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デジタル写真の楽しみ方

(社)日本写真家協会(JPS)会員・フォトス ハットリ 代表
服部 辰美

写真もどき

季節も三寒四温を繰り返す時期になってきました。草花もゆっくりと春に向かって準備しています。カメラのお手入れも抜かりなくしていますでしょうか?

ここを訪れていただく方の中にもフィルムカメラ時代から撮影を楽しんでみえる方がたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。でも未だ頑なにフィルムで撮影されている方もみえるかも知れませんね。プロでもフィルムにこだわり、デジタルで写したものは写真とは呼ばず「写真もどき」だと言われる先生もおられるとか。我々の年代ではそれもまた正論かなと思えることもあります。それは・・・

プリントを見た時デジタルのようなかっちりとした細い線で見せるのではなく銀塩独特の滑らかな調子で表現されるところに味わいを感じるのかも知れません。シャープさや解像感ではデジタルの方が上をいく時代になりました。ただシャッターを押しさえすれば綺麗な画像がすぐ見れます。カメラ操作さえしっかりとマスターすれば失敗なくプロが撮影するような写真仕上がりになります。写真志向の趣味人もデジタルになってからいっきに増えています。デジタル写真しか知らない人たちにとっては今SNS上の画像が写真なんだと定義されても仕方のない時代になりつつあります。いくらフィルムが好きでもPC上に掲載するためには、フィルム画像をデジタルデーターに変換しなければ見ることはできません。

時代のレールはその時の人々の欲求を感じ取り変化して未来に向かって伸びていきます。せめてもの慰めは美術館などで古い時代にプリントされた名作を見ることかも知れません。デジタルも写真と割り切って新しい表現を探っていくのがいいのではないでしょうか。まだまだプリンターは進化していくはずです。機能設定に(フィルム風仕上がりプリント)などのボタンがつくかも知れませんね。その時、ああこれが昔のフィルム写真のプリントだと言える記憶を残していくためにも過去に撮られた銀塩作品を大切に保存していかなければいけないと思います。そして機会あるごとに美術館などで開かれる写真展を覗いてみましょう。そういったところにはまだまだたくさんの写真家の銀塩プリントが保存されています。デジタルで神経がピリピリしている気持ちを柔らかくほぐしてくれるかも知れませんよ。また、フィルムがある今のうちに撮影に挑戦してみるのもいいでしょう。「写真もどき」という感じがつかめるかも知れませんよ。

筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/

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