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デジタル写真の楽しみ方

(社)日本写真家協会(JPS)会員・フォトス ハットリ 代表
服部 辰美

こだわり

新緑が目に沁みる季節になりました。休日続きの5月初旬お元気にお過ごしでしょうか?お天気が良ければ撮影に出かける日も多くなるのではないでしょうか?

4月は忙しく咲く桜の追っかけでひと月終わりました。名所旧跡などもたくさん訪ねての旅でした。そんな中でいろいろな観光客やカメラマンとも出会いました。たくさんの人が訪れる場所で三脚をでんと構えて動かない撮影者もちょくちょく目にしました。光や風、雲の動きなどのタイミング待ちだと思いますがさすがに後ろの人たちを気にせず仲間同士で話し込み動こうともしない撮影者のマナーの悪さにはガッカリです。いずれその場所からの撮影にスマホのみ可能という規制がかかるかもしれません。自分の行動で自分たちの首を絞めることになりかねません。十分気をつけて行動したいですね。

そんな中である夫婦が桜をバックに記念撮影をしていました。旦那さんが奥さんをスマホで撮影されているのですがモニターを見ながら色々と奥さんが注文をつけていました。「もう少し桜を入れてとか、角度をこう変えてとか」厳しく指導?されていました。撮ったものをその場で確認できるデジタルの良さと都合の悪さを見ているようでした。あ〜あの奥さんは結構撮影に対してこだわりを持っているんだなぁと思って拝見していました。カメラをご自分が持って撮影すれば結構伸びるタイプの人だと思います。ここに来たから思い出に残しておこうという写真だけではなく自分の写り具合を頭の中でイメージしているようです。

この『こだわり』ということは写真をやっていく上でとても大切なことだとこの光景を目にしながら再認識した次第です。こだわりを持つことが自分らしい作品に繋がるからです。訪れた場所の桜の開花が6、7分だったらとりあえず撮影しますよね。そこで諦めずに満開だったらどう見えるのだろうというこだわりを持てば再度訪れて撮影したくなります。桜を撮影するときの私のこだわりの一つが『桜は満開を写す』というものです。同じ場所で6、7分咲きの写真と満開を迎えた時の桜の写真では大きく印象が違うからです。自分のイメージになるまで何度も撮る、この『こだわり』は写真をみなさんに見ていただくための強い意志につながっていきます。こだわりを持続していくことで撮影者の個性が出来上がっていくはずです。自然相手の風景写真ではいつもタイミングよく撮らせてはくれません。自分のイメージの作品になるまで撮り続けることが必要だと思います。納得いくまで撮るこだわりを持ちたいですね。

追記、近年三脚使用禁止の場所が増えてきています。自分の撮影場所確保のために三脚だけ立てておく行為などマナーの悪さが原因になります。カメラを持たない人も同じように見学されていますので気をつけて行動したいですね。

今月の一枚

毎年のようにこの季節から初夏にかけて訪れたい場所です。色とりどりの花々が楽しめます。高原の空気も気持ちよく青空が澄んで日常から解放された気分です。
三重県津市白山町 メナード青山リゾートハーブガーデン


筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/

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