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デジタル写真の楽しみ方

(社)日本写真家協会(JPS)会員・フォトス ハットリ 代表
服部 辰美

冬の題材

一番寒くなる時期になりました。それでも今月後半には春の目覚めに咲く花の便りが届くかもしれませんね。寒さに負けずに近場でウォーミングアップのつもりで撮影をしてみませんか?

冬の撮影では日の出、夕景、夜景などを写す機会が比較的多くみられます。時間的にも無理なく行動がとれる時間帯に撮影できる時期である事と空気の澄み具合などが条件的に向いているからだと思います。とは言っても気温が一番下がるこの時間帯の撮影は大変ですね。日中の陽射しがある中での撮影を楽しむのも良いでしょう。

しかしいつも通りの撮影ではなかなか素材を見つけるのが大変だと思います。雪景色など(非日常)の条件になれば話は別ですが。この時期の太陽の位置は高度が低くなります。そこをうまく利用することで真冬ならではの撮影を楽しむことができます。この時にいつもの自分の撮影スタイルから少し設定条件を変えてみると今までよくわからなかった『光を読むこと』の面白さが理解できると思います。

そのための設定を下記の条件だけで被写体を探してみましょう。

撮影モード・・・マニュアル(M)
ISO感度 200か400に固定
絞り F16 シャッタースピード ISO 200の時は1/200 ,400の時は1/400
F値もシャッタースピードも固定して変えません(これが大切なポイント)
撮影条件 晴天のよく晴れた日の順光の光線で見える光景のみ撮影
レンズはご自分の好みのよく使用するもので構いません。

上の設定を絶対撮影途中に変えないことを厳守する。

この条件で綺麗に写るものを探してみる。逆光やサイド光で綺麗に見えたものでもこの撮影では写さない。

たったこれだけの撮影縛りをするだけで今までカメラが綺麗に写してくれていたものが写らなくなったり逆に目で見たもの通りに写るようになったりします。冬の晴天時は影の面積が横に広がり暗い部分をどう構図的に処理すれば良いのかを考えることができます。大切なのは順光が当たっている被写体を探すことです。そして露出補正はしません。上の条件を守ることが重要なポイントです。

*上の2枚の写真のように光が当たっている部分が表現されるので黒く潰れるところをバランスよく構図を作画していきます。頭の中で仕上がりを想像しながら被写体を探す面白さを味わえます。

補足
 逆光や曇り空では上の条件には合わなくなります。必ず快晴時を選択します。 街中のスナップで試してみてください、光が強く当たっているところを主役にして影を脇役にして構図を作っていきましょう。撮影し終わった頃にはきっと露出のこと、光と影のバランス作り、順光の使い方などが理解でき『カッコ良い』写真を作り出すことができるようになっていると思います。また普段オート撮影しか使わない方もマニュアル(M)撮影の使い方を理解するきっかけにもなりますよ。

今月の一枚

豊田市にある足助町の雛祭りの風景です。中馬のお雛様と呼ばれてしたしまれています。今年は2/11~3/12の期間中毎日開かれています。秋の紅葉でよく賑わうところ(香嵐渓)ですが、古い街並みが残る旧街道(伊那街道・中馬街道)沿いの家屋のお雛様の展示も江戸時代からのものもあり見事です。お天気の良い日に今年も出かけたいと思います。


筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/

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