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デジタル写真の楽しみ方

(社)日本写真家協会(JPS)会員・フォトス ハットリ 代表
服部 辰美

趣味の写真

少しずつ秋の気配が濃くなってきましたね。街中の紅葉などがみられる季節です。身近な秋の様子を写真で残せたら最高ですね。光の状態をじっくり観察すると秋の美しさを感じられると思います。

写真を趣味として始められた皆さんのきっかけはどのようなものだったのでしょうか?新しい講座のスタートや新しく入会される方には必ずお尋ねする質問です。何故ならその人がカメラを通してどのような方向性に向かっているのかを知りたいからです。誰かの写真展や写真集を見て感動して自分もこんな写真を撮ってみたい。家族や旅行の記録をより印象強く残したい。スマホやコンデジでは物足りなくなってレンズ交換の効く一眼レフタイプを買ったから。など色々なスタートのきっかけがありそうです。そして半年ほど基礎的なことを習っていくと色々な被写体に挑戦し始めます。それと同時に交換レンズの種類も増えていきます。メカが好きな方は色々なメーカーのカメラやレンズのことが気になり機材の充実が主になっていくかもしれません。

この辺りからご自分の写真に対する方向性が見えてくるでしょう。花が好きな方は花を主体に四季を追い、野鳥が好きな人は季節に応じて訪れる鳥を撮り、鉄道が好きであれば各地の路線に向かい、風景が好きな方は日本全国の山や海などを訪ね歩くことに憧れを抱くでしょう。目的が決まるとコンテストに応募したりグループ展に参加したりと行動範囲が広がり始めます。それと同時に上を目指すためにはより高度な技術力が必要だと痛感するでしょう。また、写真の別の世界があることを知り始める時期に差しかかります。それは、自分の内面表現をすることができる世界なのだと分かるからです。『スナップ写真』という分野がこれに一番近い内容ですね。日常の何気ない被写体に自分を投影しながら写真を撮る。その写真を見る人の心に伝わるかどうか、『いい写真』ならきっと相手に伝わります。ご自分の個展を開きたいと考えている方は、ここが一番大切な要素だと思います。技術的に上手いことが一番ではなく自分の心の思いが写っていることを鑑賞者と共有できるかどうかに関わってきます。相手の心に伝わる写真をめざしたいですね。

海岸で興味を惹く石ころや貝殻を集めて自分だけの標本を作るように写真は採集の世界とも言えます。人からどう見られようが自分が好きならそれで良い世界感があるのが趣味の世界だと思います。写真のプロを目指すわけではないので『好きなことを楽しむ』このことを忘れないように(上手い写真)を目指すのではなく(いい写真)を人に伝えていきたいですね。季節も一番良い時期になってきました。たくさんの被写体の採集、がんばりましょう。

今月の一枚


愛知県の小原にある川見四季桜の里の風景です。11月中旬から下旬に紅葉した木々との共演が楽しめます
小原四季桜まつり
2024/11/16~12/1
愛知県豊田市川見町


筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/

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