑賞者との共通感ができれば写真の面白さがより楽しく感じられるようになるでしょう。

では撮影するためのセンスをどう磨けばいいのかを考えてみましょう。センスはもって生まれたものでしょうがないとあきらめずに日々の生活の中でいつも意識的に気を使っていけばきっと写真を撮るときにそれが生かされてくるはずです。
例えば、街のウィンドショッピングに出かけたときにデパートのウィンドディスプレイをじっくりと観察してみましょう。飾ってある素敵な商品のプライスに注目するのではなくガラス越しの長方形の中にマネキンや商品がどう配置されているかを観察してみましょう。少し後ろに下がって見てみれば構図バランスや色の配色バランスなど結構楽しめるはずです。何をテーマにウィンドを飾ってあるのかを考えることで表現効果も学べますよね。派手派手に見せたいのかシンプルに見せたいのかを考えるだけでもそのディスプレイヤーの考え方まで想像が広がります。
また、花の撮影でどのように構図をまとめればいいのか悩んでいる方なら「絵手紙」を見直すととても参考になるでしょう。はがきサイズの小さな世界にぎりぎりに切り取られた構図はとても魅力的に感じます。そこには作者の余分なものを切り捨てる大胆な構図バランスのセンスが詰まっているはずです。カメラのファインダーを覗くとき長方形の絵手紙を描く気持ちになって見てみましょう。今までと違った楽しさで撮影できると思います。

このように普段の生活の中にたくさんのセンスを磨くヒントがあるはずです。すれ違う人の洋服のセンスをちょっと意識するだけでも観察意識が生まれてきます。日常をいつもカメラのファインダー越しに見ているように気持ちを切り替えると外出する楽しみが増えるでしょう。そう感じ始めたらきっとみなさんのセンスが向上している証拠です。
そして雑誌などに掲載されている広告写真もセンスを磨くためにはとても参考になると思います。観察と発見の繰り返しが、よい写真を生む基本だと考えています。

筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/

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