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デジタル写真の楽しみ方

(社)日本写真家協会(JPS)会員・フォトス ハットリ 代表
服部 辰美

新陳代謝

秋も本格的な季節になりやがて冬への入口を感じる季節になってきました。
紅葉も里山から町へと下りてきて秋色を身近に感じられるようです。

写真とどう接していけば良いのか?これは写真を仕事としてやっている人だけでなく趣味として楽しんでいる方も必ず一度は考えることだと思います。カメラを手にした初めの頃は、ただカメラを触っているだけで楽しく身近な被写体に向けてシャッターを押すだけでも幸せ感を味わえる道具だと感じていたと思います。少し慣れてくると自分の視線が外へと向かっていきます。雑誌やカレンダーに載っているような写真を撮ってみたくなりますよね。そのために色々な技術解説の本を読んだり写真の教室などに通って様々なテクニックを身につけようと頑張ります。第三者からウマイねぇと言われれば嬉しくなります。
しかしある時、自分の写真を見直してみると雑誌のコンテストに出てくるような写真とあまり代わり映えのしない写真のオンパレードだということに気がつきます。撮影場所やカメラアングルなど雑誌の作例写真とほとんど同じようなところでしか撮っていないことが多いのに気づきます。どうしてなのか・・・。
見てもらう人にいいねと感じてもらうために自分の感じた方向の写真とは違ったものを撮っていませんか?何をどう撮ろうと真剣に考えるのが面倒で作例写真の現場さえ行けば同じような綺麗な写真が撮れるだろうと安易な気持ちで出かけていませんか?写真を学ぶ途中ではこれらの事も大切な方法論ですが、いつまでもそれを続けていては次のステップアップに進めませんね。どこかに撮影のためにお出かけする前にどのような写真を撮ろうかなとイメージしてみるといいでしょう。それに近づけるレンズを準備してその他フィルターや三脚など一つ一つチェックして出来上がる写真のイメージを膨らませていけば現地での忘れ物もなくなり被写体と対峙する気持ちに余裕が生まれます。じっくりと観察することができ自分の撮りたい方向も見えてくると思います。

自然風景などもいつもの撮影ポイントだけでなくその周辺を歩きながら違ったアングルや新しい撮影ポイントを見つけるようにしていくことで自分自身だけの作品が生まれる可能性が出てきます。そこにプラスαとして被写体の物語性を感じる何かを写し込めるようにします。そんな写真が撮れるようになってくると自分だけのオリジナル性が生まれてくるはずです。
撮影時以外でもSNSなどから刺激を受けることで写真に対するこれまでの考え方から脱皮できると思います。日本の中でもこんな場所があったんだとか、こんな撮影方法があるのだとか見て刺激を受けることをお勧めします。インターネットは無限の可能性を産む魔法の道具として利用していきましょう。

今月の一枚

三重県いなべ市の山中にある鳴谷山 聖寶寺の大銀杏の黄葉です。平安時代から開かれたお寺ですが戦国時代に織田家の家臣により焼失。
その後徳川中期に再興して現在に至っています。
境内には美しい紅葉のもみじが庭園を彩り本堂前の大きな銀杏が色づく頃見頃を迎えます。
2020.11月中旬撮影
三重県いなべ市藤原町坂本981
https://www.shoubouji.com/


筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/

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