文化講座
水と緑の季節
季節の中で一番爽やかな空気を感じる頃になりました。光も少しずつ硬さを映し出すように夏への準備期間みたいです。新緑も本格的に薄い緑から濃い色へと色の変化が進んでいます。自然をよく観察すると季節の変化が感じられますね。外での撮影もじっくりと楽しむことができるのではないでしょうか。
私はこの時期はやはり新緑が気になり山や渓谷のある方面に出かけることが多くなります。桜前線が北上してこの地方のピンク色が消え代わりに緑の変化が楽しめるからです。淡い萌色から黄緑、浅い緑、そして濃い緑へと木々の葉が変化していきます。5月の光はそれらを優しく包み込むように木々たちに光の栄養素を送っているように感じます。時折降る雨も緑の中では被写体を着飾る小道具になってくれます。ダムなどの周辺では山藤、躑躅などが彩りを付けてくれます。
撮影する被写体によっては雨の日も出かけたくなります。渓流撮影には小雨や曇り日が向いているからです。レンズ周りにタオルを掛けてシャッターを押す前にレンズに水滴がついていないかを確認してから撮りましょう。滝などに近づいて撮影する時もこの2点だけは注意してチェックしながら撮影を進めます。水滴がレンズ前に付着するとその部分だけがぼやっとボケて写るからです。面倒がらずにこまめにチェックしながら撮影してください。水滴が付きにくいフィルターなども良いでしょう。エアーブロアでシュッと取り除くこともできるからです。
山も雪解け水などの影響で水嵩が増えてくるので渓谷の水の流れも撮影に向いています。藪蚊などもまだ少ないので三脚を構えてスローシャッターで流れをじっくりと撮れるのではないでしょうか。PLフィルターとN Dフィルターを忘れないようにして下さいね。その場所の構図作りも大切ですが、その前にどう光が差し込んでいるのかを観察してから撮影ポイントを決めていきます。次に構図のバランスを考えていきましょう。良い光が当たっていればそれだけで写真の力が強くなります。時間が合わなければ再挑戦という意気込みが良い写真に繋がっていきます。また気温差もある時期なので早朝にはモヤが出ることも多いです。"夜うち朝駆け"の言葉どうり早朝のチャンスを楽しみましょう。
今月の一枚
湖東三山のひとつである百済寺です。秋の紅葉名所によく取り上げられる所ですが新緑の芽吹時期の石段も美しいと思います。秋と違って観光客も少なめなのでゆっくり回って撮影できます。曇り日がおすすめです。
滋賀県東近江市百済寺町323
筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/