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デジタル写真の楽しみ方

(社)日本写真家協会(JPS)会員・フォトス ハットリ 代表
服部 辰美

仕上げのイメージ

陽射しのある少し暖かな日には春が近づいているような気配を感じる今日この頃です。寒さが強かった年末から年初めの寒波で体調など崩されてはいませんか?あと少しで春がやってきます。梅、桜など日本人に特別な情感を抱かせてくれる花々を待つ楽しみな月だと考えて前向きに頑張りましょう。

写真撮影に出かける時、その場所で撮影するイメージを前もって下調べをしていくことはよくあると思います。色々な情報がインターネットや専門雑誌から得られるのでこんな感じで撮ってみたいというイメージを簡単に想像することができます。ただ実際の撮影現場では異なる条件に左右されて思い描いたイメージ通りにはなかなか撮れないことも多いのではないでしょうか。またそれとは逆に何も予備知識なしに白紙の状態で出かけて現場の雰囲気から少しずつイメージを作り上げていく方法もありますよね。前者の場合は得られた情報以上の作品に仕上げないと満足できない"縛り"に左右され条件が良くないと撮影せずに終わることにもなりかねないかもしれません。後者の撮影スタイルでは現場が発想のスタート地点になるのでそこから目の前の光景を感じながら撮影のイメージを膨らませていくことが重要なポイントになってきます。次はどこに行こうか決めかねている場合は、簡単な下調べをヒントに大まかな場所を決めて実際の撮影地で感じたものを写していくのが理想的です。そしてその被写体の仕上がりイメージを想像することでより明確な撮影設定ができてきます。最初の一枚をしっかりと確認しながら被写体をどう表現していけば良いのかを考えていきましょう。

#昨年の2月頃に訪ねた開田高原の風景です。雪が残っていますが陽射しは春を感じるような一日でした。冬ならではの空気の透明感が気持ち良かったことを思い出します

 長野県木曽郡木曽町開田高原末川にて

意識するワンポイントは『その時の今を写す』ということですね。その中には自分の感じている普段の意識も含まれていることを忘れないようにしましょう。
プリントした時のイメージを想像すると色味やコントラストなどの設定も迷わずに決めていくことができます。全てをカメラ任せにしないで仕上がりを自分の好みに設定していくことで同じ被写体を捉えてもオリジナル性が感じられる写真になると思います。RAW現像で撮影して後で調整すればいいと考えずに目の前の被写体と対峙しながらその場の雰囲気を大切に撮影していきたいものです。
また1カットごとの愛着も湧くのではないでしょうか。それを持続化していくことで自分らしい表現の統一感が出てくるはずです。

今月の一枚

白川氷柱群
冬季のみに見られる御嶽山から滲み出た水が凍りつき美しい氷のカーテンのような景色です。野川の清流と氷の青さが厳しい寒さを感じさせてくれます。
*長野県木曽郡木曽町三岳
小坂温泉けやきの湯付近


筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/

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