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デジタル写真の楽しみ方

(社)日本写真家協会(JPS)会員・フォトス ハットリ 代表
服部 辰美

3月の花たち

三寒四温を肌で感じる季節の変わり目です。昼と夜間の気温差も大きくなり油断すると風邪をひきやすくなるので注意が必要です。春らしい温もりが感じられる日にそろそろ花の撮影に出かけるのも良いのではないでしょうか。

2月末から梅の便りが届き始め3月初旬にはこの地方のたくさんの撮影ポイントで見ることができます。また菜の花畑などもあちこちで見かけるようになってきます。山間地へ行けば樹間に綺麗な三叉の花を見ることもできますね。季節が確実に動いている事を感じられるのがこの時期の特徴だと思います。

写真を始められて間もない方が一番取り組みやすい被写体でもあります。そんな方達へのちょっとしたアドバイスをさせていただきたいと思います。

梅林ではまず全体をよく見回して形の良い主役を探します。その主役の木を中心に周囲の背景を整理しながら構図を考えていきます。柵などがあって近づけない場合は望遠系のレンズが良いでしょう(70~200mmぐらい)。少し高いところから俯瞰撮影できる場所があれば全体的な風景を広角系のレンズ(24~70mm)で狙うのも面白いと思います。次に枝振りの良い木を探して少し近づいて花と枝振りの良い部分を撮ります。この時は背景を整理しやすくなる望遠系(70~200mm)が良いでしょう。絞り優先モードでF値を変えて背景のボケ具合を調整すると良いでしょう。この時にも70mmで撮る場合と200mmで撮るのとでは写り方が違ってきます。前後に自分が動いてバランスの良い構図を考えることが大切なポイントです。

そしていよいよ花のクローズアップを狙います。マクロレンズがあると花一輪まで近づけるので便利です。最近のミラーレス用に新開発されているズームレンズも以前のズームレンズより近づいてより大きくクローズアップできるように設計されていますから最短距離で試してみるのも良いでしょう。この場合もF値を変えて撮影してみてください。背景をよくみて玉ボケができる位置を探してみましょう(花の後ろに樹間や葉っぱの隙間から光が差してくるところを探します)。花一輪を撮影するときに花のしべの綺麗なものを探すのも重要な点です。梅や桜では開いたすぐのものが綺麗にしべが揃っています。

このように花の撮影では望遠系のレンズやマクロレンズが重宝します。一部分を切り取る作業が自分の視線表現になってくるからですね。

花のある風景のような写し方では広角系で近づいて主役を強調するのが良いでしょう。レンズの持つ表現方法の特徴を考えながら撮影していきましょう。

今月の一枚

川売 梅の里
日本の里100選に選ばれている川売(かおれ)梅園です。里山の風景の中に梅園があります。
実を取る白梅が綺麗に咲き揃うのが見事です。
3月上旬から中旬が見ごろになりそうです。
駐車場が少ないので注意が必要です。
新城市海老川向11


筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/

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